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小林麻央さんも選択した「在宅医療」とは?家族と最期を過ごすために

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6月22日、フリーアナウンサーの小林麻央さんが乳がんで亡くなり、日本中が悲しみに包まれました。麻央さんは5月末、再入院先の病院を退院し、自宅で療養する「在宅医療」を選択したことを自身のブログで報告していました。麻央さんが選択した在宅医療とは、どのようなものなのでしょうか。在宅医療従事者への支援を行っている、在宅医療支援機構 代表の一和多義隆さんに聞きました。

住み慣れた我が家で受ける医療・介護サービス

――「在宅医療」とは、どのようなサービスなのでしょうか。

在宅医療支援機構 代表 一和多(いちわた)義隆さん在宅医療支援機構 代表
一和多(いちわた)義隆さん

一和多義隆さん(以下、一和多):医師や看護師などのケアチームが、利用者さんの自宅を訪問して提供する、医療・介護サービスです。病院や施設ではなく、自宅療養を希望する利用者さんが、看護師やご家族と協力しながら、自分の希望するライフスタイルで生活することができます。

現在、日本は過去類のない早さで高齢化が進んでいます。そこで最重要となる社会保障政策の1つが、「地域包括ケアシステム」の構築です。これは、高齢者やご病気のある方が、可能なかぎり、住み慣れた場所で、自分らしい暮らしを最期まで続けていくことを目指したサービス提供体制のことです。

そのなかで中核的な役割を担うのが、在宅医療です。特に看護師が自立・生活支援を提供する「訪問看護サービス」が注目を集めています。

――小林麻央さんのようながん患者でも、サービスを受けることは可能なんですね。

一和多:はい。現在、サービスを受けられている方の多くは65歳以上の高齢者ですが、がんを含むさまざまな疾病や障害が認められた方であれば、0歳からでも保険適用の範囲内でサービスを受けることができます。それは終末期の利用者さんも同様で、さまざまなケアスタッフが自宅療養のための適切なサポートを提供します。

小林麻央さんも、担当病院での医師や看護師、在宅での生活を看るケアチームを交えて、本人はどのような生活を希望するのか、ご家族は無理のない範囲でどのようなサポートが可能なのかといった点をよくよく相談されたうえでの在宅療養だったと思います。

超高齢社会で大きな役割を担っていく在宅医療

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――今後、日本で在宅医療が期待されている点や現状を教えてください。

一和多:厚生労働省の発表データによると、75歳以上の方の6割以上は病院ではなく住み慣れた自宅での療養を希望しているにも関わらず、8割近くの方が病院で亡くなっています。

さらに、2025年までに75歳以上の後期高齢者の数は日本の全人口の18%に達し、2000万人を超えると予測されています。その時に病院や介護施設など、終末期の方を受け入れる施設が足りなくなる可能性は非常に高いです。

しかし、現在はサービスの認知度の低さや、在宅医療従事者の不足から、在宅医療へのシフトは十分に進んでいないのが現状です。

――実際に、在宅医療を選択した方の反応はどうでしょうか。

一和多: 病院に入院していた時とは比較にならないほど、その方らしくリラックスした生活を過ごされる方がほとんどです。病院は「治療のための場所」で「暮らすための場所」ではありませんから、当然ですよね。「住み慣れた自宅で、家族と一緒に暮らしたい」という想いは、誰もが抱く当然の感情でしょう。

病院のように、すぐ近くで医療者が待機しているわけではありませんが、状態が変化した時や不意なアクシデントがあった時は、医師や看護師への24時間体制での相談、さらに必要であれば自宅まで駆けつけてもらうことも可能です。

最後を“看取る”ことが残された家族の明日につながる

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――麻央さんの場合、夫の市川海老蔵さんは仕事場から自宅にすぐ帰れたことで、お子さんと一緒に看取ることができましたよね。

一和多:ご自宅と職場が近い方であれば、そのようなメリットもありますね。ご家族にとって、最期の時間を共有し、“看取る”ことは、残された方たちの生活が前に向かっていくためにも、とても大切なことです。

訪問看護では、利用者さんの終末期におけるターミナルケアだけでなく、お亡くなりになったあと、その方らしい容貌や装いに外見を整える死後処置、エンゼルケアをご家族と一緒に行います。

在命時を想い返しながら、その方のお身体を清拭したりお化粧を施したりすることは、ご家族がお気持ちを整理するための第一歩となります。

その方が望む、その方らしい生活や最期。そうしたかけがえのない時間をご家族と一緒に寄り添っていけることが、在宅医療の何よりの魅力でしょう。

<取材協力>
在宅医療支援機構 http://www.hcso-inc.com/

(取材・文:秋山悠紀)


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