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<健康情報>単純性股関節炎について

<健康情報>単純性股関節炎について

症状があるまま、動くと回復に時間が
似た症状の別の疾患もあるので、整形外科に相談を

幼児〜学童期によく見られる股関節炎。治療は通常安静のみ

単純性股関節炎は幼児〜学童期によくみられる股関節炎です。一般外来で遭遇しやすい疾患で、よく相談を受けます。小児の股関節痛を呈する疾患のうち、最も頻度が高いとされています。風邪を引いた後、運動後、外傷後等に起こりやすい股関節炎です。アレルギーが原因とする説もあります。誘因がはっきりしないことも多いです。
通常、熱は出ず、全身状態は良好ですが、股関節部、大腿部、膝関節部等の痛みを訴え、歩行障害をきたします。また、股関節の動きに制限が出ます。レントゲン写真上、骨格には異常ありませんが、関節液がたくさん溜まっている場合は、関節の隙間が広がって見えます。エコー検査を行うと、関節液の溜まり具合や改善の経過を観察できます。

治療は通常、安静のみで、鎮痛剤を用いることも無く、数日〜数週間の経過で速やかに改善しますが、スポーツはもちろん登園や通学も控えてもらいます。症状が強い場合や自宅で安静にすることが難しい場合、入院加療することもあります。その場合、ベッド上で下肢牽引(けんいん)を行い、安静を図ります。
少々退屈ですがトイレ以外はベッド上で過ごしてもらいます。痛みが改善後、少しずつ歩行訓練を行い、次に階段昇降訓練等を行います。症状改善後も1〜2週間はスポーツを控えてもらいます。後で述べる「ペルテス病」と初期症状が似ており、鑑別のため2カ月後にレントゲン検査を再度行います。

鑑別診断には、レントゲン・CT・MRIなどの検査を実施

鑑別診断として、
①大腿骨頭すべり症
②化膿性股関節炎
③ペルテス病
等が挙げられます。
①は骨端線(成長軟骨板)がずれる病態でレントゲン検査やCT検査等で判断します。②は細菌感染によるもので通常高熱が出て、全身状態が悪化します。③は大腿骨頭部が壊死し陥没してくるもので、当初はレントゲン検査で分からないことが多いです。MRIが撮影できるようであれば早期に検出可能です。
単純性股関節炎は基本的に良性の疾患で、通常症状を残さずに治癒しますが、症状があるまま動いていると回復に時間がかかったり、ぶり返したりするので早めの対処が望まれます。
股関節部、大腿部、膝関節部の痛みをお子さんが訴えられる場合、上に挙げた疾患の可能性があります。単純性股関節炎以外の疾患にはそれぞれ特別な治療法があります。特に化膿性股関節炎は迅速な対処が必要です。

お子さんが股関節〜膝関節にかけて痛みを訴えられているようでしたら、お近くの整形外科にご相談ください。

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井手整形外科医院 井手康人 医師

日本整形外科学会専門医 松山市医師会理事
「最近、自転車や軽登山を楽しんでいます」

リビングまつやま 2019年8月23日号より転載

こちらからもリビングまつやまも読めます

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