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台北で見つけた香港の絶品薬膳スープ、滋味の秘訣は?

  • 2017/04/25 UP!

台北でいただける、香港の絶品薬膳スープ

台湾の人が言うのです。「漢方や養生のことを調べてるなら、香港も見た方がいいよ」って。で、料理研究家の台湾の友人に「香港ってそんなにすごいの?」と聞いたら、さらりと、
ああ、あの人たち『バオタン』を飲んでるからねえ。
という答えが返ってきました。

「バオタン」は、漢字で「煲湯」。長時間煮込んだスープという意味です。香港ではそれを飲んで体調管理するんだとか。台湾では聞いたことがありません。

調べてみたら、その煲湯の専門店が台北にありました!MRT雙連駅のすぐ近くです。

蟲草花響螺雞湯
▲蟲草花響螺雞湯

この日私が頼んだのは、看板メニューの「蟲草花響螺雞湯」。蟲草花と、響螺と、地雞のスープという名前です。メニューには「冷え症の人、仕事が忙しくストレスの多いビジネスマンに」。これは嬉しい。

「蟲草花」は、あの有名な漢方食材「冬虫夏草(とうちゅうかそう)」と似たキノコ。日本ではサナギタケと呼ばれ、免疫力アップの効果があります。地鶏には気血を補う効果が、貝の一種・響螺は目に良い食材です。

飲んでみると・・・何という味わいの深さ!塩分は控えめで、素材の美味しさがそのまま胃に染みこんでいくようです。もちろん地鶏のお肉はほろっほろ。こんな美味しいスープ、飲んだことないよ・・・!滋味ってこういうものを言うんだわ。

友人が頼んだのは、野菜のスープ「猴頭菇青紅蘿蔔粟米湯」とお粥のセット。

猴頭菇青紅蘿蔔粟米湯
▲猴頭菇青紅蘿蔔粟米湯

ヤマブシタケ、ニンジン、大根、トウモロコシに、アワ(粟)と、肉類は入っていない菜食者向けスープです。これも・・・うまい!!
台湾のスープってさっぱりしたものが多いんですが、これはとろみがあって濃厚なんです。

このお店のおかみさんは香港女性。ちょうどお店にいらしたので、色々お話を聞くことができました。実に気になる、このおいしさの秘密。

あの、このスープって何でダシを取ってるんですか?
とたずねると、

ダシ?ダシなんて使わないわよ!」とケラケラ笑い出すおかみさん。
香港のスープはね、いい素材を使って、素材そのものからいい味が出るまでじっくり煮込むからおいしくなるのよ!」

なんと、別の食材でダシをとることは一切なくて、中に入っている素材だけで旨みを引き出すんだそう。ダシ文化・日本で生まれ育った私、驚愕です。

「ええっ、じゃあこの野菜スープって、この数種類の野菜だけでこんなに深みのある味になるんですか!?」
「そうよ~!」
「な、なんと贅沢な・・・そして作るの大変そう・・・」
「そうね、3~4時間はじっくり煮込まないとこの味にはならないね」

私が頼んだスープは240元(約870円)、野菜スープは単品で190元(約690円)。スープボウルにたっぷり入っているものの、台湾の物価からするとなかなか高額。でも、素材を厳選し、手間をかけないと作れないスープだから仕方ないんですね・・・。

香港人の食卓に絶対欠かせないのがこのスープよ!うちの店ではコストがかかってどうしても高くなっちゃうけど、お母さんが家で作るから毎日飲めるの!」

なんと、香港人はこんなスープを毎日飲んでいるというのです。

香港って実は長寿でも有名。日本を抜いて世界一の長寿記録をとったこともあるんですよ。
その健康の秘訣は、母の愛がたっぷりつまった毎日の特製スープにあったんですねえ。

香港スープ専門店「原味 ‧ 湯廚」(台北市)
▲台北でいただける、香港スープの専門店。「港式」=香港式の意味

[SHOP] 原味 ‧ 湯廚(Our Soup Kitchen)※スープの他、香港スイーツもあり
※おかみさん香港帰省中のため、2017年5月26日まで臨時休業中。27日から営業再開
住所:台北市大同區南京西路25巷48號
電話:(02) 25596356
公式サイト:http://www.oursoup.com
Facebook:https://www.facebook.com/oursoupkitchenfanpage

 

香港で聞いた「煲湯(ボウトン)」の秘密

にわかに香港のことが気になってきた私、思い切って香港に行ってみました。香港では、長年香港に住む料理研究家で、香港料理教室「ルシャス*デリシャス」主宰の櫻井景子さんにお会いし、色々教えていただきました。

香港料理研究家・櫻井景子先生
▲本物の香港料理を日本に伝える櫻井景子先生。長年の香港生活の中で得た膨大な知識は、香港の食品・料理にとどまらず、その背景の食習慣・食文化にまで及ぶ。言葉の全てから香港への愛があふれていて、お話を伺っているだけで香港が好きになってしまいそう

香港の食生活で、スープは非常に重要な意味を持っているそう。
食べる順番も、最初にスープが出てきて、まずはスープを飲んでから料理に手をつけるのが基本ルールなんだそうです。

台湾で「バオタン」と聞いていたスープ、広東語では「ボウトン(煲湯)」といいます。最低でも2~3時間、じっくりことこと煮て作るスープです。

香港の家庭では必ず毎日、お母さんが家族にこのスープを飲ませます。そのレシピは、毎日違うものを飲んだとしても何十年も重複しないほどのバリエーションがあるといいます。

季節や家族の体調に合わせ、様々な漢方薬材や食材を厳選して作る「ボウトン(煲湯)」が、香港人の毎日の健康を支えているんですね。

香港のマンションと市場
▲立ち並ぶ高層マンションの下に市場が

 

香港には「薬膳レストラン」がない?
その理由がすごかった!

香港行きを決めた後、櫻井先生に「どこに行きたい?」と聞かれて、「香港の薬膳レストランに行ってみたいです~」と答えました。そうしたら、

香港には、薬膳レストランなんてありませんよ。(^^)

えええ?!台湾にはあるのに香港にはないの?

香港では、食を通して養生することが日常生活の中に完全に根づいているから、わざわざ『薬膳』という看板を掲げるレストランなんてないんです。そもそも全部が薬膳なので。」

なんと!すごいぞ香港!
台湾でもいろいろな発見をしていますが、香港もとっても奥が深そうです。
時々台湾を飛び出して、「てくてく香港散歩」もやってみたくなりました。

[Shop]香港料理教室「ルシャス*デリシャス香港」
櫻井景子先生の、本物の香港の味が学べる貴重なレッスン。香港と東京で開催中。
公式サイト:http://lusdeli.wixsite.com/lusdeli/copy-of-cooking-class

 

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松浦優子/台湾情報ライター/東京都港区出身の40代。元Web広告ディレクター。現在は外国人向け日本語教師のほか、台湾経済ニュースの翻訳、ライターとして活動。一年のうち1カ月以上は台湾に滞在し、文化や歴史・健康など、気になるテーマを探求中。インドア派、愛猫家。台湾で得た一番の宝物は、あたたかい台湾の人たちとの友情とご縁。

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