1. えひめトップ
  2. くらしの情報
  3. <健康情報>中高年の方が悩む、形成外科領域の2つの病気

<健康情報>中高年の方が悩む、形成外科領域の2つの病気

<健康情報>中高年の方が悩む、形成外科領域の2つの病気

指が思うように動かなくなる「デュプイトラン拘縮」と
見える範囲が狭くなる「眼瞼下垂」の治療法は?

形成外科には、年齢を重ねるにつれ、日常生活に支障が出て、さらに見かけも悪くなるという病気で紹介されてくる方が多くいらっしゃいます。そのなかで、治療によって快適に暮らしていただける可能性が大きい2つの病気を紹介します。

薬剤治療、または手術療法で治療する「デュプイトラン拘縮」

1つ目は、‘手のひら’にできる「デュプイトラン拘縮(こうしゅく)」です。中高年男性の片手または両手の薬指・小指に見られます。最初は手のひらに“マメ”のような硬結※(こうけつ/柔らかい組織が病的に硬くなった状態)が見られ、時間とともに索状(さくじょう)となり、薬指や小指が曲がり始めます。

image001環指(薬指)にできたデュプイトラン拘縮。指が伸びず、付け根に拘縮索を認める

病気が進むと、指を伸ばすことができなくなり、日常生活に不便をもたらします。例えば、ドアノブが回しづらい、洗顔時に指が目を突く、鼻孔に入るなど、さらに握手、車の運転や手を使うスポーツで手のひらを十分に開くことができないため、以前のように上手にできなくなります。

原因は、‘手のひら’にコラーゲンが異常沈着して拘縮索(こうしゅくさく)ができ、指が曲がり、伸びなくなるからです。糖尿病や手に外傷歴のある方などが発症しやすく、日常生活が不便になれば治療を開始します。
治療法には薬剤によるものと手術療法があります。
薬剤治療(酵素注射療法)は拘縮索にコラーゲン分解酵素を注射し、拘縮索を断ち切る治療法です。注射翌日に、「指を伸ばす処置」が必要です。

image002 薬指の3点に酵素療法を行った結果。環指が伸び、使いやすくなっている

手術療法は、手のひらや指の皮膚を切開して、拘縮の原因となっている拘縮索を切除しますが、多くの場合、入院が必要です。

手術で治療する「眼瞼下垂」

中高齢者に多い2つ目の病気は、眼瞼下垂(がんけんかすい)です。目を開いたとき、上眼瞼縁(うわまぶた)が黒目(くろめ)を覆うため、視野が狭くなるとともに、見かけが悪くなり、いろいろな自覚症状が出てきます。
例えば、歩行や運転時、テレビを見るときなど、瞼(まぶた)が垂れさがり、信号が見えづらくなります。また、信号を確認するために顔を上げてみたり、さらに指で瞼を持ち上げるなど、日常生活に支障がでます。そのほか、視野が狭いために起こる目の疲れや、額の筋肉を過度に上げて瞼を開くために起こる頭痛や肩こりがあります。表情が眠そうにみえる、眉間のしわが深くなったなどの見かけの悩みも尽きません。

原因は、①上眼瞼の皮膚の余り、②眼瞼を挙上する筋の低下、③筋と眼瞼縁の連結の緩みが考えられます。
治療は局所麻酔による手術が必要です。①の場合は加齢現象で、余剰皮膚の切除を行います。②や③の筋力低下または筋と瞼の連結の緩みの場合は、筋の短縮・前転を行ったり、腱膜と瞼を構成する瞼板組織を強固に再連結します。高齢者では筋前転法と同時に余剰皮膚の切除を併用するケースが多くなります。

ご紹介した病気は、手・指の動きや視野に関係し、車の運転など日常生活に深く関わっています。安全に、今まで通り社会生活に参加するために、悩まれている方がいらっしゃいましたら、お近くの形成外科を訪ねてはいかがでしょうか。

190719Dr_Kobayashi

福角病院 小林 一夫 医師

日本形成外科学会形成外科専門医、日本手外科学会手外科専門医
「世界6大マラソンレース参加が夢です」

リビングまつやま 2019年7月12日号より転載

こちらからもリビングまつやまも読めます

同じジャンルの記事を読む

この記事が気に入ったら公式アカウントをぜひフォローしてね。おすすめ記事をダイジェストでお届けします。

人気記事ランキング

  1. えひめトップ
  2. くらしの情報
  3. <健康情報>中高年の方が悩む、形成外科領域の2つの病気

松山百点 伝統、文化、歴史をテーマに

松山百点 伝統、文化、歴史をテーマに

電子ブックを読む



会員登録・変更