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流山市オープンデータ戦略

流山市オープンデータ戦略

暮らしに役立つ活用を目指す

オープンデータについて説明してくれた流山市の渋谷さん(左)と堤さん

 自治体は膨大なデータを持っています。人口、世帯数などの統計情報のほかにも、公園・保育園の位置・特色、選挙結果の詳細など私たちの生活に身近な情報まであって、実に多種多様。それらを自由に加工可能なエクセルなどのファイル形式で保存し、いつでも誰でも利用できるようにしたものがオープンデータです。流山市は現在、370件のオープンデータをホームページ上で提供しています。全国の自治体でもオープンデータの構築が進められていますが、今後どんな展開が待っているのでしょうか。エリア内ではいち早く2013年度から取り組んでいる流山市の担当課を訪ね、とことん聞いてきました。

オープンデータを暮らしに役立てる

いくら大量にデータが存在しても、ただ並んでいるだけでは意味がありません。うまく加工すると人々の役に立つようになります。スマートフォンのアプリに取り入れるのも一つの方法です。

流山市は2013年度、2014年度の2回、公募で参加者を集めてアプリの開発コンテストを開催し、注目を集めました。応募アプリの中には、ゴミ収集日を知らせるもの、公園や子育て施設をマップ上で探せるものなどがありました。行政改革推進課課長の渋谷俊之さんは「親しみのあるスマートフォンアプリを使ってオープンデータを知ってもらおうと、きっかけづくりを進めた期間でした」と振り返ります。

当時は全国の自治体でもアプリ関連のイベントやコンテストが行われ、開発スキルのある人々などにオープンデータが浸透して行きました。しかしここにきて、周知や利用の広まらないことが課題として浮かび上がってきました。流山市でも同様で、渋谷さんは「オープンデータの活用はアプリだけではなく、地域の実情を踏まえたいろんな手法があるはず」と考えています。

コンテスト入賞作など流山のオープンデータを使ったアプリを市ホームページで紹介しています。掲載する作品も募集中 http://www.city.nagareyama.chiba.jp/10763/29589/019707.html

「二次加工しやすいデータの構築が大切」と堤さん

データをカタログサイトに集約

そこで市は、2015年度からはアプリコンテストを中止し、取り組みの見直しを行いました。同課・堤祐樹さんは「公開するデータそのものが少ないことに着目し、拡充を図ることにしました」と話します。改めて庁内全課に呼びかけ、それまで30件だったデータを一挙に370件にまで増やしました。それらは「流山市オープンデータカタログサイト」としてホームページに掲載されています。カタログサイトは「市の情報ならココ」とワンストップで利用できることを目指しており、それまで各課のページにバラバラにあったデータ類が一覧できるようになりました。

「個人情報に触れないものであれば、できるだけ多く掲載するよう庁内に働きかけました。また、掲載されたデータは年2回チェックしており、更新・追加を依頼しています」と堤さん。まずはオープンにするデータをたくさん集め、カタログサイトに集約すること。「各課がバラバラに集計していた数値データを組み合わせれば、新たな分析のツールとして使える可能性が広がります。ここにこそオープンデータの価値があります」。

流山市オープンデータカタログサイト(上)にある「桜の名所」のエクセルファイル(下)には緯度・経度の項目があり、マップに加工しやすいデータになっています

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オープンデータを活用したWeb上で閲覧できるマップ。認可保育園、幼稚園、小・中学校の場所が地図を拡大しながら確認可能。認可保育園は空き状況も掲載。市内の市民団体CODE for Nagareyamaが作成 http://code4nagareyama.github.io/papamama/

市民自治、地域課題の発見・解決に向けて

「拡充の次は使ってもらうこと」と堤さん。市は来年1月28日(土)、市生涯学習センターで一般市民を対象に「オープンデータ利活用講座」を開催する予定です。狙いは、ITに詳しい人ばかりでなく、地元で活動する市民団体などの人々にもっと目を向けてもらうこと。「参加者がオープンデータのメリットを実感できる機会になれば」と堤さん。「地域課題の発見、そして解決するツールとなることを願っています」と、地域に精通した官民の視点が生かされることを期待しています。

全国から31自治体が参加する「チャレンジ!!オープンガバナンス2016」(チラシ)。来年3月に公開審査 http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/padit/cog2016/

流山市オープンデータを使い「とことん行政編集部」が作成。数値は各年4月1日現在の住民基本台帳人口。地域区分は「流山市都市計画マスタープラン」による。ただし、2地域にまたがる「市野谷」は中部、「大字三輪野山」は東部に含めた

住む街をデータで正しく見つめる

別の角度からオープンデータの活用を促進する動きもあります。市は8月、「チャレンジ!!オープンガバナンス2016」(東京大学公共政策大学院主催)にエントリーしました。これは市民や学生が自治体と協働でオープンデータを活用し地域課題に取り組んでいくコンテストです。市が掲げた課題は「データや情報を活用して、流山市を好きになる人を増やしたい」。

応募の背景には、市マーケティング課が市民団体や有志と始めた「流山すっぴんプロジェクト」がありました。「流山のいいところもまだまだのところもありのままで愛して」(同課・河尻和佳子さん)という触れ込みの活動です。市民がデータや情報に基づいて流山の姿を正しく理解し、そこから見えてくる真の地域の課題について話し合います。このプロセスを通じて「市民の流山に対する誇りや愛着が生まれていくはず」と河尻さん。

では、データに基づく正しい理解とは何でしょうか。たとえば「流山市は人口が増えているというけれど、それはつくばエクスプレス(TX)線の駅周辺だけの話。他の地域では減少している」と、人口の全体的な趨勢(すうせい)を心配する向きもあります。しかし、オープンデータを見ると、TX線の駅から離れた地域の人口は必ずしも減少してはいないことがわかります。データの活用は一見難しそうですが、河尻さんは「共に楽しみながら身につけ、気づいたら実はそういうことだったのか…というところを狙いたい。まずはスモールスタートから」と話しています。


流山市オープンデータカタログサイト http://www.city.nagareyama.chiba.jp/10763/
問い合わせ:流山市行政改革推進課 TEL:04-7150-6078

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