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柏市「にじいろ救命女子」結成

柏市「にじいろ救命女子」結成

女性消防士が自ら活動をPR

左から中村さん、伊藤さん、髙澤さん。「にじいろ救命女子」のチームフラッグとともに

 男性のイメージが強い消防の世界ですが、柏市消防局では今年3月、救急隊・消火隊として最前線で働く女性隊員が立ち上がり「にじいろ救命女子」を結成しました。消防では女性が必要であり女性が活躍できることを自ら発信し、伝えていく13人のチームです。その取り組みについて柏市消防局の伊藤政則さんと発足メンバーの高澤夏子さん、中村知可さんにとことん、聞いてきました。

救急現場の高澤さん。「24時間交替勤務では勤務時間がきちんと定まっているので、非番や休みの日が有効に使えて、メリハリのある働き方ができます」(柏市消防局提供)

「現場では難しい対応に迫られることもありますが、学生のころからなりたいと思っていた職業に就けてよかった」と中村さん

女性消防士の存在を多くの人に広く知ってもらいたい

救命の仕事は肉体的にハードという認識からか、男性でないと難しいという印象を持つ人が多いようです。実際、柏市の女性救急隊員数は千葉県内消防では最多ではあるものの、まだまだ少なく、すべての救急車に女性を配置できるほどではありません。

市民に未だ馴染みが薄い女性消防士。「女性がいるんだ」「大丈夫?」…。高澤さんや中村さんたち女性が救急車で駆け付けると、驚かれたり心配されたりすることがあったそうです。

一方で「女性が来てくれてよかった、安心できた」などと歓迎の声があることも事実。「まずは消防で働く女性の存在を知ってもらうこと」。救急課長の伊藤さんは改めて強調します。

虹が描かれたチームロゴ。七色に情熱(赤)、陽気(橙)、希望(黄)、穏やか(緑)、冷静(青)、思慮深い(藍)、癒し(紫)の思いを込めて。救急車両などに貼っています

「“にじいろ”というネーミングには私たちの思いを込めました」と高澤さん

「にじいろ救命女子」誕生!

「女性消防士が人前に出て話すことが大切」。伊藤さんがこう語る通り、「にじいろ救命女子」は、女性消防士が現場活動の傍ら、自らPR活動を行う全国でも珍しいチームです。救急車に乗る救急隊員の10人と消防車に乗る消火隊員の3人がメンバーとなり、ひなまつりの3月3日に誕生しました。

高澤さんは「“にじいろ救命女子”という名称は女性消防職員による検討会で決めました」と話します。「に・じ・い・ろ」とは、「にこにこ笑顔で、情熱と、癒しの心で、老若男女に安心を」の各文節の頭文字。活動スローガンにもなっています。

「にじいろ救命女子」は結成以降、チームフラッグやステッカーを作ったり、マスコミの取材に積極的に応じたりと、認知度の向上に努めてきました。地域の人々に対しても、救急や防災の正しい知識を学んでもらうとともに女性消防士を身近に感じてもらえるよう、乳児と親の集いの場や小中学生を対象としたジュニア救命士講座などに直接出向く活動を実施。また、ネットによる情報発信に力を入れており、消防士を目指す女性たちへのメッセージや隊員の体験談などを綴ったブログを公開しています。

勢揃いした「にじいろ救命女子」メンバー(発足時)。後列左から1番目が中村さん、同3番目が高澤さん(柏市消防局提供)

「女性がいてよかった」と感じてもらいたい

火事や救急の危険から救助される人たちは、当然男女半々です。男性隊員には話しづらい症状や見せたくない状況が救助される側にあるかもしれません。そんな時、女性隊員が対応することにより、不安を和らげることが可能になります。男性隊員にとっても、女性を救急搬送するときに、とまどったりためらったりするケースが考えられます。

消防全体のサービス向上のために今や女性の存在は不可欠です。「救助する側に女性が必要」。伊藤さんはこれを伝えることも「にじいろ救命女子」の大切な役割と言います。

全国、千葉県、柏市の女性消防吏員の割合(2017年4月1日現在)。柏市消防局提供データをもとにとことん行政編集部で作成

「消防で働きたいという女性たちに情報を届けたい」と伊藤さん、高澤さん、中村さん

消防で働く仲間を増やしたい

柏市の消防吏員(しょうぼうりいん、階級を有し制服を着用し勤務する消防職員)の女性比率は4.4%で、20人に1人満たない状況です。全国の2.5%よりは高く、女性が1人もいない消防本部が3割以上もあるとはいえ、とても十分とは言えません。女性消防士を増やしていくこともまた「にじいろ救命女子」の欠かせない役目です。

そのためにハードルとなるのは、長い間圧倒的に男性が占めてきた消防署そのもの。女性が安心して働けるように女性専用のトイレや仮眠室が設置されなければなりません。全国には整備が追い付かず女性の採用ができないという自治体もあります。「私の所属する西原分署ではちゃんと鍵のかかる個室で仮眠できます。柏市は整備されている方だと思います」と中村さん。

柏市の女性消防士の人員配置(再任用を含む、2017年4月1日現在)。柏市消防局提供データをもとにとことん行政編集部で作成

国道16号沿い、松葉町にある柏市消防局

多様なロールモデルを共有しよう

設備面だけでなく、同性のお手本とする先輩や相談できる同僚がいることも、職場環境の一つとして重要です。柏市の女性消防士は、1971年の3人採用に始まり、女性の深夜労働を可能にする法改正後の1999年に交替制勤務の職員が誕生。2005年には高澤さんたち3人の女性初の救急隊員、また同年に女性管理職も誕生しました。

現在女性消防吏員は22人で、「にじいろ救命女子」を担う交替制勤務の女性は13人。高澤さんのように子育てしながら仕事を続ける女性や、定年退職後に再任用で働く女性もいます。消防を志す女性たちにとって多様なロールモデルが整いつつあります。

「女性の職業としての消防」に関する情報は、全国的にみてもほとんどありません。各地の消防研修会に立ち会う機会のある高澤さんは「全国的に女性ゼロの消防本部をなくすよう“にじいろ救命女子”のネットワークを広げていきたい」と話します。最終的な目標は「女性がいて当たり前」になること。「“にじいろ救命女子”の情報発信がこれから就職先を選ぶ若い女性たちに届き、消防を選択肢の一つとして考えてもらえるように」と、伊藤さんたちは願っています。


問い合わせ:柏市消防局救急課 TEL:04-7133-0118
にじいろ救命女子ホームページhttp://www.city.kashiwa.lg.jp/fdk/3501/rainbow_girls/index.html

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