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子どものケガ。治療費・慰謝料はどうなる?【賠償責任】

小さなトラブルは相談しにくいけれど、放っておくとストレスの原因にも。主婦の“あるある”なお悩みを、法律的な解釈にもとづき弁護士がスッキリ解消します!

Q

子どものケガ。治療費・慰謝料は?させた側の場合支払う義務は?

現在小学4年生の息子がよくケガをして帰ってきます。ケガ自体は軽いものばかりでお友達やその親御さんと大きなトラブルになったことはないのですが、今後大きくなり力も強くなることを考えると、もしお友達にケガをさせることがあったらと心配です。
友達と遊んでいてケガをしてしまったり、学校でケガをした場合の治療費は家庭で負担することになりますか?
また、親御さんからクレームがあったときはどのように対応すれば良いのでしょうか?教えてください。
(夫39歳・妻40歳・子ども10歳・8歳・5歳)

A

親が賠償義務を負うことも。賠償金をカバーできる保険を選んで

鈴木淳也弁護士

鈴木淳也弁護士の回答

相手に怪我を負わせた、または相手に怪我を負わされた場合には、治療費や慰謝料が発生することになります。この費用の請求は、民法上の不法行為責任を根拠としています。

不法行為責任を負わせるためには、加害者に責任能力が備わっていることが求められ、未成年者が民事上の責任能力を負う年齢としては、だいたい12歳前後が境界となっています。

小学校4年生のお子様であれば責任能力は否定される可能性が高くお子様自身が賠償責任を負うことはないでしょう。一方で小学校を卒業するくらいだと責任能力が認められる可能性があります。

では、お子様の責任能力が否定された場合の話ですが、その際はお子様を監督する義務を負う者、すなわち親御さんが代わりに賠償責任を負うことになります。監督を怠っていなかったにもかかわらず生じたものならば責任は免れますが、その立証をするのは難しいです。

学校でケガをした場合は?

学校で怪我をした場合ですが、学校側には「生徒が安全に過ごせるよう配慮する義務」を負っていますので、この内容として、生徒たちが怪我をしないよう配慮する義務も負うと考えられます。

過去の裁判例では、「喧嘩や暴行をしたことのある生徒について指導監督しなかった場合は学校側も責任を負う」という内容の判決を下したものがあります。たとえ現場に教師がいなかったとしても、喧嘩や暴行の可能性を把握しながら適切な措置をとらなかったような場合は、学校側も責任を負うと考えられます。体育の授業中の怪我であれば学校側の監督義務違反は認められやすいでしょう。
子どものケガ 賠償責任

学校で一人で転んで怪我をすることもあるかと思いますが、その場合には学校側の施設管理に不備がない限り、つまり怪我をする危険があるのにそれを除去していなかった場合等の状況がないと、学校側に責任追及するのは難しいでしょう。

また、危険な遊びをしているわけでもないのであれば、親や学校の監督義務を怠らなくても損害が生じたといえるため、怪我の損害は自身で負わないといけないでしょう。

直接相手に連絡するとついつい感情的になってしまいますので、事実確認を行うという意味では、学校を介して冷静に行った方がよろしいかと思います。

保険は使える?

個人賠償責任保険に加入していれば、お子様が責任能力なく相手に怪我を負わせてしまったという事故で親御さんに賠償義務が発生した場合にも賠償金を保険でカバーすることができます。

特にお子様が自転車に乗って事故を起こし相手の方に重傷を負わせてしまったり、死に至らしめてしまい多額の損害賠償金が発生することがありますが、そのような場合でも個人賠償責任保険に加入しておけば、条件にもよりますがカバーされますので加入しておく意義は大きいと思います。

また、お子様ご自身が転んで怪我をしたという場合には傷害保険に加入しておけばカバーされますので、こちらの保険についてもご加入を検討された方がよろしいでしょう。

親御さんとしてはお子様には外で元気よく遊んで育ってほしいという気持ちもあるかと思いますが、まさかの事故の際には親御さんに多額の損害賠償義務が発生する可能性がありますし、大切なお子様自身が怪我をしたり死に至ってしまう可能性もあります。

各種保険に加入していればお金の問題はカバーできるかもしれませんが、命は戻ってきません。家庭内で事故を起こさないようにしっかりとルールを定めて教育することが大切かと思います。

今回のポイント

  • 責任能力が認められるのは12歳前後が目途。それ以前は親に賠償責任が
  • 授業中は学校の監督義務違反、遊び中は個人責任とされる例が多い
  • 賠償金は保険でカバー可能。個人賠償責任保険に加入を検討して

鈴木淳也先生プロフィール画像

Profile

鈴木淳也先生プロフィール画像

鈴木淳也(すずき・じゅんや)弁護士

弁護士法人アディーレ法律事務所所属。札幌弁護士会所属。

大学時代には山に登って地質調査をするなど、地球温暖化システムについての研究をしていた。しかし将来について迷っていた時に「困っている人を助けなさい。自分が本当にやりたいことはそれでよいのですか?」という夢を見たことから、決まっていた就職を辞退し、司法試験を目指すことに。

気象予報士の資格を持つ理系弁護士として、困っている人に寄り添う弁護活動を行う傍ら、お天気情報をブログで発信している。

気象予報士・弁護士 鈴木 淳也のOH!天気ブログ http://ameblo.jp/suzuki-junya/
アディーレ法律事務所 http://www.adire.jp/

 

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