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<健康情報>放射線治療、ご存知ですか?

<健康情報>放射線治療、ご存知ですか?

切らずにがんの根治と緩和を目指す「放射線治療」
気になる方は、主治医や放射線治療医に相談を

放射線治療は、がんの消失、増大の抑制を目的に行います

がんの治療には、3本柱と呼ばれる治療法があります。①手術療法、②化学療法、③放射線治療です。しかし残念ながら放射線治療は一番マイナーです。実際、日本でがん治療を受けた患者さんの中で放射線治療が用いられる割合は約30%で、欧米では約60%の患者さんに用いられているのに対し、約半分です。放射線治療に対する誤解や有効な使い方があまり知られていないことが原因かと思っています。

放射線治療が実は体への影響の少ない治療であることをご存知ですか? 副作用が強いとか、体力がなくなるとか思い込まれていませんか?
放射線治療は切らない治療で、臓器の形や機能を温存できることが最大の特徴です。放射線は照射部位以外には影響を及ぼすことはないため、全身的な副作用は比較的少なく、あまり体力がなくても治療が可能です。2カ月の乳児や90歳以上の方も治療した経験があります。実は放射線治療は体に優しい治療なのです。

放射線治療の目的は大きく分けて2つ、根治と緩和があります。単純に言えば、がん細胞に大線量を照射して完全に消失させることを目指すのが根治治療です。
平成の時代になって放射線治療は急速に進歩しました。治療機械や治療計画装置の進歩で、がんに放射線を集中しつつ周囲の正常組織の線量を減らす高精度照射が可能になり、放射線治療で根治を目指せるがんが増えています。

一方、根治ほどでなくても一定の線量を照射することで、がんの増大を抑制することが可能です。そうしてがんによる痛みや出血等の症状を軽くし、QOL(生活の質)のよい生活を維持することを目的とするのが緩和治療です。がんと上手に付き合っていこうという方法です。
放射線治療の進歩は、緩和治療でも大きな利益があります。緩和照射はがんの消失を目的としていないため、必要な部分だけ正確に当てることで照射回数を減らし、より短期間で治療を終わることが可能です。以前は同一部位に対する放射線治療は一度きりとされていましたが、照射線量と効果や副作用の関係が研究され、現在では再治療できる場合もあります。

がんによる生活上支障となる症状を軽くするのにも役立ちます

緩和治療の適応となる症状はいくつもあります。骨やリンパ節への転移やがんの浸潤による痛み・神経症状、脳転移での頭痛や吐き気、消化管の通過障害、がんの増大による気道狭窄・呼吸困難、そしてがんからの出血、などです。これらの症状が軽くなれば、QOLを維持することが可能になります。特に背骨への転移による脊髄圧迫や、気道狭窄による呼吸困難、大量出血などはQOLを大きく損ない、生命にかかわる可能性もあるため、緊急照射の適応とされています。

がんでは生活上支障となる症状も多くQOLが低下する原因となります。がん治療の進歩で以前より長期生存が可能となってきています。その間、できるだけ快適に生活しつつ治療を続けるため、がんによる症状を軽くしていくことが重要です。放射線治療はそういった部分でもお役に立てる治療です。気になる方は、主治医や放射線治療医にご相談ください。一般の方向けの放射線治療パンフレットもあります。興味のある方は下記をご覧ください。

日本放射線腫瘍学会 https://www.jastro.or.jp/

190802Dr_Ochi

松山西病院 越智 誉司 医師
日本医学放射線学会 放射線治療専門医 「船で釣りに行くのが目下の趣味です。釣れないけど」

リビングまつやま 2019年8月2日号より転載

こちらからもリビングまつやまも読めます

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