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ふるさと納税を拡充した柏市

ふるさと納税を拡充した柏市

コズミック☆倶楽部も返礼品をPR

説明してくれた上杉さん(右)と高橋さん

 出身地など応援したい自治体に寄附ができる「ふるさと納税」。9年前に始まりましたが、寄附に対して税額控除が受けられ、見返りに地元特産品などの返礼品がもらえることなどから、ここ数年でブームになりました。一方、「善意の寄附」という考え方もあって、柏市はふるさと納税に返礼品を用意していませんでした。しかし、この10月から方針転換。多種多様な返礼品を提供するとともに、積極的にPRを始めました。市民税課の上杉さんと企画調整課の高橋さんにとことん聞いてきました。

返礼品のペンケース。食用ブランド肉「柏幻霜ポーク」の皮が素材に

「返礼品を通じて、柏のよさを知ってもらいたいです」と高橋さん

柏ゆかりの品々が返礼品に

柏市の返礼品には11月10日現在で、180以上ものアイテムが並んでいます。市外の人が1万円以上寄附すると、金額に応じて選べます。全国的には肉や野菜などの食品に寄附者の人気が集まっていますが、市はそれにこだわらず、柏にゆかりのものを選んでいます。

たとえば、枕などの寝具。市内に本社を置く枕専門企業が快適な睡眠を追求して企画製作したアイデア商品です。ペンケースやトートバッグは、地元の養豚農家とバッグ店がコラボレーションして開発した「柏レザー」で作られました。包丁は、市内企業の鍛冶職人による千葉県指定伝統工芸品です。上杉さんは「柏らしい新商品の開発や昔ながらの職人技を広く知ってもらえれば」と地元産業のPR効果にも期待します。

スタート当初は季節限定の地元産のナシがよく選ばれたようです。これからの年末年始シーズン向けには、地元中華料理店のおせち料理や豪華な出張ランチパーティプランを用意。また手賀沼畔でのバーベキューを手ぶらで楽しめるプランもあります。11月10日現在で47社が返礼品を提供。市は引き続き協力事業者を募集していきます。

総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(平成29年7月4日)」から、とことん行政編集部で作成(平成28年度は決算見込の数値)

総務省「ふるさと納税に係る寄附金税額向上の適用状況」(平成29年度課税、平成28年度課税)から、とことん行政編集部で作成(各年6月1日時点)

なぜ今返礼品の提供を始めたの?

「ふるさと納税は、都市部に集中しがちな自治体の収入を地方に分散させる期待があって始められたもので、よい制度だと思います」と高橋さん。しかし、返礼品送付という特典を設けることは、本来の「善意の寄附」という精神を損なっていくのではないかと感じていたそうです。

柏市には2013年度以降、毎年1千万円を超える寄附金がありました。返礼品がなくてもそれなりの寄附が得られていたわけです。ところが、税収の面で大きな課題が見えてきました。市民が他の自治体へ寄附をすると住民税額控除があり、その分税収が減ることになります。2015年度課税分で約3400万円だった控除額はその後急増し、2016年度に約1億8400万円、2017年度には約4億円となりました。

この状況を重く見た市は、4月に「柏市ふるさと寄附金事業」を創設し、返礼品の提供などふるさと納税事業の拡充に着手しました。積極的に寄附金を受け入れるという方向に舵を切ったわけですが、「市を応援してくださるという寄附の精神を大事にしたいという考えはこれからも変わりません」と高橋さんは強調します。

PR動画「柏市ふるさと寄附金、始動!~柏市役所職員編~」はドキュメンタリータッチのストーリー。職員の熱演にも注目。YouTube配信中(写真提供:柏市)

「全国初の年賀状によるふるさと納税のPR。年賀状が全国に届くのが今から楽しみ」と上杉さん

コズミック☆倶楽部もPRに一役

さまざまなPR活動も始まりました。市が作成したPR動画の一つでは、市職員が出演し、それぞれの「ふるさと」あるいは「第二のふるさと」としての「柏」に、まずは職員自ら寄附してみようという思いを発信しています。

ふるさと納税の広告を日本郵便の年賀はがきに出す取り組みも行いました。この「柏市公式広告付年賀はがき」は通常1枚52円のところ47円で購入できます。11月から市内32局で30万枚の限定販売がスタートしました。自治体が広告主の広告付年賀はがきは柏市を含めて4種類ありますが、そのうちふるさと納税を広告したのは柏市だけ。「市外に住む親せきや友人への年賀状にこれを使ってほしい。ふるさと納税の宣伝に年賀状はまたとないツールです」と上杉さん。

また、PR大使にご当地アイドル「コズミック☆倶楽部」が任命され、チラシや返礼品を紹介するPR動画などに登場しています。今後も市は、さまざまな分野で活躍する地元ゆかりの人にPR大使になってもらいたいと考えています。

柏市提供データをもとにとことん行政編集部で作成

チラシも完成。鉄道駅や道の駅、商業施設などに設置していきます

「柏市ふるさと寄附金事業」を推進する企画部・財政部のみなさん

寄附してくれた人とのつながりを大切に

返礼品の提供開始から10月26日までの1か月足らずの間に、114件、360万円超の寄附金が集まりました。「件数ではすでに昨年度1年分の133件に迫る勢いです」と上杉さん。寄付してくれた人は北海道から九州まで全国に分布しています。

第一歩を踏み出した柏市ふるさと寄附金事業。上杉さんは「柏の魅力を知ってもらい、ファンになってもらう仕事。課税担当としては初めての経験ばかりでした」と振り返ります。そして次に着目するのは寄附金の使い道。「ガバメントクラウドファンディング(GCF)に取り組みます」と話します。

GCFは自治体が特定の事業のために通常インターネットを通じて人々から小口の資金を集めることですが、その資金をふるさと納税として受け入れます。たとえば、寄附金を「文化振興」に使うと言われてもピンとこない人でも、具体的に美術館や図書館設立のためと聞けば共感が生まれ、寄附の動機が高まるのではというわけです。寄附者には「まちづくり」をより実感できるシステムと言えます。東京都墨田区が「すみだ北斎美術館」の建設費の一部について、GCFを用いふるさと納税で調達したのはその一例です。

国もふるさと納税のさらなる活用として「クラウドファンディング型ふるさと納税」を奨励し始めています。寄附金を充てる事業を明確にすることによって寄附者と地域との関係が深まり、それが移住・定住にまで結びつくことを狙ったものです。高橋さんは「柏を知り、柏っていいなと思った全国の人が、いつかこのまちに住みたいと考えてもらえたら」と今後を見据えています。


問い合わせ:柏市市民税課 TEL:04-7167-1124/同企画調整課 TEL:04-7167-1117
柏市のふるさと納税について(市のホームページ)
http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/040400/p043103.html

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