1. 大阪トップ
  2. くらしの情報
  3. 大学を舞台に高校生が世界を目指す

大学を舞台に高校生が世界を目指す

rikeikenkyuusya_170907_01
rikeikenkyuusya_170907_02

3期生の開講式では、大学生・大学院生のファシリテーターのサポートで、「めばえ道場」と呼ばれるグループディスカッションが行われました

rikeikenkyuusya_170907_03

初めての環境に期待を膨らませる高校生たち

 大学が、将来グローバルに活躍しうる理系研究者を、高校生のうちから発掘・育成する取り組みが進んでいます。そこで、大阪大学「SEEDSプログラム」、神戸大学ほかの「ROOTプログラム」の本年度の開校式や合宿の様子をレポートします。

大阪大学

高校1・2年生対象のSEEDSプログラム
2年目は大学の研究室で研究を深化

 大阪大学では、2015年度から「グローバルサイエンスキャンパス」事業(※)の採択を受け、高校1・2年生と、意欲がある中学3年生に向けて、“傑出した科学技術人材発見と早期育成”を掲げる「SEEDS(シーズ・種の意味)プログラム」をスタート。
 定員約130人に対して、初年度143人、昨年度209人、本年度303人と応募者は年々加速的に増加。同プログラム運営委員長の杉山清寛教授は、「受講生の経験談が後輩へ伝わっていること、海外での研究発表や科学技術コンテストでの受賞など、受講生の活躍も応募増につながっている」と分析します。
 選抜方法は、自己推薦または教育委員会からの推薦と、課題探究型の選考試験などを実施。受講は無料。例年5月に募集開始、6月に選考会。1年目「体感コース」は7月~年3月、月1回の講義と研究室体験、留学生との異文化交流など。
2年目「実感コース」はさらに選抜された30人が、4月から夏にかけて、大学の研究室で、教員指導のもと研究を深化させます。

rikeikenkyuusya_170907_04

3期生は140人。男女比はほぼ半数で、近畿全域と岐阜、徳島、福井などからの受講生もいます

rikeikenkyuusya_170907_05

開校式で全学教育推進機構・機構長の佐藤宏介教授の基調講演「知的なシステムとは」(上)を受け、質問する受講生(下)

※理系研究者の早期発掘・育成をする大学の取り組みを支援する科学技術振興機構の事業。

意欲に機会を提供、10年後の成果のために

 7月29日に行われた3期生「体感コース」の開校式には、難関を勝ち抜いた受講生らが大阪大学豊中キャンパスに集結。
 「物理が好きで、高校の先生が受講を勧めてくれた」と話す滋賀県立虎姫高校1年の坂田健臣さんや、「科学好きな人と出会い、見聞を広めたい」と参加した、徳島市立高校2年の齋藤有沙さんら、遠方の受講生も。認知度の高さがうかがえます。

rikeikenkyuusya_170907_06

2期生の発表会。四天王寺高校1年の出水小春さんは、花の揺れから、“振動”についての研究発表をしました

 8月18日は、2期生「実感コース」よる科学研究成果発表会。体感コースからステップアップし、大学の研究室で教授に指導を受けながら、研究を“実感”した30人の高校生が、プレゼンテーションに挑みました。
 興國高校3年の崎田楓真さんは、負の屈折率を持つ人工材料「メタマテリアル」を分析。府立大手前高校3年の守實友梨さんは、BNCTという、新しいがんの治療法を考察しました。いずれのプレゼンでも、聴講している2 期生・3 期生から次々と質問が飛び出し、まさに真剣勝負。
 「理系研究に意欲はあるが、その機会がないといった生徒を種から育てたい。本当の成果は10年先になりますが、理工系の楽しさを体感し、生き生きと成長する受講生の成長がやりがいとなっています。」と杉山さんは語ります。
 大阪大学SEEDS事務局
 TEL:06(6850)8137。
大阪大学SEEDSのURL:https://seeds.celas.osaka-u.ac.jp/

神戸大学

高校生の“根源の問い”が世の中を変える?
ワシントン大学で研究発表の機会も

 神戸大学では、兵庫県立・関西学院・甲南大学と協働で、「ROOT(ルート、英語で根源の意味)プログラム」を展開、テーマは、“根源の問い”です。
「テーマを限定せず、高校生が“知りたい”と思うことを研究してもらいます。それは、私たちが考える範囲を超え、その研究が世の中を変えるかもしれないと期待しています」と、同大学人間発達環境学研究科の伊藤真之教授。募集人数は、高校生約40人。選考方法は、レポートと面接。重視されるのは、科学に対する強い好奇心と探究心です。「虫が大好き、宇宙に興味があるなど、こだわりを持つ生徒に参加してほしいですね」(伊藤教授)。
 受講期間は2年。1年目の“基礎ステージ”で、「根源的な問いとは?」を探り、研究の基礎と方法を学習し、12月には個別研究課題を決め、発表します。そこで、さらに選抜された約8人が2年目の実践ステージへ。研究を進め、アメリカ・ワシントン大学(シアトル)で、発表する予定です。

rikeikenkyuusya_170907_07

生徒が知りたいことを、書き出していきます

rikeikenkyuusya_170907_08

自分が気になること、教授が研究してきたことをざっくばらんにトーク(ナイトセッション)

自分の好きなことを探究したい
知れば、もっと知りたくなる

 7月29日・30日に基礎ステージの夏合宿が行われ、選考を経た46人の高校生が集まりました。
 “根源的な問い”を探るために、生徒たちは自分が疑問に思うことを書き出し、ボードに張ることから始めます。夜には、指導に当たる教授ら10人と語り合う“ナイトセッション”も。そこから生まれた疑問も、ボードに張られました。2日目は、生命・環境・地球・コンピュータなど科学のさまざまな分野についての講義。知ることで生まれる疑問、ボードは生徒たちの探究心で埋まっていきます。
 「自分から参加を希望した」「参加できて、うれしい」と話す高校生たち。「自分がやりたいことを研究できるのは楽しい」「何でも聞ける教授が側にいてくれる環境で、研究したい」と、目を輝かせます。伊藤教授は、「知識を与えると、さらに知ろうとする。2日間でも、研究者として立派に成長しています」と満足そう。
 9月以降は週末セッションに参加。セッションは神戸大学ほか、兵庫県立・関西学院・甲南大学や県内にある研究所でも行われます。個々に研究課題を決め、来年1月の発表に臨みます。
 次年度の募集は5月ごろを予定。

同じジャンルの記事を読む

人気記事ランキング

  1. 大阪トップ
  2. くらしの情報
  3. 大学を舞台に高校生が世界を目指す


会員登録・変更