カモメ流ストレッチ(対談)

  • 2019/01/28 UP!

「岡山シーガルズ」吉田選手、楢崎選手×「朝日医療大学校」多賀先生が対談

何とかしたい〝凝りや痛み〟
効果的なストレッチとは?

 岡山リビング新聞社が発行する「カモメ流ストレッチ」。今回、ストレッチを監修した朝日医療大学校の多賀一浩先生と、モデルを務めた岡山シーガルズの吉田みなみ選手、楢崎慈恵選手が日常のストレッチなどについて話をしました。

ストレッチで筋肉を伸ばし
血行を良くして筋肉負担を減らす

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― 岡山リビング新聞社でストレッチに関するアンケートを実施したところ、90%以上の人が日常で「凝りや痛み」を感じていました。痛みを感じているほとんどが首・肩・腰でした。その大半の人が何らかのストレッチをしているという回答だったのですが、多賀先生、そもそもストレッチとはどういったものなのでしょうか。
多賀先生 一言でいうと、筋肉を伸ばして血行状態を良くする。筋肉を柔らかくして、筋肉に負担がかからないようにする、そういったものです。

― ただ、アンケートによれば、実際にストレッチをしても「効果があった」という人は少なく、「効果があったように感じる」という人が非常に多かったです。それはなぜなのでしょうか。単に実践するストレッチのやり方が間違っているのでしょうか。
多賀先生 おそらく「効果を感じない」、「感じ方が薄い」という人は、どの筋肉をターゲットにしているのか、どの目的に応じて時間配分しているのかといったところが間違っている、あるいは、ストレッチをする時の伸ばし方に一工夫足りない場合が多いのかなと思います。結果として効果を感じにくいのだと思います。

― お2人の選手に伺いますが、バレーボールの選手は首や肩が凝ることはあるのでしょうか。
吉田選手 私はあまり肩こりはありません。
楢崎選手 私は肩こり感じます(笑)。
多賀先生 バレーボールに限らずですが、肩周りの筋肉をたくさん使うスポーツの選手は筋肉をいっぱい持っているので、肩こりになりにくいと言えますが、楢崎選手の場合はリベロで、アタックをするなど肩周りの筋肉を使う機会が少ないので、肩こりがあってもおかしくないと言えます。

― 普段の練習でお2人はストレッチを取り入れていますか?
吉田選手 はい。練習前と後、休憩時間にもストレッチを取り入れています。練習前と後には2人組になって腸腰筋や腰などを一通り丁寧にしっかりと取り組んでいます。時間がない時は、硬いところだけを取り組みます。
楢崎選手 練習前は伸ばす・縮めるといったダイナミックな動的ストレッチをして、練習後は静的なストレッチをしています。
多賀先生 スポーツ選手のストレッチの意味合いと、一般の方のストレッチの意味合いは全然違います。スポーツ選手の場合は、怪我の予防やスポーツで生じた痛みの改善といった意味があると思います。今回、スポーツ選手のストレッチを一般の方がするストレッチにどう落とし込んでいくのかが面白い作業でした。それこそ、人によって違うし、秒数も違います。
痛みは筋肉を使い過ぎることと、使わなさ過ぎることの両方から生じます。例えば、テレビをだらっと座って見る姿勢が楽な姿勢かと言えば、意外にしんどかったりします。長時間同じ態勢でいると、筋肉をずっと使っているところと使っていないところが混在するようになります。それによって骨のズレが生じて痛みが起こるのです。スマホを見るときやデスクワークをするときの姿勢は、首の後ろ側の筋肉を使い過ぎますが、反対側の筋肉はまったく使われていないということが起こります。使い過ぎることと使わなさ過ぎることの両方が混在することで痛みが出るのです。

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左から「岡山シーガルズ」の吉田みなみ選手(レフト)、楢崎慈恵選手(リベロ)、朝日医療大学校の多賀一浩先生

― 実際にスポーツ以外で凝りや痛みを感じることはありませんか?
吉田選手 あまり凝りや痛みを感じることがないのですが、朝起きてすぐは体に違和感や筋疲労がある場合もあります。それから、遠征のとき、バスや新幹線など長距離移動で座りっぱなしになると腰が痛いときもありますね。そういう時は、宿泊先で丁寧にストレッチするようにしています。
楢崎選手 私は姿勢が悪く、体質的に首が前に出てしまい猫背です。普段はできるだけ胸を張るように心掛けています。
多賀先生 姿勢はとても大事ですよね。今回の本にも猫背のプログラムも取り入れています。猫背の場合は、腰に原因があることもありますし、肩甲骨周りに原因があることもあります。ただ胸を張るだけではしんどいので、具体的に楽に正しい姿勢に導けるようにプログラムを組んでいます。目的別にストレッチを組み合わせていくと、日常生活が変わるのではないかと思います。

― 本で紹介する「カモメ流ストレッチ」の内容を教えてください。
多賀先生 一番は本格的なストレッチですが、仕事の合間の小休憩の5分間でできる手軽なプログラムになっています。一コマ一コマ、ストレッチをする上での一工夫の部分はコマ取りして、写真で分かりやすくなっています。猫背や腰痛などの問題がある人向けに、痛みの成り立ちについても解説しています。
例えば肩こりの場合、硬くなった肩に原因があると考えがちですが、硬くならざるを得なかった元々の原因を探ります。ストレッチはただ伸ばすのではなくて、筋肉に刺激を与え、使われていなかった筋肉を働かせることで、痛みが出にくい環境を整えたり、姿勢をよくしていったりします。

― お2人には実際に撮影のため「カモメ流ストレッチ」を体験していただきましたが、いかがでしたか?
ます」
吉田選手 これまではよく使う下半身のストレッチが多く、上半身を動かすストレッチをあまりしてきませんでした。しっかり丁寧にすれば動きやすくなるのだと思いました。その後、撮影をきっかけに肩周りなど重点的にするようになりました。
楢崎選手 私は股関節周りのストレッチをしました。たぶんチームで一番股関節が硬いのですが、正しい方法でストレッチをすると、前に倒すだけでも難しく、その姿勢をキープするだけでも大変でした。汗をたくさんかきましたね。
多賀先生 全身から汗をかいたのではないでしょうか? 今回のストレッチは筋肉をただ伸ばすのではなく、伸ばしている筋肉があるのと同時に、違う筋肉は止まっていないといけないようにプログラムしました。止まっているところはとても筋肉を使い、エネルギーを消費したのではと思います。ただ、シーガルズの選手がストレッチをすると動きがきれいで、やっぱりスポーツ選手だな、と感心しました。
実はストレッチはやり過ぎるのも良くありません。やり過ぎるとパフォーマンスが下がりますし、新しい痛みを作り出すこともあります。

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ストレッチの重要性を語る多賀先生

「痛い」より少し突っ張るぐらいの強度がベスト

― この本を使ってストレッチをする時の注意点はありますか?
多賀先生 ストレッチをする時、伸ばしているとまだまだ伸びると思って、さらに伸ばしてしまいがちです。今回の工夫点は、決めたところでピタッと止めて、それ以上筋肉を伸ばさないことです。ここが一番のポイントで、今までの概念にないものだと思います。
息を吐きながらではなく、極端な話、呼吸を止めてストレッチするよう指導します。筋肉の中の繊維が呼吸によって伸び縮みしないように意識して、それくらいピタッと止めてください。
また、長時間するよりも「効いているかな?」と感じる程度でいいのです。「痛い」と感じるのではなく、少し突っ張るくらいの強度で止めると効果的です。
楢崎選手 今までは息を吐きながらストレッチをしていましたが、今回は静止する部分が多く、このやり方の効果を実感しました。
多賀先生 いろいろなやり方があって否定するわけではないのですが、あくまで今回のストレッチのやり方はピタッと止めることにポイントがあります。
神経系の働きを意識して、体の機能をしっかり理解してやると、ちょっとした一工夫で動きがまったく変わってきます。筋肉の繋がり方を考えると、例えば、美容師さんで肩が凝る人もいますが、手先でハサミを操作することから腕こりが原因で肩こりが起きます。
同じように、足がよく凝るので足のストレッチをするのではなくて、凝りの原因がどこかを探り、目的に合ったストレッチを取り入れると効果を感じやすいと思います。きちんと一人ひとりに合ったプログラムを組めば、ストレッチで痛みを取ることもできます。
全員が同じ内容のストレッチをするのではなく、それぞれの目的に合わせた上で、吉田選手はこういうプログラム、楢崎選手はこういうプログラムといった個人に合わせた内容にすると、効果的でパフォーマンスを上げることも可能だと思います。
この本では腰痛や肩こりなど代表的な痛みに合ったストレッチを紹介しています。
楢崎選手 ぜひ、私に合ったストレッチのプログラムを組んでほしいです(笑)。
多賀先生 スポーツ選手の場合は過剰に筋肉を動かすことで痛みが生じる場合が多いのですが、一般の人は違います。今回の企画では、スポーツ選手がするストレッチをどう一般に落とし込んでいくかが面白いところでした。ポイントは意識して動きを止める点です。

毎日少しずつ運動する習慣を付けてより健康に

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今年から始まるVリーグに向けて熱い抱負を語る吉田選手と楢崎選手

― 最後に読者へのメッセージをお願いします。
多賀先生 家でストレッチをするのはしんどいですよね。やろうと思ってもなかなか出来なかったりします。今回は1日5分間、手軽にストレッチを行うだけで効果が出るというコンセプトです。たった5分行うことで運動にもなりますし、痛みを取るために筋肉の柔軟性を高めることにもつながります。一般の人が行うと、おそらく汗が出るほどの運動量になります。それを通じて運動する習慣を付けて、より健康になっていただきたいと思います。

― 今年から新しいVリーグがスタートします。それぞれの試合に懸ける思いを聞かせてください。
吉田選手 昨年はチャレンジリーグでチーム全員がいろいろな経験を積むことができました。新リーグでは成長した姿をみなさまにお見せして、優勝を目標にしていきたいです。ベテランと若手がそれぞれの良さを生かしていけたらと思います。
楢崎選手 個人的なのですが、大事な時にコートに立って自分の武器であるサーブカットを決める。レシーブの時でも正確にあげていって、チームに貢献できたらと思います。

― 皆さんのご活躍でチームが躍進することを期待しています。
本日はありがとうございました。

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