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シンガーソングライター 加藤登紀子さん 助けて!きわめびと もっと知りたい!フィーチャー“きわめびと”

もっとしりたい!フィーチャー“きわめびと”

「“出会い直し”が心の穴を埋める」とシンガーソングライターの加藤登紀子さん

おひとりさまの“きわめびと”に聞く、悲しみとのつきあい方

NHK総合

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<プロフィル>
かとう・ときこ。1943年、旧満州(現在の中国東北部)ハルビン生まれ。1965年東京大学在学中、第2回日本アマチュアシャンソンコンクールに優勝し歌手デビュー。70枚以上のアルバムと多くのヒット曲を発表。1992年には、芸術文化活動での功績に対し、フランス政府からシュバリエ勲章を授与。そのほか、滋賀ふるさと大使、佐渡トキ環境親善大使、島根有機農業大使などに任命される。

 視聴者からのさまざまな悩みについて、解決のヒントを探るNHK大阪発のドキュメントバラエティ「助けて!きわめびと」(毎週土曜日、午前9時30分~午前9時55分放送)。6月4日の放送では、“おときさん”こと加藤登紀子さんが、きわめびととして登場。テーマは、「大切な人を亡くした悲しみとどう向き合っていくか」でした。

大切な人との思い出に触れることで、心にあいた穴が埋まっていく

 大切な人に先立たれ、一人残されたときの悲しみは計り知れないもの。今回の放送では、1年前に病気でご主人を亡くし、悲しみにくれる相談者が登場。その“お悩み”に対して、加藤さんは「心にぽっかりあいた穴を埋めるには、大切な人と、心の中で出会い直すこと」と、自身の経験を交えながらアドバイスしました。

 加藤さんは1972年に藤本敏夫さんと結婚。藤本さんは食と農をテーマにした活動をはじめ、多目的農園「鴨川自然王国」を1981年に設立しました。加藤さんは子どもと東京に、藤本さんは千葉に、離れて暮らしながらも幸せな結婚生活を送っていましたが、藤本さんが病気で2002年に他界。
 「それから3年は何をすることもできませんでした。一人でいることに、どうしても納得できないのです。物音がしたら彼が帰ってきたと玄関に走ってしまうこともありました。でも、他界してからの14年間を振り返ると、結婚していた時よりも、もっといい時間を過ごせていると思います」
 大切な人が目の前からいなくなったからこそ、分かることもたくさんあると加藤さんは言います。「彼の何げない言葉や態度をふと思い出し、そこに深い愛情を感じることも。思い出はどれだけ長く過ごしたかが大事ではないのです」

 悲しみを忘れるために、気持ちが明るくなるような楽しいことをすればいい、と考える人は多いもの。
 「でも、元気そうにしていたら、立ち直りが早すぎると言われ、悲しそうにしたら、いつまでも引きずって…と言われる。他人は、勝手なことを言うものです。そんな周りの言葉を気にせず、自分のペースで自分と対話すればいいんです。悲しみを忘れるために楽しいことをするのではなく、思い出と一緒に遊ぶといいですよ」

 加藤さんと藤本さんの共通の趣味は陶芸でした。「土いじりをしていると、彼と過ごした昔のことを思い出すんです。人は亡くなれば良いも悪いも消え100点になりますが、日に日に夫の点数は上がり、今、夫は彼の誕生日である1月23日にちなんで“123点”。土いじりをするたびに思い出す彼はとても優しくて、100点満点を優に超える高得点に…(笑)。悲しみに閉じこもってしまってはダメ。大切な人が何をしてきたか、どんな思いだったのかを遊ぶことで知り、その思い出の一つ一つが心の穴を埋めてくれる。それが、“出会い直し”というものです」

 「主人の家を片づけていたときに涙を流したこともある」と加藤さん。
 「一緒に住んでいなかったので、男一人で不便な生活だったということが見えてきて、離れて暮らしたことを後悔したこともありました。それでも、彼が生きてきた暮らしの痕跡は、彼の思いに一番近づけるもの。せつない時間も、大切な思い出に触れられる時間。彼の痕跡を一つ一つ感じ、思い出のかけらを集めるうちに、不思議と心の穴が埋まっていくのを感じました。悲しみとうまく付き合うことも、大切なことなのかもしれませんね」

悲しみも大切な思い出として、ひとりで生きる力に

 加藤さんの代表曲に「愛の讃歌」というラブソングがあります。ご主人を亡くした後、この歌を歌えなくなったそうですが、3年たってようやく向き合えるように。「ラブソングは誰かを思って歌うもの。ラブソングを歌うことが、自分の感情を埋めることになるんです。これからも、心の中からあふれるようなラブソングを歌っていきたい」
 亡くなった人とのたくさんの思い出にふれること。それを、加藤さんは“思い出のシャワー”と表現しますが、そのシャワーがこれからの時間を輝いて生きる力に変わるともいいます。
 「思い出のシャワーで、自分自身の気持ちがどんどん強くなります。肉親を看取ることはつらい経験かもしれませんが、悲しみから早く卒業する必要はありません。悲しみも大切な思い出として考えられるようになれば、それが生きる糧になるのです」

 また、おひとりさまになって自分と向き合えるようになったとも。
 「瀬戸内寂聴さんから聞いた言葉に、“ひとりを慎む”というものがあります。出家された時に師から贈られた言葉で、どんなときも必ず仏様はあなたをご覧になっている、という意味だそうです。ひとりでいることを孤独だと思わず、ひとりでいることで存在している。だからこそ、ひとりでいる時間を大切に生きなさい、ということだと私はとらえています」

 最後に、ひとりでいる寂しさや悲しさを抱える人にメッセージをもらいました。
 「悲しいときは、何もしなくていいんです。命は川の水と同じで、何もしなくても流れるもの。川の水は、目的がなくても流れていかなければならないように、私たちも生きていかなければなりません。どうせ流れるなら、せっせと音をたてて流れたいと思います。すべての瞬間が次の瞬間に向かって流れている。だからこそ、生きている一瞬、一瞬が大事なのだということを覚えておいてほしいです」

加藤登紀子コンサートツアー「ピアフ物語」東京、大阪ほかで開催

 エディットピアフ生誕100年に捧げるコンサート「ピアフ物語」のツアーを展開中の加藤登紀子さん。
 ステージは二部構成。ピアフと同時代に生きたマレーネ・ディートリヒとの関係も織り交ぜながら、二人の人生を歌で表現。「愛の讃歌」をはじめ「バラ色の人生」「リリーマルレーン」など、15曲が披露されます。

2016年6月19日(日)大阪、7月2日(土)・3日(日)東京ほかで開催
日程・会場はコチラで確認を
http://www.tokiko.com/concert-info

6月11日放送の“きわめびと”はココリコ・田中直樹さん

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 「ココリコ田中の“犬嫌い克服 大作戦”」と題し、本を書いてしまうほどの動物好き、ココリコ・田中直樹さんが犬嫌いを克服したい女性を救います。犬を避けて遅刻しないように毎朝30分早く出たり、駅の近くにしか住めないなど、日常生活にも支障があるという相談者に、どうアドバイスを送るのかお楽しみに。
アドレスはコチラ ⇒ http://nhk.jp/kiwamebito

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