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売れ残り食品の廃棄を禁止する法律も。食品ロス削減への世界の取り組み

今回は、食品ロス削減を目指して、世界の国々の取り組みについて紹介します。

世界初!フランスで売れ残り食品の廃棄を禁止する法律

スーパーマーケットで売れ残った食品はどうなるでしょう?おそらく、捨てられますね。日持ちがするものでしたら、卸やメーカーに返品されるものもあります。リサイクルできるものは、動物のエサ(飼料)や植物の肥料にリサイクルされるものもあります。

フランスでは、「大手スーパーで売れ残った食品を捨ててはいけない」という、世界で初めての法律が2016年2月3日に成立しました。捨てないでどうするかというと、フードバンクなどの慈善団体に寄付されます。翌月、イタリアでも同様の法律が成立しました。

france

今年2月、フランスとイギリスへ視察に行きました。フランスの農業省(日本でいう農林水産省)を訪問したところ、担当の女性職員は「集団給食なども余りやすい。余ったものは福祉施設に寄付するよう勧めている」とのことでした。フランスでは、外食で余ったものを持ち帰るのは「恥ずかしい」「ケチ臭い」などと思う人が多く、ドギーバッグなどはあまり普及していなかったそうです。そこで農業省の女性は「グルメバッグ」という制度を立ち上げました。なぜ「ドギー(犬の)」ではないのか?と聞いたところ、「料理を作ってくれたシェフに敬意を表して」とのことでした。

アメリカでは郵便配達員が余った食品を回収に

アメリカでは、毎年5月の第二週の土曜日、「Stamp Out Hunger(貧困撲滅)」という取り組みが行われます。家庭で余っている食料品を袋に入れて、玄関先や郵便受けのところに置いておくと、郵便配達の人が回収してくれて、食料を必要とする人(主に子ども)に寄付される、という仕組みです。郵便局に勤める配達員の組合と連携しているので、切手(Stamp)と撲滅(Stamp Out)をかけ言葉にしています。
https://www.nalc.org/community-service/food-drive

stamp

賞味期限表示の見直しが進められる北欧

ノルウェーやデンマークでは、賞味期限の表示を、ピンポイントの日付ではなく、より柔軟な表現に変えたそうです。そのような取り組みが功を奏し、食品ロスは国全体で20%以上少なくなったということを、昨年来日したスウェーデンの女性研究者から聞きました。スウェーデンでも、賞味期限表示を今より柔軟な形にしようかという議論がなされているそうです。

スウェーデン政府は、自転車や洋服などの修理にかかる税金(付加価値税)を約半分に減らしたそうです。物を大切にする人の税金を安くする制度です。新しい物を買う前に、今ある物を修理し、資源を循環させる考え方です。

このように、世界にはさまざまな取り組みがあります。海外の優れた点を見習い、日本の環境をより良くしていけるといいですね。

次回は、「賞味期限の設定方法について」紹介します。(5月25日公開予定)

◆バックナンバー
第1回 「年間6万5000円分の食品を捨てている?!五感を使って「食品ロス」をなくそう」

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井出留美(いで・るみ)
株式会社 office 3.11 代表取締役。食品ロス問題専門家。
消費生活アドバイザー。博士(栄養学)(女子栄養大学大学院)、修士(農学)(東京大学大学院農学生命科学研究科)。女子栄養大学・石巻専修大学 非常勤講師。日本ケロッグで広報室長と社会貢献業務を兼任し、東日本大震災では食料支援に従事する。その折の大量の食料廃棄に憤りを覚え、自らの誕生日であり、人生の転機ともなった3・11を冠した(株)office3.11設立。日本初のフードバンク、セカンドハーベスト・ジャパンの広報を委託され、同団体をPRアワードグランプリ ソーシャル・コミュニケーション部門最優秀賞や食品産業もったいない大賞食料産業局長賞へと導く。市会議員、県庁職員、商店街振興組合理事長らと食品ロス削減検討チーム川口主宰。平成28年度農水省食品ロス削減国民運動展開事業フードバンク推進検討会(沖縄)講師。同年10月『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』(幻冬舎新書)上梓、11月、本著内容を国際学会Food and Societyで発表。

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