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今年の海の日は7月15日「海ごみになる前に回収しよう」

  • 2019/07/11 UP!

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みずしま財団 理事
塩飽(しわく)敏史さん

  ペットボトルやレジ袋、商品の包装…私たちの生活を便利にしてきたプラスチックが、海の中でごみになり問題になっています。7月第3月曜は海の日。自分にできることを考え、始めませんか。海ごみの調査や啓発に取り組む「みずしま財団」の塩飽敏史さんに話を伺いました。


このままではごみが魚を上回る?


海底ごみの種類別個数割合
みずしま財団調査

なぜ海ごみが発生するのでしょう。大きな原因は、ごみが適切に捨てられていないこと。川や用水などにポイ捨てされた容器やレジ袋は、海に流れ込みます。道端に捨てられた場合も、風に吹かれたり雨に流されたりして川に入るものもあり、最終的に海に流れ込むことになります。
海ごみは大きく分けて、①海域に流出し、海面や海中を漂う「漂流ごみ」②海岸に流れ着いた「漂着ごみ」③海底に沈んで堆積した「海底ごみ」―の3種類です。
さまざまなごみがありますが、海底ごみを調査した結果、プラスチック類のごみが最も高い割合を占めています。平成28年のダボス会議(世界経済フォーラム)では、2050年までに海洋中のプラスチックの量が、魚の量を上回るという衝撃的な試算も発表されました(重量ベース)。

紫外線などで劣化するプラスチック

特に、近年、大きな問題として浮上してきたのが、海洋中のマイクロプラスチックです。これは、5㎜以下の微細なプラスチックごみのこと。プラスチック製品は、紫外線の影響や波による物理的破損・摩耗などさまざまな要因で小さくなっていきます。紫外線も一つの要因。外に出しっぱなしの洗濯ばさみがボロボロになりますよね? 原料に化学薬品を添加して丈夫にしていますが、紫外線で化学薬品が抜けていき、劣化してもろくなっているのです。広い海の中でマイクロ化してしまうと回収はほぼ不可能。さらに、小さくなればなるほど有害化学物質の成分と吸着しやすいという特徴もあります。

回収のための仕組みづくりが必要

この大きな問題にどう対処したらいいのでしょうか。
まずは、すでに海に出てしまったごみを回収すること。従来は、漁業で網にかかったごみを処理するためには漁業者が代金を払わなければなりませんでした。そこで、みずしま財団では、漁業者のごみ回収にかかる負担の軽減を提言。財団からの提言などを受け、岡山県は平成15年から「海底ごみ専用ステーション」を、岡山市、倉敷市、瀬戸内市、笠岡市など沿岸7市に13基設置。一般廃棄物として無料で処理される仕組みができ、10年間で約300tのごみが回収されました。この取り組みが広がることが期待されます。
しかし、いったん海に出てしまったごみを回収するには大変な労力と費用がかかります。また、マイクロプラスチックはほぼ回収不可能です。溝、川、道端などの身近な場所で、手の届く範囲で、早い段階でごみを回収していきましょう。
例えば、河川敷の草の中にかくれたり、からまっているごみがたくさんあります。草刈りをするときに同時に拾えば、海に出る前に効率よく回収できます。河川の草刈りを業者委託にしている場合、ごみ回収も含んだ依頼にしてはどうでしょうか。ボランティアだけに頼らない仕組みをつくることが大切です。
発生源を断つことも重要。プラスチックは私たちの暮らしと切っても切れないものですが、1回限りしか使わないものは初めからもらわないなど、すぐにできることはたくさんあります。世界の多くの国々が使い捨てプラスチックの使用削減に向けて動き始めた今、日本でも、企業、政府、市民が一緒になって、使い捨て社会から持続可能な社会に転換する時がきています。


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イラスト/銀杏早苗 みずしま財団提供資料より作成

❶海ごみはどこからやってくるの?
川にぷかぷか浮かんでいるごみは、やがて海に流れ込んでいきます。道端に落ちているごみも、風に吹かれて川に入り、川から海に流れ込むものもあるので、海ごみ予備軍です。

❷海に出たら回収が大変!内陸部で回収しよう
排水路・用水路、水門など小規模な場所や、町内会の清掃や草刈りのときに拾うと、海に出るのを防ぐことができます。また、ごみが捨てられている場所は次のごみを呼び込むので、ごみを拾うことでごみ減らしにつながります。

❸瀬戸内海のごみの現状
瀬戸内海は閉鎖性海域。他国からのごみは少なく、ほぼ沿岸域の県から出た生活ごみです。本州側からが多く、岡山のレジ袋や岡山の食品包装袋など、岡山のごみも、他県の沿岸で多数見つかっています。

❹すぐできることがあるマイクロプラスチック減らし
紫外線や高温で劣化し、5mm以下になったマイクロプラスチック(MP)の回収はほぼ不可能。海中の10万個のMPは重量で約10g。海岸や河川敷でペットボトル1本(約30g)を拾えば、海中の30万個のマイクロプラスチック(約30g)が広がるのを防ぐことに。


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