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<健康情報>全身麻酔って、どのように行われるの?

<健康情報>全身麻酔って、どのように行われるの?

麻酔は患者さんの安全を確認しながら進めていきます
気になる点は麻酔科医に気軽に質問を

意識を低下させる「全身麻酔」と「睡眠」は異なるもの

今回は普段、私たちが行なっている全身麻酔の方法や、実際に患者さんが手術室でどのような体験をされるかについてお話します。『麻酔』と聞くと漠然とした怖さや不安を感じるかもしれませんが、私たちは少しでも快適に手術を受けていただけるように、日々努力しています。

手術部には搬入口という、玄関のようなところがあり、そこから各手術室に分かれて入ります。当院では搬入口と手術室、それぞれの場所で患者さんの本人確認を行います。患者さんの取り違えを確実に防ぐためです。手術室に入ると、手術台が部屋の中央にあります。肩幅くらいの狭い台です。当院では手術台をあらかじめ温めています。

次に心電図や血圧計、体内の酸素を測る指のクリップ、脳波のシールなど、患者さんの状態を確認するための器械を装着します。患者さんの安全が確認できたら、酸素マスクを顔に乗せます。通常は酸素が出ているだけですから、眠くはなりません。酸素を体にたくさん取り込んだら、点滴で眠たくなる薬を入れていきます。

薬が入ると患者さんは間もなく眠られます。よく「麻酔が効かずに眠らないこともありますか?」と質問を受けることがありますが、そういったことはないのでご安心ください。必ず眠りますし、必ず痛みは取れます。ちなみに、全身麻酔で意識を低下させることと睡眠とは、厳密には同じではありません。しかしながら患者さんに分かりやすいよう、私たちも普段から「眠る」と表現しています。

薬で眠った状態でも、まだ麻酔は完了していません。患者さんが確実に呼吸を続けられるように人工呼吸器とつなぐ必要があります。気管のチューブは口から気管へ挿入します。しっかり眠った状態ですので、挿入時に喉の痛みを感じたり怖く感じることはありません。チューブと人工呼吸器をつなぎ、確実に呼吸できていることを確認したら麻酔はひとまず完了です。必要に応じて点滴のカテーテルを追加したり、痛み止めの神経ブロックを追加したりします。
全ての準備が完了した後、手術が始まります。手術中は確実に眠りが維持され、痛みを感じないようにモニターしていますので安心してください。

体から麻酔薬が抜けると、目が覚めます

手術が終わると目を覚ます準備をします。麻酔薬の投与を終了し、今度は体から麻酔薬が抜けていくのを待ちます。麻酔薬は自然に、そして確実に体外へ排出され目が覚めます。実は目を覚ますための特別なお薬があるわけではなく、自然と目が覚めるのを待つのです。よく「麻酔から覚めないことはありますか?」と聞かれますが、まず心配ありません。麻酔薬が体から排泄されないことはありません。

目が覚めると、まだ気管のチューブが入ったままのことがほとんどですので、ほとんどの患者さんはびっくりすると思います。もちろん呼吸はできますので安心してください。
しっかり自発呼吸が戻ったのを確認してチューブを抜きます。その後、呼吸の状態や血圧、そして手術後の痛みなどを評価し、ベッドに移って退室します。

以上が一般的な全身麻酔の手順になります。麻酔は睡眠とは違うとする一方で、「夢を見ていた」とおっしゃる患者さんもいらっしゃいます。不思議なものですね。

最後になりますが、あらゆる手術、そして麻酔は日進月歩で進化し、より高度で安全な技術になってきています。患者さんを正しく評価し、適正な手順に努めることで麻酔はより安全なものとなります。
麻酔は大変おもしろい分野です。全身麻酔で手術を受ける機会がありましたら、ぜひ麻酔科医に何でも聞いてみてください。みなさんがより安心して手術を受けられるよう、しっかりお応えし安全に努めてまいります。

190628Dr_Ochi

愛媛県立中央病院 麻酔科部長 越智貴紀 医師

日本麻酔科学会専門医
「40歳からテニススクールに通い始めました。いつかコーチに勝ちます!」

リビングまつやま 2019年6月28日号より転載

こちらからもリビングまつやまも読めます

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