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<健康情報>帯状疱疹とワクチンについて

<健康情報>帯状疱疹とワクチンについて

長く続く痛みで、生活の質が悪くなる傾向あり
治療の中心は抗ウイルス薬で、早めの開始が大切

帯状疱疹の原因は子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルス

帯状疱疹は、体の片側にピリピリとした疼痛を伴う紅斑や小水疱が出現する疾患で、水痘帯状疱疹ウイルスが引き起こす感染症です。80歳までに約3割の方が経験するという比較的身近な疾患です。
子どもの頃にかかった水痘(水ぼうそう)のウイルスが、水痘が治った後も脊髄の神経根に潜伏し、免疫が低下すると再活性化し、神経を伝い皮膚に出現して病気を起こします。早期に発見し、すぐに抗ヘルペスウイルス薬を服用すれば、皮疹や痛みの重症化が防げます。特に皮疹が出現してから3日以内に抗ウイルス薬を服用するのがおすすめです。帯状疱疹が疑われたら、早めに病院を受診してください。
使用される抗ウイルス薬の中には、腎機能を悪くし、また、脳症を引き起こす可能性のある薬があります。ご高齢の方や現在、腎機能が悪い方に対しては、投与量の減量や腎機能を考慮しなくてもいい薬を選択するなどの注意が必要です。

ところで帯状疱疹は神経系、眼科系、さらに耳鼻科系など、さまざまな合併症を引き起こすことがあります。脳炎、腹筋麻痺、尿閉(尿が全く出ない)、視力低下、顔面神経麻痺やラムゼーハント症候群などの合併症を認めたら、それぞれの専門医と連携し、治療にあたらなくてはいけません。皮疹以外にも何か症状が出てくるようでしたら、担当の先生にご相談ください。

50歳以上の方はワクチンによる予防も

帯状疱疹は疼痛を伴う疾患ですが、この痛みには、①前駆痛(皮疹が出る前にピリピリした痛みが起こる) ②急性期帯状疱疹痛 ③帯状疱疹後神経痛(PHN) があります。急性期の痛みは皮膚や神経など組織の傷害による侵害受容性疼痛であるのに対し、PHNは神経が変性して生じる神経障害性疼痛で、50歳以上では約2割に生じるようです。PHNは帯状疱疹罹患後3カ月以上持続し患者さんを苦しめるため、生活の質は著しく低下する傾向にあります。

予防には帯状疱疹ワクチンがあり、帯状疱疹の発症を予防したり、疾患の重症度を軽減したり、またPHNの発症率を減少する効果があります。50歳以上の方が対象になります。現在使用されているワクチンは弱毒生ワクチンですが、今後は不活化ワクチンのサブユニットワクチンも登場する予定です。
今後、高齢化社会に伴い帯状疱疹は更に増加すると予想されております。高齢者では重症化しやすいといわれる病気ですが、疾患について十分理解して対応していく事が必要と思われます。

180623DrSekikawa

せきかわ皮ふ科 関川 紀子 医師

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
所属学会/日本皮膚科学会、日本皮膚悪性腫瘍学会、日本臨床皮膚科医会

リビングまつやま 2019年12月13日号より転載

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