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【人生100年時代】なぜ“食べる”ことが大切なのかを知っていますか

“食べる”ことを人生の喜びにしていきましょう

今回の先生は

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順天堂理事
順天堂大学名誉教授・特任教授
佐藤 信紘先生

人生100年時代を健康的に生きていくために大切なことや、今すぐ実行できることは何かを医師に聞くコラム「人生100年 健康でいこう」。第3回はなぜ食べることが大切なのかを、人体の生命機能や消化器内科学が専門の佐藤信紘先生に聞きました。

消化器官が一番最初に誕生
お腹は「第二の脳」として活躍しています

生物の進化の過程をみると、脳よりも先に、まずお腹(腸)が誕生しました。栄養を取り込み、不要なものは排除できることが生命の基本だったのです。その後、消化器系や、消化器官を動かすための神経系が発達し、やがて脳ができたと考えられています。

現代人のお腹には脳に匹敵するくらい多くの神経細胞が存在し、お腹の働きを自律的に司っていることから、お腹は「第二の脳」ともいわれています。ものを食べることによって「第二の脳」が脳を刺激し、それが全身に伝わっていきます。動物の体のあらゆることが、ものを食べることから始まるというわけです。

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お腹と脳は「脳腸相関」を持ち、情報や刺激のやり取りをしています。腸の働きが悪くなるなどのお腹の不調は、脳の働きや心の状態に大きく影響を与えます。また、脳がストレスを感じるとお腹の調子が悪くなります。お腹と脳はそれほどまでに影響を与え合っていると知ってほしいですね。

食べることは自然との共生
体だけでなく、心の状態も作っています

私たちの生命はエネルギーを与えないと途絶えます。そして、そのエネルギーのもとは、太陽の光と水、空気中の炭酸ガスなど、自然の中から生まれた食べ物に他なりません。

ですが、すべての食べ物が体にいいとは限らないもの。そこで、お腹は食べ物と共生するために、体にとって敵になるものや、異物を認識して排除する”免疫”の働きを担ってきました。お腹には免疫機能の約8割が集中しています。

また、免疫機能に大きな影響を及ぼすのが腸内細菌。人間のお腹には100種類以上の腸内細菌があり、善玉菌も悪玉菌も共存しながらバランスをとっています。

腸内細菌のバランスが崩れている状態は「ディスバイオーシス」といわれ、病気にかかりやすくなったり、精神的にも不安定になったりします。腸内細菌の状態が脳や中枢神経に伝わり、心と体全体に影響を与えるのです。

昨今では「カロリーはできるだけ手軽に取りたい」「野菜はジュースで代用すればいい」「栄養や食物繊維はサプリメントから」など、食のシーンでも効率化を求める声が聞こえてくることがあります。「ディスバイオーシス」を起こさないためには、いろいろな食べ物を、バランスよく食べて、敵や異物を排除する力を培うことが大切。それが健康長寿につながるのです。

食べることを人生の喜びに
自由に、でもほどほどに楽しみましょう

人生100年時代、いくつになっても元気でいたいと願うなら、食べることを楽しみ、お腹を動かして、喜ばせることが大切です。食べることは生きることであり、私たちの体と心を支えてくれています。

ただし、「お腹を喜ばせる」イコール「たくさん食べる」ではないことも忘れずにいてください。

“適量のお酒は体によい”とする「Jカーブ」という考え方がありますが、お酒に限らず、食べ過ぎもよくありません。摂取する量が適切かどうかが重要です。

食べることは喜びです。自由に、でもほどほどに、食べることをぜひ楽しんでください。

佐藤信紘先生プロフィル
大阪大学医学部卒業後、順天堂大学医学部消化器内科学主任教授、同大付属順天堂練馬病院院長、大阪警察病院院長を経て、2006年から現職。専門は人体の生命機能、消化器内科学など

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