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前頭葉の血流アップ!認知症の症状に変化がみられたレモングラスの香り

  • 2017/03/16 UP!

認知症の患者さんの症状を改善するために、レモングラスの香りを使って実験を行った星薬科大学・塩田清二教授(※前回のインタビューはコチラ)。表情が明るくなるなど、さまざまな変化が見られたそう。脳にいい影響を及ぼす可能性があるレモングラスの香りについて、詳しく解説していただきました。

寝ている神経細胞を起こし、脳の司令塔「前頭葉」の血流アップ!

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―なぜ認知症の患者さんに、レモングラスの香りを選んだのですか。

塩田 認知症の人の多くは、脳の司令塔である「前頭葉」の神経細胞があまり働いていない状態です。そのため会話をしなくなったり、動きが鈍くなったりして、日中もぼんやりと過ごしがちです。嗅覚の衰えも見られます。レモングラスは名前の通り、レモンに似た柑橘系の香りがします。レモングラスの香りをかぐと、交感神経の働きが活発になり、前頭葉の内側の血流が増えることが分かっています。前頭葉には、においを判断する役割もあるんですね。嗅神経というのは、脳内で数少ない“再生される神経細胞”。つまり、外から香りの刺激を与えて嗅神経を刺激すれば、前頭葉やその周囲の神経細胞も活性化する可能性がある、というわけです。

―実際に患者さんには、どのような変化があったのでしょうか。

塩田 重度の認知症患者さんが入所する介護老人保健施設で、日中に2時間ほど、低温真空抽出法という方法で抽出した純度の高いレモングラスの細胞水の香りをかいでもらいました。すると1カ月後、体をよく動かすようになったり、人と話すようになったりしたのです。表情が明るくなる、食事を残さなくなる、着替えができるようになる、夜ぐっすり眠れるようになる、といった変化も見られました。

―認知機能に関してはいかがでしたか。

塩田 1カ月程度で、記憶テスト(認知度を調べるタッチパネルテスト)の結果が有意に向上するというデータが出ています。また、周囲への関心、不安、幻覚、妄想などの周辺症状についても改善傾向が確認できました。

認知症のサイン「嗅覚の衰え」をチェック

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―香りを使った認知症対策、広がっていきそうですね。

塩田 そう願っています。認知症のおよそ半数を占めるアルツハイマー型認知症は、その初期段階から、においを感じにくくなるといわれています。そこで、アルツハイマー型認知症の早期発見を目的とした嗅覚検査も開発されているんですよ。ご家庭でしたら、以下のようなサインも目安になるでしょう。

【塩田先生監修 認知症兆候チェックリスト】
□腐ったものを食べてしまう
□冷蔵庫に腐った食材が入っていても気づかない
□料理の味付けが突然濃くなった
□冷蔵庫に食べられないもの(花など)が入っている
□冷蔵庫に同じものばかり入っている
□経験した出来事だけでなく、経験したこと自体も忘れてしまう
□大切なものを、しまった場所を忘れる
□何度も同じことを聞く、何度も同じことを言う
□約束をすっぽかす

※これまでと違う行動の変化がみられたら、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

レモングラスの香り 豆知識

これからますます注目を集めそうなレモングラスの香り。レモングラスはイネ科の植物で、タイ料理のスープなどに使われることもあるハーブの仲間です。精油には消臭・抗菌作用があり、タバコやペットなどのにおい対策にもぴったり。防虫対策として使われることも。さわやかな柑橘系の香りです。

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■取材協力
星薬科大学教授・医学博士 塩田清二先生
1974年早稲田大学教育学部生物学研究科卒業後、新潟大学理学研究科修士課程修了、昭和大学第一解剖学講座で医学博士号取得。同講座主任教授を経て、星薬科大学 生命科学先導研究センター ペプチド創薬研究室寄附講座等教授(特任教授)。日本アロマセラピー学会理事長、日本統合医療学会執行役員。専門は神経ペプチドを中心とした神経科学。

(文:医療ライター/健康・医療ジャーナリスト・小川留奈)

塩田清二先生のインタビュー記事一覧
第1回 脳が活性!免疫力アップ!快眠! ヘルスケアの新常識「香りは脳に効く」
第3回 2時間かぐだけで仕事も家事もはかどる!柑橘系の香りでセルフケア
第4回 関節痛には「ジンジャーの香り」。香りは関節や筋肉の痛みをやわらげる効果も

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