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教えて!豊中、池田、箕面、茨木、高槻、吹田、摂津の小学校・中学校教育はどう変わる?

  • 2019/02/21 UP!

豊中市・池田市・箕面市 教育長座談会

学習指導要領の改定で小学校・中学校の教育はどう変わる?

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右から、池田市教育長 田渕和明(たぶち・かずあき)さん、豊中市教育長 岩元義継(いわもと・よしつぐ)さん、箕面市教育長 藤迫稔(ふじさこ・みのる)さん、教育コラムニスト(現大阪工業大学特任教授) 兵庫將夫(ひょうご・まさお)さん。※取材協力:千里阪急ホテル「さくらラウンジ」

 小学校では2020年度から、中学校では2021年度から、新学習指導要領が全面実施されます。そこで、豊中市・池田市・箕面市の教育長に、本紙で教育コラムを執筆する兵庫將夫さんが話を聞きました。

政令指定都市以外では全国初の市町による教員採用選考

兵庫:平成24年度から、豊能地区の豊中・池田・箕面市と豊能・能勢町の3市2町については、大阪府から教職員の人事権を移譲されています。

池田市・田渕教育長:きっかけは、地域を愛し、地域に根付いた教員を採用して、育成したいということです。採用倍率も高く、それだけ趣旨を理解したうえで受験してもらっていると感じています。

豊中市・岩元教育長:地元をよく知っている若い人が、意欲を持ってチャレンジしてくれています。人事権の移譲は全国で初めてのことですので、非常に意義あることと感じています。

兵庫:3市2町による人事協議会の事務局を豊中市役所内に設置し、3市2町の人員も加わり、協議会で採用を決められています。

箕面市・藤迫教育長:採用倍率については、非常にいいです。平成31年度向け採用では、大阪府より高い倍率で応募があり、その熱意をありがたいことだと感じています。

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豊中市教育長
岩元義継さん

主体的・対話的で深い学びについて

兵庫:新学習指導要領の大きなテーマである、「主体的・対話的・深い学び」についてのお考えをおきかせいただけますか?

豊中市・岩元教育長:子ども自身で課題を見つけることや、答えが一つでない事柄に対して、どのように解決の道筋を立てていくかを考えていくこと。これらの力を付ける教育の実践が求められています。

箕面市・藤迫教育長:AIの発達で社会や仕事が変化する中、正解よりも納得解を導く能力や、知識の蓄積を成果としてアウトカムできる能力が必要とされます。将来的にその子どもが何をできるようになるかを見据えた教育が求められています。

兵庫:必然的に授業スタイルも変化することになるのでしょうね。

池田市・田渕教育長:基礎的な知識プラス、子どもたち同士が議論をしながら、積極的に他人と意見を交換するような授業への変化ですね。

豊中市・岩元教育長:議論の活発化には、いかに生徒の興味関心を引き出すか。生徒にとって身近な話題や社会的に取り上げられているニュースを入り口にするなど、いろいろと考えていく必要があります。

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箕面市教育長
藤迫稔さん

家庭で主体性をそだてるには

兵庫:主体性を身につけるには、学校だけでなく家庭の協力も欠かせないと思います。

池田市・田渕教育長:子育てや教育に関しては、それぞれの家庭でさまざまな考えがあると思います。私が最も重要だと感じるのは、やはり親子のコミュニケーションです。

箕面市・藤迫教育長:会話の中で、お子さん自身が「何のためにこれをしているのか」と考えるように、保護者が働きかけるといったことですね。

豊中市・岩元教育長:同感です。そういった家庭内のコミュニケーションは発達の基本。子どもの発達段階に応じて、親子の関係も変わっていきますが、親がぶれずに接していくことがますます大切になってきます。

変化する英語教育にどう対応する?

兵庫:新学習指導要領では、外国語教育が注目されていますが、特色的な取り組みがあれば教えてください。

豊中市・岩元教育長:豊中市では、中学校の英語教師が小学校で授業をする研究指定校を徐々に増やしています。小学校の先生方も教え方を学べるので効果的な取り組みです。また、外国人の英語指導助手制度を使って、ネイティブの先生に助手として入ってもらい、聞く・話すを比較的早い段階からやっています。

箕面市・藤迫教育長:箕面市では、平成27年度から小学校全学年で毎日英語の授業を実施。生きた英語を学ぶため、平成31年度から、5・6年生は週2回の45分授業に毎回4人の外国人英語指導助手を配置するほか、中学校では、英語だけで授業をする英語コミュニケーション科を週1回実施しています。

池田市・田渕教育長:池田市では、平成16年度から、小学校全学年で英語活動を実施。平成31年度からは、1・2年生は年間15時間、3・4年生は週1時間、5・6年生は週2時間の授業を実施するよう準備を進めています。

兵庫:英語教育では、“聞く・話す”が課題ですね。

池田市・田渕教育長:日本人が苦手な部分でもあります。早い段階からの取り組みが必要でしょう。昨年度から小学6年生と中学1・2年生でGTEC(※)を取り入れていますので、その結果を踏まえて授業改善に役立てていきたい。

※ベネッセコーポレーションが実施する英語4技能検定

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池田市教育長
田渕和明さん

プログラミング教育やICTについて

兵庫:プログラミング教育についても話題です。

豊中市・岩元教育長:論理的思考、いわゆる“プログラミング的思考”を身につけることが目的。授業では、文部科学省で開発されている、教職員向けの教材などを活用しながら、ということになるでしょう。

池田市・田渕教育長:池田市は、ソフトバンクグループの「Pepper社会貢献プログラム・スクールチャレンジ」の採択を受けています。そこで、現在も試行錯誤しながら、同社の人型ロボット「ペッパー」の教育課程での活用に試行錯誤しながら取り組んでいます。

箕面市・藤迫教育長:教育センターで、子ども向けのプログラミング言語の一つ「スクラッチ」を試行しています。また、モデル校でも、クラブ活動として取り組んでいるといったところ。授業としてどうするかは、これからの課題ですね。

兵庫:ICTの環境整備はどうですか?

池田市・田渕教育長:電子黒板を整備しました。子どもたちが視覚的に授業に取り組める環境が整ったので、先生方にも工夫をしてもらって、授業改善につなげていこうと考えています。

箕面市・藤迫教育長:英語の学習はそろばんの学習と同じで、たとえ短時間でも日々の積み重ねが大切です。そのため毎日15分間のモジュール学習が非常に有効ですが、効率よく学ぶためには電子黒板が不可欠です。また、平成30年度から市内全小学校の4~6年生に1人1台のタブレットパソコンを配置しています。今後、1~3年生と中学校の全学年にも拡大したいと考えています。

豊中市・岩元教育長:すべての普通教室に大型モニターを設置していますので、例えば体育の授業を撮影して、後から見て学んだり、子どもの書いた答案や文章をリアルタイムで共有したりするなど、活用の幅はあります。

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大阪工業大学特任教授・兵庫將夫さん。大阪府教育委員会、大阪府立天王寺高校校長、府立高等学校長協会会長など教育現場で培った知見をもとに、リビング新聞で教育コラムを執筆中

地域に支えられる学校教育

兵庫:取り組むべき教科が増え、学校目標が変化することで、教師の方々も忙しさが増す。そこで、家庭や地域の協力が期待されています。地域に支えられた、開かれた教育課程について、「カリキュラムマネジメント」という言葉がよく聞かれるようになりました。学校はどのように地域と関わりを持って行くかについて、お聞かせください。

豊中市・岩元教育長:学校教育は学校だけで完結しません。地域も学校運営の主体として関わってもらう時代です。学校から、教育の目的や目標について積極的に情報を発信し、地域の協力を得ていくことが大事になります。実際現在も、地域の方々には非常に協力してもらっています。登下校時の見守り活動もそうですし、農業体験や職業体験も地域の協力がなくてはできないことです。

池田市・田渕教育長:全国的に「開かれた学校」を目指す取り組みがなされていますが、保護者や地域に学校の敷居は高いといわれ続けています。今こそ、一緒にかかわれるようなものを積み上げていくことが大事。これまでも、見守り活動や学校の営繕・美化といった場面で、地域の方々がいろいろと協力していただく姿がありました。今後は例えば、地域で自主防災に取り組む方から、授業として訓練の方法を学ぶといった、授業に対してアドバイザー的にかかわれるような仕組みを構築していくことが必要です。

箕面市・藤迫教育長:学校からの“こういうことをやってもらえませんか”との呼びかけに応えていただく形から一歩進んで、“学校はこんなことがしたいから一緒にやりませんか”と学校目標を共有して取り組んでいただく形。オール地域としての学校像を確立していきたい。

これからの“学校”と“教育”

豊中市・岩元教育長:変化の激しい時代に育つ子どもたちですから、たとえ困難な壁があったとしても、自分なりに考え、判断し、よりよく生きていくことができるように育てられるかが、改訂の大きな柱だと思います。「開かれた学校」や「小中連携」はますます重要なキーワードになるでしょう。

箕面市・藤迫教育長:学校教育として、子どもたちに“生きていく力”をつけなければなりません。箕面市として一番大事にしたいことは、「つながる力。これは生きていく力の一つです。つながる力さえ身につけておけば、困難な社会でも生きていける糸口を見つけられる。そのためには、自分も大切ということがわからなければならないし、ほかの子どものことも認め合わなければなりません。

池田市・田渕教育長:「人とつながって学び続ける子ども像」を具現化していきたい。はからずも改訂の時期に、大学入試を含めて教育が大きく変わります。変えるべき点はドラスティックに変えていきたいし、行政としての仕掛け、財政的なものもしっかりと確保し、学校を支援していきたい。

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