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自動車運転免許の自主返納を考える 「もう危険? 親の、私の運転テクニック」

もう危険? 親の、私の運転テクニック

 高齢ドライバーの認知症対策を強化する「改正道路交通法」がスタートしました。高齢者の交通事故のニュースも多く、「いつまで運転できる?」「運転から卒業させたい」などと悩んでいる人も多いのでは? 親や自分の“運転寿命”を考えましょう。

 75歳以上の運転者は、免許更新時の「認知機能検査」で「認知症のおそれがある」と判断されると、医師の診断を受けることが義務付けられた今回の改正。事故、信号無視などの違反をした場合も、臨時の検査を受ける必要があり、「認知症」と診断されると、免許停止・取り消し処分となります。
 車の運転は、視力、聴力、認知力、判断力、反射神経などさまざまな能力を同時に必要とする複雑な作業。「個人差はあるものの、60歳くらいから加齢に伴い、これらの機能が衰えるのは自然の摂理。高齢ドライバーに交差点や出合い頭の事故が多いのも、瞬時に判断する力の衰えが原因」とは、高齢ドライバーの研究をしている帝塚山大学学長・心理学部心理学科教授の蓮花一己さん。
 以下のチェックリストを参考に、家族で運転時の認知機能を確認してみましょう。


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いくつ当てはまる? 家族でチェックしてみて! 運転時認知障害早期発見チェックリスト30

□車のキーや免許証などを探し回ることがある
□今までできていたカーステレオやカーナビの操作ができなくなった
□トリップメーターの戻し方や時計の合わせ方がわからなくなった
□機器や装置(アクセル、ブレーキ、ウインカーなど)の名前を思い出せないことがある
□道路標識の意味を思い出せないことがある
□スーパーなどの駐車場で自分の車を止めた位置が分からなくなることがある
□何度も行っている場所への道順がすぐに思い出せないことがある
□運転している途中で行き先を忘れてしまったことがある
□良く通る道なのに曲がる場所を間違えることがある
□車で出かけたのに他の交通手段で帰ってきたことがある
□運転中にバックミラー(ルーム、サイド)をあまり見なくなった
□アクセルとブレーキを間違えることがある
□曲がる際にウインカーを出し忘れることがある
□反対車線を走ってしまった(走りそうになった)
□右折時に対向車の速度と距離の感覚がつかみにくくなった
□気がつくと自分が先頭を走っていて、後ろに車列が連なっていることがよくある
□車間距離を一定に保つことが苦手になった
□高速道路を利用することが怖く(苦手に)なった
□合流が怖く(苦手に)なった
□車庫入れで壁やフェンスに車体をこすることが増えた
□駐車場所のラインや、枠内に合わせて車を止めることが難しくなった
□日時を間違えて目的地に行くことが多くなった
□急発進や急ブレーキ、急ハンドルなど、運転が荒くなった(と言われるようになった)
□交差点での右左折時に歩行者や自転車が急に現れて驚くことが多くなった
□運転している時にミスをしたり危険な目にあったりすると頭の中が真っ白になる
□好きだったドライブに行く回数が減った
□同乗者と会話しながらの運転がしづらくなった
□以前ほど車の汚れが気にならず、あまり洗車をしなくなった
□運転自体に興味がなくなった
□運転すると妙に疲れるようになった

※特定非営利活動法人高齢者安全運転支援研究会提供

 

5つ以上は要注意!
チェックが入った項目は、運転のウイークポイントとして自覚し、下記の解説も参考により一層の注意を払って安全運転を心がけて。

<解説>

早めに機能の衰えを自覚して運転することが認知症を予防する面も


特定非営利活動法人高齢者安全運転支援研究会理事 日本認知症予防学会理事長
鳥取大学医学部保健学科教授 浦上克哉さん

 日常の生活では気づきにくい初期の認知機能の衰えも、高度な脳の作業を必要とする自動車の運転時には表れやすい面も。上のチェックリストを、早めの気づきの機会にして、認知症予防を心がけてください。

 脳や体を活発に動かすことは、認知症の予防や進行を抑えるためにも大切なことです。運転自体にもこの効果は、大きく期待できます。ただ年齢に関わらず、運転には人身事故を起こすリスクが常に付きまとうことも忘れないでください。
 そして年に1度は、このリストで運転をチェック。5つ以上チェックがついたり、前年より数が増えたりした場合、まずは長距離や夜間、悪天候時など、リスクを伴う運転は避けるようにすべきでしょう。また、行動を工夫することも必要です。少し遠回りになっても狭い道路や通学路を避ける、右折の少ないルートを選択する、時にはバスやタクシーを使うことも考えるべきです。さらに気になる人は、専門医を受診することをお勧めします。

【参考】
認知症ではタイプによって脳の障害を受ける部分と原因が異なり、失われる能力や運転に与える影響も異なるのだそう。浦上さんに、タイプ別の表れやすい状態を聞きました。
<アルツハイマー型認知症>
 運転技術は習慣として身についているため、すぐには失われることはありませんが、曲がる場所を間違えてあわてたり、とっさの判断が遅れて事故につながることもあります。また、視空間認知機能の低下により車庫入れや狭い道路などで車体をこすることも増えてきます。右折や高速道路の走行が苦手になるのはこのタイプに多いと考えられます。
<血管性認知症>
 脳梗塞や脳出血など、脳卒中による脳の障害が主な原因で、日本ではアルツハイマー型に次いで2番目に多いタイプ。脳卒中の後遺症として特徴的な、はっきりとした体のまひ以外にも、他人にはわかりにくい微細なまひが運転に影響を及ぼしたり、脳血流の低下により判断の遅れが生じたりして事故につながる恐れがあります。
<前頭側頭型認知症>
 常識はずれの言動で周囲に迷惑をかけることも多く、赤信号でもそのまま交差点に進入してしまうなど、運転には向いていないタイプの認知症といえます。
<レビー小体型認知症>
 脳からの指令が遅れることから、危険回避などとっさの動きに支障が生じやすいことが問題に。また、本人は駐車スペースにまっすぐ止めたつもりなのに、実際は大きく曲がっているというのもこのタイプの特徴です。


40代、50代のミセスは、4割近くが親の運転にヒヤリ!
70歳を過ぎたら運転を見直して


※データ、コメントは、リビングWebで2月23日~3月1日実施の「運転免許」アンケートから(有効回答数188)。

■ 親の運転にヒヤリとしたことは?
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■ 何歳になったら、親に運転をやめてほしい?
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読者のヒヤリ体験
「家の前の一方通行を逆走」「超低速運転にドキドキ」


・母親が出合い頭の事故をおこした。相手の方が悪かったのだが、母親も相手が止まるだろうと思い進んでしまった。 父親の運転も返納する数年前から車の傷が増えていたので、駐車時にぶつけていたようだ。
・義父は、時速30km以下の低スピードで運転している。ある日、後ろからクラクションを鳴らされて驚いたのか、前の車に追突してしまった。高齢者は、すぐに反射的な行動に移れないから、慌ててしまうのだと思った。
・父の車に乗せてもらったとき、以前より急発進、急停車が多くなっていた
・夫の母が、自宅前の一方通行を逆行しました。 毎日通っている道なのですが…。
・母や姑は短い距離でもアクセルを強く踏むので、同乗してて少し怖いです。
・父親の運転で以前から割とスピードを出すほうだったが、最近はブレーキが遅いと感じることが多くなった。
・1年くらい前、運転している父親に「左に曲がって」と言うと、右に曲がったりすることがあった。
・主人の母が78歳のころ、駐車した車を発進させるのに15分くらいかかった。主人が代わると言っても聞き入れない。

どう話した? どう説得中? 読者と親の運転免許返納への道


・「遠出の用事のときは私が運転するから。維持費も高いからタクシーを使って」とお願いしたが、母からはイザというときに困ると断られた。父には更新しないようにお願いしてやめてもらった。
・「自分で危ないと思ったら言ってね。誰かを傷つけてからじゃその後の人生真っ暗だよ」と言い続けている。
・交通の便のいいところに引っ越しをして運転をやめてはどうかということを話している。
・「田舎なので車がないと動けないため、乗れるうちは乗りたい」と話していました。私個人的には、80歳を超えたらやめてほしいとは話しました。
・「車がないと生活がガラッと変わってしまって、余計ボケたりするかもしれないが、いきなり犯罪者になってしまうかもしれないんだよ」と説得している。
・母から、「他人にけがをさせないうちに返納しようと思う」と話をしてきた。
・自分では大丈夫だと思っていても過信であることが多いので、ヒヤリハットがあったときには必ず私に申告すること。その後、私が同乗してまだ運転をして良いか判断すること。まだ乗車しても良いと判断したときは、注意点を伝えるので細心の注意を払うこと。もう運転不可だと判断したときには免許返納をすること。を、話し合って約束しています。
・「子供から見て、運転をしないほうがいいと思ったら返納するから言って」と言われた。


 65歳以上の「運転経歴証明書」提示者に特典
兵庫県の免許返納数は10年で90倍以上に


 兵庫県では、自主的に運転免許を返納する高齢者が年々増加。兵庫県警察本部によると、65歳以上の自主返納者数は、2007年の181人が、2016年には1万7100人と約94倍に。ドライビングシミュレーターなどを使った高齢ドライバーのための交通安全教室も実施していますが、「“運転に自信がなくなってきた”と感じたら、“返納”という選択肢も考えてみて」と話します。地域ぐるみで自主返納を促す動きも。県内28の自治体、190の企業・団体(4月1日時点)が加盟する「高齢者運転免許自主返納サポート協議会」では、65歳以上で、兵庫県内に居住する人に、「運転経歴証明書」の提示で、多彩な特典を用意(別項)。バス乗車運賃割引や商品・施設割引などで、返納しやすい環境づくりをサポートしています。
 明石市では昨年4月~9月に、自主返納者に特典を贈る独自の取り組みで、前年の約2倍となる944件の返納数に。今年度は対象年齢を5歳引き下げ、65歳以上の自主返納者(明石市民)に図書カード3000円分、返納を勧めた人(同)に同1000円分が贈られます。

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「4月から各警察署などで“運転経歴証明書”の提示で受けられる特典などをまとめた新しいチラシを配布中です」と兵庫県警察本部交通企画課・巡査長衣笠元庸さん

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 自動車運転免許の自主返納は、各警察署や運転免許更新センターなどで行えます。同時に、公的な身分証明書として使える運転経歴証明書の申請・交付も可能。手続きは―。


 運転免許証の有効期限内に、免許証と交付手数料1000円、申請用写真(申請場所によって不要な場合も)を添えて申請
 運転免許更新センターなどではその日のうちに、警察署では約2週間後に交付
※既に自主返納している場合も、5年以内であれば申請が可能。代理人による申請は不可。


 失効したり、更新時に認知症と診断されて取り消しや停止処分となった場合は、運転経歴証明書の発行は受けられません。
 詳細は、県内警察署または、運転免許更新センターなどへ問い合わせ、または兵庫県警のホームページ=http://www.police.pref.hyogo.lg.jp/traffic/license/hennou/で確認を。

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