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<健康情報>高齢者のてんかんについて

<健康情報>高齢者のてんかんについて

発症が最も多いのは、65歳以上の高齢者
抗てんかん薬を用いた治療を行います

高齢者のてんかんは静かな発作を起こすことが多いのが特徴

てんかんは、子どもから高齢者までどの年齢でも発症し、約1%の人に発症する頻度の高い病気です。子どもに発症することが多いと思われがちですが、実は、最も多いのは、65歳以上の高齢者であることがわかっています。
てんかんという病気は、地震に例えると理解しやすいと思います。地震は、震源地からの地震波により起こります。てんかんは、焦点からのてんかん波により起こります。脳細胞に変化が起きて、脳の中に焦点(地震の震源地に相当する部位)が形成され、ここから出るてんかん波により脳が刺激されて、てんかん発作が起こります。焦点の存在する脳の場所により様々な発作の型を示します。

代表的な発作の型についてお話しします。焦点が脳の前頭葉に存在すると、急にうめき声を上げて、手足を激しく動かすなど運動の要素を含んだ発作になります。一方、焦点が脳の側頭葉にあると、動作が停止し、一点を見つめてぼんやりする静かな発作になります。口をぺちゃぺちゃさせたり、手をモゾモゾさせたりする自動症と呼ばれる行動を伴うこともあります。本人は、この間の記憶がないことが特徴です。高齢者のてんかんでは、焦点が側頭葉に存在することが多いため、静かな発作を起こすことが多いのです。

適切な薬を飲み忘れなく続けることで発作を抑えていきます

検査は、まず MRI検査を行います。脳の形成障害、脳挫傷、脳出血や脳梗塞の痕など、焦点となりうる異常を検出します。次に、脳波検査で焦点から出るてんかん波をとらえます。問診により発作の型を確認し、これらを総合的に判断し、てんかんの診断を行います。

治療は、抗てんかん薬による薬物療法を行います。発作の型に応じて適切な薬を選びます。高齢者では、抗てんかん薬の効果が現れやすい傾向があり、少量の薬で発作を抑えることが期待できます。近年、新しい抗てんかん薬が次々に開発されております。眠気、ふらつき、皮膚症状などの副作用が少なくなり、他の病気の治療のために服用している薬との飲み合わせの影響も少なくなっており、安全に治療が行われるようになっております。適切な薬を飲み忘れないように続けることにより、約8割の患者さんで発作を抑えることができます。

日常生活において注意していただきたいことは、睡眠不足にならないようにすることです。また、精神的ストレスも発作の引き金になりやすいため、普段から心配事などがあれば、話し合っておくことも大切です。過度な飲酒も引き金になりますので、適量を心がけるようにしてください。

191220DrKusakabe

梶浦病院 脳神経外科 日下部 太郎

日本脳神経外科学会専門医
「趣味は囲碁です」

リビングまつやま 2019年12月20日号より転載

こちらからもリビングまつやまも読めます

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