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大阪府ではこの半年で被害件数が昨年比7倍 還付金等詐欺

大阪府ではこの半年で被害件数が昨年比7倍 還付金等詐欺

編集部員の家族も被害に 還付金等詐欺にご注意!

 7月某日、編集部員である私・モモコの母(76、豊中市在住)が、還付金等詐欺により100万円をだまし取られました(捜査中の案件なので、匿名をお許しください)。医療費などが戻るとATMに誘導され、お金が返るどころか逆に振り込まされてしまう還付金等詐欺。母はこの手の詐欺に関して、まったく無知だったわけではありません。知識もあり、途中、何度か確認しなければと思いつつ、〝催眠術にかけられたように、言われるがままにATM操作をしてしまった〟とのこと。実に巧妙な手口でした。 ※写真の人物と本文は関係ありません。

豊中市保険課担当者を名乗る男から電話が

それはよく晴れた夏の朝、一本の電話から始まりました。

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 「豊中市役所の保険課の○○ですが、3月に平成22年~26年の医療費の返還に関して、お知らせをお送りしたのですが、ご覧になりましたか?」。母が見ていないと答えると、「そういう方が多いんです。実は、今日が手続きの締め切りで、2万3370円が戻るのですが、どうされますか?」と尋ねられたそうです。

 親切な物言いと、還付金としてあり得そうな金額、そして選択を委ねられたこと―。それが詐欺の最初の手口でした。

 受け取りの意思を示した母に、「期限が過ぎているので、通常の手続きはできないんです。いつも国民健康保険の支払いなどに使っているのはどこの銀行の口座ですか? その銀行の者から、手続きに関してのご連絡をします」。

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 市役所の担当者を名乗ったのは若い男、そして次に電話をかけてきたのは、落ち着いた声の中年の男でした。「特別な手続きをしていただくので、それができるATMのあるところに行っていただかないとだめなんです」。指定されたのは、自宅から離れた、駅前の無人ATMコーナーでした。

 その時点で、母は少し変だと思ったようです。「確認しなければ…」と思ったようですが、「手続きは、本日の午後2時までが締め切りです。今日は最終日で混んでいるから、急いだ方がいいですよ」と焦らされ、つい、指定のATMに向かってしまったといいます。

 

不慣れなATMで、押すボタンを矢継ぎ早に指示

ATM

 母は、ATMでは、預け入れと引き出しの手続き以外、したことがありません。それも、使ったことがあるのは、自宅そばの銀行のATMぐらい。指定されたATMは、生体認証などもできる新しいタイプで、ボタンの配置なども使い慣れたものとは異なり、母はすっかりあがってしまったようでした。 

  ATMコーナーに着いたら、かけるように指定された電話番号に携帯電話からかけると、「右側に並んだ、上から3番目のボタンを押して」「出ている数字を右から順に一つずつ読んで」「次はヒロシマのヒを押して」などと次々に操作の指示を出されたそうです。

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 巧妙な犯人は、ここでも決して「振り込みボタンを押して」「残高を教えて」「口座名は」とは言いません。不慣れなATMで、画面のどこを見たらよいかすら、戸惑ったという母。携帯電話から出される矢継ぎ早の指示についていくのが精一杯で、画面を確認する余裕も与えられないまま、一生懸命、操作をしたであろう母の姿を思うと、涙が出そうになります。

 

「手続きができなかった」と言って犯行の発見を遅らせる

 すべての操作が終わった時、犯人は、「今、振り込みをしますね。しばらくお待ちください…。あ、だめです。この通帳は使えないようですね」。

 これも手口でした。「振り込みができなかった」ということで、その口座は操作できなかったと思わせ、犯行の発見を遅らせるとともに、別の口座のキャッシュカードをATMに入れるよう、誘導するのです。母はまんまと、もう一枚のキャッシュカードをATMに入れてしまい、合計2つの口座から50万円ずつ、計100万円を、犯人指定の口座に、その意思がないまま、振り込んでしまったのでした。 


  経緯を書き出してしまうと、あからさまに怪しいところがあり、「なぜ、そんな手に引っかかるのか分からない」という人も多いかもしれません。母も、「引っかかった私がバカだった」と思い出しては泣いています。

 でも、少なくとも2人以上の登場人物が臨場感たっぷりに、声色も使い分けながら、母をATMに向かわせ、操作をさせたことを思えば、やはり〝プロの仕事〟だったのだろうと言わざるを得ません。言葉巧みに、善良な高齢者からお金を巻き上げることを〝仕事〟と呼べるかは別にして、彼らは、その道で生計を立てている〝職能集団〟なのです。

大阪府は営業強化エリア? 半年間で昨年比7倍の被害

 大阪府内では、この還付金等詐欺が急増していて、今年1~6月の認知件数が305件、被害額にして3億2225万円。昨年同期と比べ、件数で約7倍、被害額で約8倍に達しています。

 一方、兵庫県では、百貨店店員や警察官を騙って、百貨店カードやキャッシュカードをだまし取る「オレオレ詐欺」の一種が主流で、同期間の還付金等詐欺は、わずか18件。

 一概にはいえませんが、詐欺グループも何らかのリストに基づいて〝仕事〟をしている可能性が高く、還付金等詐欺に関しては、大阪は、まさに〝営業強化エリア〟になっているといえそうです。

 悔しいのは、私自身、仕事柄いろいろな情報に触れる機会が多いはずなのに、母を守れなかったこと。痛恨の思いから「母にしてあげていたらよかった」対策を記してみようと思います。

 ◆まずは電話をシャットアウト

 詐欺の入り口の多くは電話。「私は大丈夫」という油断は禁物です。電話に出てしまったが最後、巧みな話術に乗せられてしまうかもしれないからです。第一声を留守番電話など自動音声にするだけでも抑止効果があります。事実、犯人から母のもとに、その後も何度か電話がかかってきていたのですが、留守番電話であることを告げる自動音声が流れるだけで、電話はブチっと切れたといいます(その後、母は電話番号を変えました)。ナンバーディスプレイ契約をし、「知らない人からの電話には出ない」を徹底することも大切です。

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連日、詐欺への注意を促すメールが

◆地域での被害情報をキャッチ

 この7月、豊中市内では還付金等詐欺の被害が急増していたようで、母が豊中署に被害届を出した際も「最近増えていて、この後も被害に遭われた方が来ます」と言われました。大阪府警が配信する防犯メール(安まちメール)でも、豊中市内で7月1日~16日の間に12回、還付金等詐欺への注意を促すメールが配信されています。家族で地域の防犯メールに登録し、注意しあうことも大切です。

◆必要がないなら振り込み限度額を最低額に

 キャッシュカードで預金口座から振り込む場合の限度額は、銀行や契約内容により、初期設定で100万円~1000万円など幅があります。限度額は個人設定できるので、必要最低限に変更しておくと安心です。

 
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◆何かおかしいと思ったときにすぐに相談できる人を

 家族に相談できればいちばんですが、友人、近所の人でもかまいません。すぐに相談できる人の電話番号を、電話口に貼っておきましょう。

 最寄りの警察に相談するのも手です。ハードルが高い気がするかもしれませんが、不審な電話があったという情報も、警察にとっては、犯罪抑止という観点から重要です。防犯メールなどで、より広い範囲に、注意を喚起してもらうこともできます。臆せず、相談しましょう。

STOP!詐欺キャンペーン

stopsagi

私の母のような悲しい思いを、あなたのご両親など大切な人たちにさせないために、詐欺犯罪への対策を早く取ってください。

これまで書いたことも含めて、「親のセキュリティー対策」に役立つチェックシートを作りました。A4で出力できるので、実家に帰省の折などに、活用してください。

シート内の「アカン!それ詐欺」カードは、詐欺の手口と言われる代表的なキーワードと、相談したいと思ったときに、すぐ電話がかけられる連絡先のメモを、一つにしたものです。家族や親しい友人、最寄りの警察署、市役所などの電話番号を書いて、電話機周辺に貼ってあげてください。

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