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夜間・屋内の熱中症の予防は?【Re Re 快適のヒミツ】

夜間・屋内の熱中症の予防は?【Re Re 快適のヒミツ】

 快適な湿度や温度が住まいの居心地を大きく左右します。リフォームやリノベーションでも湿度や温度を意識しましょう。近畿大学建築学部学部長・教授の岩前篤さんに、快適な空間づくりに大切なコトを教えてもらいます。

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Lesson5

夜間・屋内の発症でも
熱中症の予防は昼間にあり

数年前から目立つようになった
熱中症の危険性の報道

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 本当に暑い日々が続きます。

 筆者が暮らしているマンションは街中にあり、窓を開けると通りの車の音が響き渡りますが、暑さには勝てません。窓を開けても風が吹き抜けるわけではなく、わずかに部屋の空気が揺らぐ程度ですが、汗をためた肌にはそれでも涼感をもたらします。なぜか玄関の外の廊下は冷房が程よく効いており、本気であちらで寝たくなります。

 さて、数年前からでしょうか、熱中症の危険性がメディアで語られるようになりました。最高気温が30℃を超える5月の連休の頃から、新聞の見出しに現れ、この時期には救急搬送者の数を見ても、さして驚かなくなります。

 例えば、8月1日のNHKニュースでは、“熱中症で搬送  1週間で5300人 西日本中心に増加”と報じています。また、7月17日の産経ニュースには「猛暑の夏…熱中症に警戒 エアコン適切に使って」というタイトルのもと、“平成28年までの10年間(夏季)、熱中症で亡くなった人は7932人。東京都によると、昨夏、23区は屋内が19人、屋外が6人で屋内の方が多かった”と書かれています。

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被害の数は暑さに相関
報道の関心の高まりも影響

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 熱中症の危険性については、さまざまに報じられているのですが、どうも次のような表現が多いように思います。

  • 熱中症による被害は年々増加している!
  • 熱中症は住宅の屋内での発症が多く、屋内の高温に注意!
  • 屋内で最も危険な場所は居間であり、ついで、寝室・トイレと続く!

 実はこれらはすべて誤解といってよいと思います。

 熱中症に関する報道・記事では、「救急搬送者」と「発症者」、「死亡者」それぞれが曖昧に扱われていることが少なくないようです。先に挙げた例では、前者は救急搬送、後者は死亡者を対象としています。読む側としてはこれらの違いに気を付ける必要があります。

 過去7年の救急搬送者、死亡者と、それぞれの夏の暑さの関係を示すデータを見てみると、近年、増えているわけではなく、夏の暑さにほぼ相関していることが分かります。ただし、この2、3年は暑さがそれほどでなくても救急搬送者は多くなる傾向にあり、これは報道による関心の高まりの影響かもしれません。

夜に屋内で発症でも
原因の多くは昼間の脱水症状

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 また、熱中症の発症は、若年層では屋外の高温が原因であることがほとんどです。高齢者でも、夜、屋内で発症しているようにみえても、原因は昼間の高温による脱水症状であることが多いようです。

 屋内の発症場所は、つまるところ、夕方から就寝までの、昼間の影響が表出する時間帯における滞在時間が長い場所の順です。場所に特段の理由があるわけではないようです。

 家を涼しくすることも大切ですが、家を涼しくしても日中の暑さの中で汗を大量にかくと熱中症のリスクは特段に高くなります。

 月並みな助言ですが、ともかく汗をかいたら水を飲む、できればその際は冷たい水を避ける、ということが大切です。

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Profile
近畿大学建築学部長・教授 岩前 篤さん

1961年和歌山県生まれ。1984年神戸大学工学部卒業。1986年神戸大学大学院工学研究科修了。同年住宅メーカー入社。住宅の断熱・機密・防露に関する研究開発に携わる。1995年神戸大学で博士号(工学)授与。2003年に退社したのち、近畿大学工学部建築学科に助教授として就任。2009年同教授、2011年に新設された建築学部の学部長に就任し、現在に至る。建築環境システム研究室で、建築物内外の温熱・湿度・空気環境とエネルギーについて研究中。

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