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弟に貸した100万円、借用書がなくても返してもらえる?【家族間の借金問題】

家族や親戚、ママ友など、結婚すると独身のときより人間関係が複雑になり、悩みが増えやすいもの。小さなトラブルは相談しにくいけれど、放っておくとストレスの原因にも。主婦の“あるある”なお悩みを、法律的な解釈にもとづき弁護士がスッキリ解消します!

Q

弟がお金を返してくれない場合、法的な手段はある?

弟に借用書なしで100万円近いお金を貸しています。履歴が残るように、依頼のメールは残してありますし、貸すときは振込にしています。貸してからすでに2年近く経っていますが、いまだに返してもらえません。このまま返してもらえない場合は、法的な手続きを考えています。こういう場合はどれくらい費用がかかり、どちらが負担するのか知りたいです。(50代・女性)

A

借用書がなくても、借金があることを証明するには

鈴木淳也弁護士

鈴木淳也弁護士の回答

法律上、お金を貸すことを、「金銭消費貸借」といいます。

この金銭消費貸借が「成立した」というためには、(1)お金の授受、(2)それについて返還約束があったことの2点を証明する必要があります。

(2)が欠けると、単に「贈与した」ということになるため、貸した相手が返済しないと言ってきた場合は、この2点を立証しなければなりません。通常は貸すときに借用書を作成し、金銭を受領したこと、それについて返済することを記載しておきます。この借用書があれば、先ほどの2点を立証できますので、相手が争ってきても、この借用書を証拠に裁判で勝つことができます。

しかし、借用書を作っていなかったからといって諦める必要はありません。別の形で立証できればいいのです。相談者さんの場合、振込でお金をわたしているので、(1)お金の授受については立証できます。

また、弟さんとのメールが残っているということなので、これに貸し付ける金額や返還の約束などが記載されていれば、(2)返還約束についても立証できるでしょう。また、「第三者の証言」や「録音した会話」なども証拠となります。

返してもらうには、どうすればいい?

今回は家族間での金銭のやりとりなので、今後の親族関係を考えれば、なるべく裁判を起こさずに解決するのが望ましいでしょう。しかし、ほかの家族の協力を得て話し合うなどしても解決しなければ、やはり裁判を起こして回収せざるを得ません。その場合は、きょうだい関係が壊れても仕方ないという覚悟のうえでのぞむことになります。

請求金額が60万円以下であれば、少額訴訟といって1回の期日で判決を出してもらえます。また、60万円を超えていても140万円以下であれば簡易裁判所での裁判が可能です。簡単な訴状でできるので、弁護士に依頼せず、本人同士で訴訟をしているケースも多く見られます。この場合の費用は、裁判所に収める収入印紙と郵便切手。100万円の請求なら、必要な収入印紙は1万円です。

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弁護士に頼むと、どうなる?

とはいえ、ご自身で裁判を起こすには、書類の作成ひとつとっても、いろいろな法律式などを調べる必要があるため大変です。弁護士に依頼するメリットとしては、そうした手続きややりとりの煩雑さから解放されることが大きいでしょう。また、内容証明を送るにしても、家族ではなく弁護士から届くことで、いよいよ言い逃れできないと相手が覚悟を決めることも多いようです。それまで返済を拒んでいたのが、分割払いでもいいですかと突如、態度が軟化するケースもあります。

費用については、内容証明を作成して送るだけなら数万円程度。訴訟も含めて回収を依頼する場合は、請求額や難易度によって報酬が変わってくるため一概には言えませんが、請求額が100万円であれば着手金は10万円程度、成功報酬は15万円程度が相場で、自己負担となるでしょう。

親族や友人間の借金は、相手を信用していたり、作成を言い出しづらいという理由で借用書を作らないケースが多いのですが、返済でもめるケースは、実は多いのです。後日のもめごとを防ぐためにも、証拠は残しておきましょう。相談者さんはきちんと証拠も残されているので、まずは一度、弟さんと話し合い、請求してみることをおすすめします。どうしても交渉がうまくいかなければ、弁護士などの専門家を頼ってみてくださいね。

今回のポイント

  • まず、「金銭の授受」と「返還の約束」があったことを証明しよう
  • 今後の親族関係を考え、できるだけ話し合いで解決する努力を
  • 少額なら、自分で簡易裁判所で訴訟を起こすこともできる

鈴木淳也先生プロフィール画像

Profile

鈴木淳也先生プロフィール画像

鈴木淳也(すずき・じゅんや)弁護士

弁護士法人アディーレ法律事務所所属。札幌弁護士会所属。

大学時代には山に登って地質調査をするなど、地球温暖化システムについての研究をしていた。しかし将来について迷っていた時に「困っている人を助けなさい。自分が本当にやりたいことはそれでよいのですか?」という夢を見たことから、決まっていた就職を辞退し、司法試験を目指すことに。

気象予報士の資格を持つ理系弁護士として、困っている人に寄り添う弁護活動を行う傍ら、お天気情報をブログで発信している。

気象予報士・弁護士 鈴木 淳也のOH!天気ブログ http://ameblo.jp/suzuki-junya/
アディーレ法律事務所 http://www.adire.jp/

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