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京都大学・大阪大学・神戸大学の副学長に聞きました

京都大学・大阪大学・神戸大学の副学長に聞きました

目的意識を持った意欲ある
生徒を磨き・伸ばすために

 国立大学が“意欲ある”高校生に向けて、独自の入試を実施しています。その狙いや新しい教育内容について、京都大学・大阪大学・神戸大学の副学長に聞きました。

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京都大学・副学長 北野正雄さん

ユニークな留学支援や留学生受け入れも

大学での研究につながる
意欲・目的とのマッチング

京都大学が2016年度から始めた特色入試。“今年も、意欲買います”のキャッチフレーズで行われた2018年度は、対象が全学部全学科に拡大、志願者は900人以上に増加しました。

「個性に合った学生を受け入れようと、各大学独自の入試が普及してきました。本学は研究型の大学。高校の学習の仕組みにとらわれない、入学後の学びの一端にふれるような試験で、大学での研究につながる選考を行っています」と、マッチングの重要性を語る、副学長の北野正雄さん。

受験生には女子も多数。「志願者は、一般入試よりも女子の比率が高く、合格者では、5割を超えています。目的がはっきりしている生徒が多く、よいチャレンジの機会になっています」

もともと高大接続には力を入れてきた京都大学。教員が高校生に講義や実験指導を行う、科学に特化した「ELCAS(エルキャス)」ですが、2017年度から法学にも拡大。このほか、大学院生などが高校に出かけて行う出前授業や、高校生が参加できるオープン授業などに取り組む「学びコーディネーター事業」も人気を呼んでいます。

学部生に向けては、昨年から、自分で企画した体験型の留学をサポートする「おもろチャレンジ」などのプログラムを実施。「海外留学生の受け入れをさらに進めることで、日本人学生の刺激にもなると考えています」と、教育の国際化にも力を入れています。

「高校生に京大の学びを知ってもらえる機会を作ること、そして入学を出発点として、研究に取り組み、知見を深められるよう、学内全体で支援していきたい」

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大阪大学・副学長 小林傳司さん

全学をあげて高大接続に力を入れる

意欲や能力を見る独自の
AO・推薦入試にさらに期待

大阪大学では、理系・文系を問わず、学部や研究科ごとに、高大接続の取り組みが進められています。理系高校生向けプログラムとしては、2014年度からスタートした、SEEDS(シーズ)、土曜の午後を使って4回にわたり、最先端の物理をわかりやすく講義する、「SAP(サップ※)」などがあります。

副学長の小林傳司(ただし)さんは、「SEEDSは、最先端の科学技術に早く触れてみたいという意欲的な高校生向けのプログラムです。サイエンスに必要な柔軟な思考を身につけてほしい」

このほか、今後、高校での探究学習が増加することを受けて、高校教員向けの探究学習指導セミナーも実施。

2017年度からは、高校生の意欲や能力を見極める、独自の「AO・推薦入試(世界適塾入試)」がスタートしています。この入試で入学した1期生について、「昨年5月に、学生を集めて教員と一緒にワークショップをしました。発言も積極的で、問題意識が高い学生が多いなあという印象。それぞれがクラス代表になるような学生たちでした。本年度も非常に楽しみです」。

2019年度からは、大学での学びのおもしろさや本質を、入学直後から知ってもらうため、1年次に少人数ゼミが設置されます。

「大学は良くも悪くも、人生に影響を与えるもの。私自身は、大学には大切にしてもらったという気持ちがあります。ですから、学生には“大事にされた”と思ってもらいたいし、大学とはそうあるべきだと考えています」

※Saturday Afternoon Physicsの頭文字をとったもの

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神戸大学・副学長 井上典之さん

“神戸スタンダード”で真の神大生へ

世界中のネットワークを
生かしてグローバルに学ぶ

古くから国際交流に力を注いでいる神戸大学。アジア、欧州、北米、中東など、海外提携校は、大学間・部局間を合わせて407校に上ります(2017年11月現在)。副学長の井上典之さんは、「中でも、ポーランド最古のヤゲウォ大学や、ルーマニアを代表するクルジュナポカ大学といった、東欧でも随一の大学との提携は、今後バルカン半島への足掛かりとなるものです」と話します。

また「神戸オックスフォード日本学プログラム」により、毎年オックスフォード大学東洋学部2年生が神戸大学を訪れ、1年間、文学部で学んでいます。昨年、2週間の研修プログラムで、南カルフォルニア大学の学生が神戸大学に滞在。同大学の学生とオックスフォード大学の学生、日本人の神戸大学生らが交流し、阪神タイガースの試合を観戦。日本のプロスポーツビジネスに触れる機会を持ちました。

昨年は、卒業する学生が修得すべき、最低限の学力基準“神戸スタンダード”を定めたことも話題に。「複眼的に思考する能力、多様性と地球的な課題を理解する能力、高度な言語リテラシーなど、10項目に上るもの。例えば法学部に入学しても、経済的な観点や文学的素養、さらには自然科学的能力があればさらにいいわけです。高校までとは違う形で、大学がそれを身につけさせる。そして、一定の基準を設け、クリアできているかどうかを判断します」

2019年度からは、独自のAO入試“神戸大学「志」特別入試”もスタート。高校から社会へとつなぐ、神戸大学の人材育成力が問われます。

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