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「飲む美容液」の鶏スープ、台湾版は滋養たっぷりで大迫力

アメリカで流行だというボーンスープ
台湾では「雞湯(ジータン)」がとっくに常識

ハリウッドセレブの間で「ボーンスープ」が流行っていると聞きました。鶏や牛などの骨からとったスープで、美容にいいと評判だとか。

勢い込んでこの話をしてくれたのはある日本人なのですが、聞いた私は「えっ、今さら?」という感じ。台湾では伝統的にはあまり牛は食べないのですが、鶏のスープ「雞湯(ジータン)」が「食べる薬」なのは当たり前だったからです。

まあ、昔台湾の友人に
「優子はもっと鶏スープの価値を理解するべきだよ!」
ときっぱり言われて驚いたのがきっかけなんですけどね。

台湾では滋養をつけるものというイメージの方が強いんですが、鶏スープの「地位」は日本よりかなり高いと感じています。

台湾の鶏スープ▲私がよく行くチェーン店のスープ。漢方薬材も入っています。小さめの鍋にたっぷり入って200元(720円)前後。

鶏スープの力は1800年前に発見済み
スープをメインとして出す店がたくさんある台湾

中華文化の中で「雞湯(ジータン)」の滋養が認められたのは、今から約1800年も前のこと。「三国志」の英雄の一人・曹操(そうそう)のお抱え医師でもあり、後に道教で医術・医薬の神となった「華佗(かだ)」という人が名づけた「九戶雞湯」という鶏スープがあります。

華佗(かだ)の親戚の老婦人が危篤に陥り、高麗人参スープでも一時的にしか体調が改善せずにいたところ、烏骨鶏(うこっけい)のスープで回復して驚いた、という故事があるんです。

古代中国の名医で医学の神様・華佗(かだ)
▲華佗(かだ)。道教では神様として祀られてもいる

鶏スープの滋養が非常に高く評価されている台湾。台北には鶏スープで人気のお店がいくつもあります。

 

地鶏を丸ごと大鍋で煮込むこと12時間以上
体を芯から温め癒してくれる鶏スープ

「優子はもっと雞湯(ジータン)の価値を理解するべきだよ」と言われて連れて行ってもらったお店がこちらです。

台北・驥園川菜餐廳

一階のガラスの向こうには、湯気を上げる鶏スープの土鍋が並び、さらにその奥には巨大な深鍋がぐつぐつ煮えていました。

台北・驥園川菜餐廳

ここ「驥園川菜餐廳」の鶏スープは、地鶏を丸ごと10時間以上煮込みます。そこまで煮込むと肉は煮くずれてしまうので、まずはそれを漉します。そして後から新たに丸鶏を加え、さらに2時間煮てから提供しているそうです。テーブルに運ばれてきた巨大な土鍋入りの鶏スープは、ものすごい勢いで煮立っていました。大迫力!

台北・驥園川菜餐廳の土鍋鶏スープ
▲「土鍋地鶏スープ」はひとつ2160元(約7800円)から。でも8~10人分くらいありそう

とろみがあってポタージュスープみたい!鶏スープってこんなに濃厚になるのかと驚きました。普通の家ではとても作れない深い味わいです。鶏の栄養分が残らず抽出されたスープが胃腸にしみわたります。鶏の他には貝柱などの旨味もたっぷり入っています。

[SHOP INFO]
驥園川菜餐廳
住所:台北市敦化南路一段324號
電話:02-27083110
営業時間:11:30~14:00、17:30~21:30 旧正月の2日間を除き無休

 

厳選した漢方薬材を古来の製法で抽出
真っ黒な湯薬のような鶏スープはお椀1杯で酔う

台北・運鈍根湯[信義店]

「物言うスープ」という薬膳鶏スープが名物のこちらのお店は、漢方薬材が入ったタイプ。漢方薬材を蒸す→干すという作業を9回、9日間かけて精製しており、鶏は烏骨鶏を使用し、水分は米酒でとったものです。

よくよく煮込まれた真っ黒なスープですが、アルコール分は飛びきっておらず、お酒に弱い私は小さいお椀一杯で顔が真っ赤になってしまいました。漢方臭くはなく、無茶苦茶おいしいんですが。

台北・運鈍根湯の薬膳鶏スープ

鶏スープがメインであり、鶏スープをいただくために来るお店で、その他の野菜料理などはあくまでも脇役。このお鍋ひとつ(一人3杯で4~5人分)で7000元(約2万5300円)もするのですが、このとっておきの鶏スープをいただくために友人たちが集まりました。

台北・運鈍根湯にて
▲最初にスープだけが出てくるのは、空腹で飲む薬膳スープが一番効果的だからだそう

[SHOP INFO]
運鈍根湯 [信義店](その他3店舗あり)
住所:台北市大安區信義路三段152巷3號
電話:02-27063366
営業時間:17:00~22:30 日曜休
公式サイト(英語):http://www.udd.com.tw/en/

どちらの鍋も大きくてとても飲みきれませんが、台湾では残った分の持ち帰りが可能なので心配はいりません。

 

アミノ酸やミネラルたっぷりの鶏スープ
慢性疲労や虚弱体質、病後には積極的にとりたい

中医学的には、鶏肉は体をやさしく温め、体の精気を養ってくれる食材です。気を補い、血を巡らせてくれるため、虚弱体質、むくみ(水分代謝の衰え)なども改善してくれるといわれます。

鶏スープにはグリシンやプロリンなどのアミノ酸が豊富に含まれており、さらに、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルも豊富です。また、グルコサミンやコンドロイチン、コラーゲンも含まれています。

西洋医学の分野でも、炎症の改善、腸内環境改善、骨密度の増加、肌質や髪質の改善などが期待できるといわれているそう。

素材としてはお財布にも優しい鶏肉。できれば鶏ガラ、あるいは手羽元など骨がついた肉でスープをとり、鶏肉と一緒にいただく機会を増やしてみませんか? 「雞湯(ジータン)」、いいですよ~。

 

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松浦優子/台湾情報ライター/漢方養生指導士・漢方上級スタイリスト/東京都港区出身の40代。元Web広告ディレクター。現在は外国人向け日本語教師のほか、台湾経済ニュースの翻訳、ライターとして活動。一年のうち1カ月以上は台湾に滞在し、台湾の文化や歴史、中医学(漢方)の養生法など、気になるテーマを探求中。インドア派、愛猫家。台湾で得た一番の宝物は、あたたかい台湾の人たちとの友情とご縁。

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