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<健康情報>急にお腹が痛くなったときのために

<健康情報>急にお腹が痛くなったときのために

急なお腹の痛み、中には緊急手術や処置が必要なことも

痛みの伝え方は大人でもむずかしいこと

皆さん、急にお腹が痛くなること、よくありますか。時々しかなくても、経験はありますよね。痛み出した時、まず考えることは何でしょうか。
「最終的にはこの痛みはほっといても治るのか、それとも治らないのか」、「医者にかからないといけないのか」、「手術しないといけないのか」、「命に別条はないのか」などと、いろいろと考えるものですが、病医院に受診する際は、症状をしっかり伝えることが大切です。
これは医療者にとって、急な腹痛に対して、なるべく早く正確に診断して必要な処置・手術を行うことが、その病気の予後のために最も重要な事だからです。診断と治療の遅れは病状を悪化させ、死に直結することになりかねません。

その一方で、“どんな痛み”であるかを伝えることは案外難しいものです。
例えば、子どもさんの場合で考えると分かりやすいのですが、子どもさんが「お腹が痛い!」と言い出したら、どこがどう痛いのか、キリキリか、ニブイのか、ずっと痛むのか、時々痛くないときもあるのか、痛みの程度は強いのか、吐き気や下痢の症状は一緒にないか、などをうまく説明することができません。大人でも、看護師さんや医師に症状を伝える時に、分かりやすく、伝えることは難しいことです。
しかし早急かつ正確な診断のためには、より具体的に、どんな痛みなのかを伝えることが重要です。

気軽に相談できる、かかりつけ医をもちましょう

お腹の中には急な痛みを起こす病気がいろいろあり、この内、緊急手術や処置を必要とするような病態を「急性腹症(きゅうせいふくしょう)」と総称します。
頻度が高いのは、急性虫垂炎(いわゆる盲腸)や急性胆のう炎、ヘルニア嵌頓(脱腸が出っ放しの状態)、腸閉塞、消化管穿孔などですが、血管破裂による腹腔内出血、腸管虚血壊死(腸の血流が悪くなり、腸が腐る)なども緊急手術になります。
報告によっても差がありますが、腹痛のうち、重篤または手術が必要になるのは20%、治療を受けたにも関わらず死亡に至ったのは0.5%未満といわれています。
例えば、1万7564例のうち60例(0.3%)が致死的疾患だったという報告があり、そのうち、消化器外科の症例が16例(27%)であり、上部消化管穿孔(胃や十二指腸に穴があく)の入院死亡率は 5.5%程度であるのに対し、下部消化管穿孔(大腸に穴があく)の死亡率は、8.8〜 24.7%という高い結果でした。

また、難しい病気になると、上腸間膜動脈塞栓症、劇症肝炎、肝膿瘍、心筋梗塞の5例が死亡したそうです。これらの疾患から重症敗血症や敗血症性ショックに陥ると、病状は急激に増悪し、その治療に難渋し、死に至ることも少なくないのです。
また、腹部大動脈瘤破裂や急性大動脈解離などによる大量出血の場合は、直ちに生命に関わり、死亡率は破裂していない場合(3.8%)の10倍以上の47%であるといわれています。

いつでも、どんな時でも気軽に相談できる「かかりつけ医」を持ちましょう。急な腹痛に対応できる総合内科医、消化器内科医、消化器外科医は、必ず身近にいます。常日頃から気軽に相談し、信頼関係を作っておいてください。

20180811WatanabeDr

松山市民病院 外科 渡邊良平 医師

愛媛県医師会常任理事 松山外科会会長、日本医療メディエーター協会理事 四国支部代表、岡山大学医学部臨床教授

リビングまつやま 2018年8月11日号より転載

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