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冷え撃退!芯から温まる薬膳スープ「マーヨージー」は簡単材料で自作OK

台湾の冬の名物薬膳スープ「羊肉爐(ヤンロールー)」と「薑母鴨(ジャンムーヤー)」

南国・台湾でも、北部は冬場、そこそこ寒くなります。冬になると周りの台湾人たちは、口々にこんな台詞を叫びます。
「冬だ!ヤンロールー食べなきゃ!」
「冬だ!ジャンムーヤー食べなきゃ!」

寒さ対策の薬膳鍋・羊肉の「羊肉爐(ヤンロールー)」と、アヒル肉の「薑母鴨(ジャンムーヤー)」。特に薑母鴨(ジャンムーヤー)はお店自体が冬季限定営業なので、そのお店がオープンすると「ああ今年も冬が来た!」という雰囲気になります。まさに台湾の冬の風物詩です。

アヒルとショウガのぽかぽか薬膳鍋・薑母鴨(ジャンムーヤー)▲炭火でぐつぐつ沸く薑母鴨(ジャンムーヤー)。野菜やキノコ類もたっぷり

台北の薑母鴨(ジャンムーヤー)店のお兄さん▲12月だというのに店内は鍋の熱気でいっぱい。お店のお兄さんもこの薄着

どちらの鍋も、肉や野菜の他、体を内側から温め、血行を良くしてくれる漢方薬材がたっぷり入っています(でも全然薬っぽくなくておいしいですよ!)。

お店や家庭によって配合は違うのですが、だいたいどれにも使われている漢方薬材は、當歸(当帰:トウキ)黃耆(オウギ)。他に、八角(スターアニス)や黒棗(黒ナツメ)、枸杞(クコ)、杜仲(トチュウ)、肉桂(シナモン)、何首烏(カシュウ)、黨參(党参:トウジン)、川芎(センキュウ)などが入っています。

羊肉爐の中藥包▲台湾の漢方薬局では、家で「羊肉爐(ヤンロールー)」などを作るための漢方薬材セットも売っている

「あたため系」の中華薬膳スープは超多彩
状況に応じて選べる「温補」スープいろいろ

血行が悪くなって起こる体の冷え。中医学では「血(けつ)」を巡らせるエネルギーは「気(き)」であり、気は体を温める力を持っているとされます。
体を温める力を補うことを「温補」といい、気血を補い、巡りをよくする漢方薬材(中藥材)が、冬の名物スープにはたくさん入っています。

台湾では、ちょっと寒いなと感じたら「あ、温補しよっ!」と、あちこちにあるお店で気軽に対応できてしまいます。
「薬膳スープ」というと日本では特別なもの・高いものというイメージですが、台湾では100元(約360円)以下からあるんですよ。

高雄の夜市の薬膳排骨湯(パイコースープ)▲高雄の夜市で飲んだ「薬膳排骨(パイコー)スープ」はなんと一杯70元(約250円)

「あたため系」薬膳スープには色々な種類があって、体調によって使い分けが可能です。台湾へご旅行の際には是非お試しを。

■冬が来た!寒くなった!時に
血液循環を活性化し体を温めるスープ
羊肉爐(ヤンロールー):羊肉は豚肉や牛肉より体を温める効果あり
薑母鴨(ジャンムーヤー):アヒル肉とショウガ、野菜もたっぷり

■気血不足、生理後、病後の滋養に
気や血を増やし、血液循環を活性化してくれるスープ
十全大補湯:十種の漢方薬材で気血を補い疲労回復。弱った体に滋養を補って、冷えを解消
麻油雞(麻油鶏:マーヨージー):血を補う力(補血)と巡らす力(活血)が強く、風邪の初期に「冷え」を体から追い出す

■全身疲労・エネルギー不足に
人蔘雞湯(人参鶏湯):スタミナ補給にはやっぱりニンジン入りの鶏スープ
(※この「ニンジン」はオレンジの人参ではなく高麗ニンジン系のことです)

 

日本で入手可能な材料で簡単に作れる!
あたため系薬膳スープの基本「麻油鶏(マーヨージー)」

私が台湾で一番よくいただく「あたため系」スープは「麻油鶏(マーヨージー)」といいます。冬に限らず、毎月の生理後や、ちょっと風邪気味の時などに「ちょっと飲んでおこう」という感じで気軽に温め・補えるスープです。台湾ではあちこちの食堂で一年中売っています。

麻油雞(マーヨージー)と麺線(台湾そうめん)のセット▲台北のお店の「麻油鶏(マーヨージー)」。スープ単品は120元(約425円)、麺線(台湾そうめん)とゆでキャベツのセットは169元(約600円)

他のスープは、日本なら市販漢方薬の成分表示欄でしか見られないような漢方薬材が入っていますが、「麻油鶏(マーヨージー)」はシンプルそのもの。

・鶏肉
・ショウガ
・ゴマ油
・酒

この4つさえあればできちゃいます(あと調味用の塩を少し)。

冒頭でご紹介した「羊肉爐(ヤンロールー)」や「薑母鴨(ジャンムーヤー)」にもショウガとゴマ油と酒は入っているので、「麻油鶏(マーヨージー)」の肉を換え、漢方薬材を足して威力をアップすると他の名前のスープになるという訳です。

漢方薬材を日本で入手するのは大変ですが、「麻油鶏(マーヨージー)」は普通のスーパーで簡単に材料がそろいます。一年を通じて活用できるスープですので、寒さ撃退に活用してみてくださいね。

 

ゴマ油でショウガと鶏肉を炒めて煮るだけ
お酒の量やプラス具材はお好み次第

台湾では骨付きの鶏を豪快に叩き切って大鍋一杯に作りますが、日本で気軽に自作するために「鶏もも肉1枚」をベースに分量を考えてみました。

【麻油鶏(マーヨージー)の作り方】

[材料](2人分)
鶏もも肉:1枚(300g程度)/ショウガ:25~30g/ゴマ油:大さじ2/酒&水:合わせて600cc/塩:適量

麻油鶏の材料

①鶏もも肉は一口サイズに切っておく。ショウガは薄切りにする。
②鍋にゴマ油とショウガの薄切りを入れる。ショウガがきつね色になり、水分が抜け、端がチリチリとカールし始めるくらいまで炒める。(カリカリベーコンの縁のようなイメージ)
③鶏肉を入れ、表面に軽い焼き色がつくまで炒める。
④酒と水を加える。最初は中火、沸騰したら弱火にし、肉が軟らかくなるまで20分ほど煮込む。
台湾ではだいたい1:1以上の割合でお酒が入っています。「本格的」とされるものは酒100%だったりしますが、沸騰させてもアルコール分が飛びきらず、お酒に弱い人だときつすぎるかもしれないので調整してください。
⑤塩で味を調える。

[材料についての補足]
●鶏もも肉の他、手羽元でもおいしいです(骨からスープが出るので)。
●台湾では、ゴマ油は焙煎が深い「黒麻油」を使います。濃いめのゴマ油の方が風味豊かなスープになります。
●台湾の「米酒」は日本酒よりも甘くなく、味としては日本の米焼酎の方が近いかもしれません。また、料理用酒を使った場合は塩分が入っているので、それを考慮して最後に味を調整してください。
●野菜などを加えてもおいしいです。私は、煮崩れせず歯ごたえのあるエリンギをよく入れています。
●台湾では、スープにそうめん(麺線)を入れ、にゅうめんのようにして食べることも多いです。
●台湾では少量の塩で軽く味付けするだけですが、中華スープの素を適量入れてもいいと思います。そうめんを入れる場合は特に。

自作の麻油鶏(マーヨージー)
▲家でも簡単に作れる「麻油鶏(マーヨージー)」

「麻油鶏(マーヨージー)」は、毎月の生理後に「血」を補うために、また、ぞくっと寒いと感じた時に血行を促進して体から冷えを追い出すために飲まれているスープです。材料もシンプルで作るのも簡単なので、寒さに凍えて帰宅した後などに、お酒を多めに入れたこのぽかぽか薬膳スープで、厳しい寒さを乗り切りましょう!

 

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松浦優子/台湾情報ライター/漢方養生指導士・漢方上級スタイリスト/東京都港区出身の40代。元Web広告ディレクター。現在は外国人向け日本語教師のほか、台湾経済ニュースの翻訳、ライターとして活動。一年のうち1カ月以上は台湾に滞在し、台湾の文化や歴史、中医学(漢方)の養生法など、気になるテーマを探求中。インドア派、愛猫家。台湾で得た一番の宝物は、あたたかい台湾の人たちとの友情とご縁。

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