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新鮮!摘みたてを丁寧に作った菊花茶は、目・喉トラブルのおいしい味方

台湾ではジャスミン茶より身近な菊花茶
「茶葉なし茶」の種類はさまざま

ウーロン茶が有名な台湾ですが、意外にもあまり見かけないなあと思ったのはジャスミン茶です。その代わりに、レストランなどで無料提供されるお茶に多いのが「菊花茶」。台湾に暮らすまではほとんどなじみのなかったお茶です。

ジャスミン茶は、茶葉に花の香りをつけた「フレーバーティー」にあたります。西洋のアップルティーとか、ベトナムのロータスティー(ハス茶)、日本の玄米茶もそうですね。

でも、台湾では必ずしも「お茶=茶葉」ではなくて、色々な素材の「お茶」があります。例えば、ナツメ茶、クコ茶、冬瓜茶、黒豆茶、そして菊花茶もそうです。茶葉が入っていないのに「お茶」と呼ぶものがすごく多くて、初めはちょっと違和感があったくらいです。

ナツメとクコのお茶
▲ナツメ+クコ+黒糖少々の「紅棗枸杞茶」。これも「お茶」です

台湾唯一の菊花茶の産地へ
雪のようにふわもこな白い杭菊

「菊花茶」に使われる菊の花には非常にたくさんの種類がありますが、薬用菊として有名なのは「杭菊(こうぎく)」(別名:甘菊)といいます。

杭菊の主な栽培地は中国の浙江省で、台湾で流通している菊花茶も多くは中国からの輸入品だそう。でも、台湾に一ヶ所だけ、杭菊を栽培している場所があります。苗栗県・銅鑼郷九湖村です。清らかな水に恵まれ、日当たりが良く、霧が多く発生するという地理的条件が杭菊の栽培に適しているといいます。

台北からあえての各駅停車でトコトコと2時間半あまり、電車が銅鑼駅に近づくと…あった!!白と黄色の菊のじゅうたんが広がっています!

車窓から見えた台湾苗栗県銅鑼郷の杭菊畑
▲車窓から見えた菊花の畑

「杭菊」というのは基本的に白いものを指しますが、黄色い花もあって「黄杭菊」と呼ばれます。ここで栽培されているのは白と黄色が主です。見晴らしのいい広々とした畑と青空、気持ちいい~。

台湾・苗栗県銅鑼郷九湖村の杭菊畑

「ちょっと来るのが遅かったよ」と、現地の友人が言いました。あくまでも農作物なので、満開になったところでどんどん収穫してしまうのですね。

台湾・苗栗県銅鑼郷九湖村の杭菊(収穫然後)
▲こういうことです。右は既に収穫済み

あと一週間早かったら最高にきれいな景色だったのに!と残念がっていた友人ですが、生まれて初めて見る生の杭菊に私はすっかりテンションが上がっていました。白い花が、雪が積もったみたいにぎっしり咲いてる~!か、か、かわいい!!

台湾・苗栗県銅鑼郷九湖村の杭菊(収穫中)

日本でよく見かける菊とは違って、杭菊は小ぶり。花びらのつき方はピンポン菊と同じで、直径3cmほどの半球型をしています。遠くから見るとふわふわ・もこもこですが、間近で見ると小さな花びらが繊細で、白い花の中心がほんのり黄色くてかわいいです。摘んでしまうのがもったいないくらい。

杭菊花

もちろん、収穫は完全に手作業。花びらを傷めないように気をつけながら花の部分だけを茎から折り取っていくのですが、さすが皆さん手慣れています。私も少しだけ体験させてもらったのですが、力加減が微妙で非常に神経を使う作業でした。

収穫された杭菊

熟練のスピードで収穫され、袋に詰められた新鮮な杭菊は、近くの加工工場に運ばれて乾燥され、菊花茶になります。

 

摘みたての菊花を丁寧に熱風乾燥
12時間かけてやっとできる菊花茶

私が訪れた11月下旬は杭菊の収穫まっさかり。工場もフル稼働中でした。ずらっと並んだ巨大乾燥機からは、ゴーーーー!という大きな風の音がしています。熱い空気が充満した工場内にはいい香りが漂っています。菊花茶を淹れた時の香りよりもさらに甘みの強い、濃厚な香りです。これはここじゃないと体験できない香りだわ。

まず、収穫した生の杭菊の花を乾燥機の金網の上に均一に広げていきます。鮮花なので重たくて大変そう。

杭菊を乾燥機に入れる

杭菊を乾燥機の金網の上にならす

金網の上に花を広げたら、上からシートをかぶせ、下から熱風を送ります。

杭菊の乾燥機▲カバーのかかった真ん中の2台が乾燥中。下から熱風が吹き上げ、カバーが膨らんでいる

「乾燥されて、菊花茶になるまでにどれくらいかかるんですか?」と尋ねたところ、返ってきた答えはなんと12時間!!半日もぶっ通しで熱風に当て続けるんだそうです。

並んでいる機械を順番に稼働しているので、生花を広げてセットする作業が終われば、別の機械では乾燥済みの菊花を取り出す作業が始まります。

4~5人がかりでぎっしりと並べた生花は、乾燥すればたった2人で持てるほどのボリュームにまで減ってしまいます。花の大きさも、元の半分以下にまで縮んで小さくなっています。白い花は黄味がかった色に変わっていました。

乾燥完了した杭菊

カラカラに乾いた杭菊は驚くほど縮んでいる
▲カラカラに乾いた杭菊は元の半分以下の大きさに縮む

乾燥は機械で行うものの、その他の作業は人力。大変な仕事です。

新鮮な菊花茶は驚くほどの香り高さ
漢方薬材にもなる杭菊は、目と喉によい

作りたての菊花茶を試飲させてもらって、おどろきました。
なんていい香りなんだ…!こんなおいしい菊花茶、初めて飲みましたよ。
乾燥された小さな杭菊から香りと風味が一気に吹き出してくる感じです。やっぱり新鮮なものはおいしいんだなあ。なんというか、エネルギーを感じます。

杭菊茶
▲菊花茶。やや透き通った繊細な花びらが美しい

白い杭菊はりっぱな漢方薬材で、疲れ目・かすみ目に処方される漢方薬「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」にも配合されています。ここ銅鑼郷九湖村で作られた杭菊も製薬メーカーに納品されているそうです。

杭菊

白い杭菊の効能と言えば、目に良いこと。中医学的に言うと、五臓の「肝」と「肺」に作用して、充血や熱を抑えてくれるとされます。

同じく目に良い漢方素材であるクコ(枸杞)の実と一緒にお茶として飲むことが多いです。杭菊にはわずかな苦みがあるので、クコの甘みが加わるとさらにおいしくなります。香りにはリラックス効果もありますよ。

黄色い黄杭菊の方は充血をとる作用が白い花よりも強く、風邪で喉が腫れている時などに飲んでも良いのだそう。黄杭菊のお茶は色も濃く、苦みも強めです。

黄杭菊

黄杭菊茶
▲本当に真っ黄色の黄杭菊茶

台湾産の菊花茶は産出量が少なく日本ではなかなか手に入りにくいのですが、一般的に菊花茶を選ぶときの品質チェックポイントは以下の通りです。

・見た目:花の形が完全で、花びらが取れたり崩れたりしていないもの。
・色:花びらに黒い斑点(カビなど)がないこと。白い杭菊も乾燥するとクリーム色っぽいのが正常です。白すぎるものは化学的に漂白されている可能性があるので避けた方がいいそうです。
・淹れた時:香り高く、お茶の色が澄んでいるもの。
買う時:キクは農薬が残留しやすい植物なので、信頼できる産地・製造元のものを選ぶこと。台湾には、難しい有機栽培にこだわっている農家さんもいます。

スマホやパソコンで目を酷使しがちな今の日本人に、ぜひおすすめしたい菊花茶。茶葉は入っていないのでノンカフェインで、寝る前にも飲めますよ。
産地を訪れてみて、一杯の菊花茶には杭菊の薬効と旨味、そして農家さんの愛情がぎゅーっと詰まっていることが実感できました。

杭菊畑で記念写真する私
▲丹精込めて作られた台湾産杭菊の菊花茶、おいしいです!

 

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松浦優子/台湾情報ライター/漢方養生指導士・漢方上級スタイリスト/東京都港区出身の40代。元Web広告ディレクター。現在は外国人向け日本語教師のほか、台湾経済ニュースの翻訳、ライターとして活動。一年のうち1カ月以上は台湾に滞在し、台湾の文化や歴史、中医学(漢方)の養生法など、気になるテーマを探求中。インドア派、愛猫家。台湾で得た一番の宝物は、あたたかい台湾の人たちとの友情とご縁。

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