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アクティブ・ラーニングって!? “どう学ぶか”が変わる学習指導要領改訂のポイント

学習指導要領改訂のポイント
わる高校教育
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 高等学校の学習指導要領の改訂は、2019年度から移行期間が始まり、2022年度から年次進行で実施されます。その中には耳慣れない科目名もたくさん。改訂のポイントや能動的な学習方法“アクティブ・ラーニング”について教えてもらいました。

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教えてくれた人
兵庫將夫さん

「元・校長先生の教育ウオッチ」連載中。

ちょこっと紹介
【論理国語】
 国語科の再編で、選択科目は「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」の4つに。「論理国語」では実社会で必要な、論理的に書いたり批判的に読んだりする力の育成を目指します。例えば、「ゆえに」「すなわち」などの論証に使われる接続詞や「定量・定性的」「蓋然性」などの学術的な用語を学び、基礎を養います。書くことでは、さまざまな情報をマトリックス図などで可視化しながら整理することや、読み手を説得できる効果的な論述などを学びます。読むことでは、契約書や法令文なども題材になりそうです。
【歴史総合】
 「地理総合」とともに新設される、地理歴史科の必修科目。これまでは、世界史と、日本史または地理が必修でした。「歴史総合」は、世界と日本を分けることなく、近現代の歴史に特化しています。地理的条件も考慮して多角的・多面的に歴史をとらえ、文化遺産や博物館の調査・見学なども行いながら、さまざまな資料を活用することを学びます。「近代化」「国際秩序の変化や大衆化」「グローバル化」を軸に、過去からつながる現代の課題を考察することで、平和で民主的な国際社会の一員としての資質を育てることが目標です。
【公  共】
 選挙年齢の引き下げなどを踏まえ、社会に参画する力を育むために新設される、公民科の必修科目。法・政治・経済のさまざまな主題(多様な契約や消費者の権利と責任、司法参加の意義、国家主権・領土、職業選択、金融の働きなど)について、日常の具体的な事例と関連付けた討論や、模擬裁判などの体験を通して学びます。例えば「少子高齢化に伴う人口減少」など、“持続可能な社会づくり”に向けた課題を見つけて資料を集め、論述する探究学習も。環境保護や生命倫理、男女共同参画社会、メディアリテラシーなども扱います。
【理数探究】
 これまで専門学科のみに置かれていた「理数科」が、普通科にも共通の教科として新設され、「理数探究基礎」と「理数探究」の2科目に(選択科目)。大学などと連携しながら、教科の枠にとらわれず、新たな価値の創造に挑戦します。
【家庭基礎】
 家庭科は、再編された「家庭基礎」と「家庭総合」のいずれかが必修。生涯の生活設計、家庭に関する法、伝統的な生活文化、防災、家計管理や消費行動を学びます。乳幼児との交流や車椅子の操作などの実践的な学習も。
どうして学習指導要領改訂される?
共通一次世代の記者画像が兵庫先生画像に聞きました
―えっ⁉ 親には、いい大学に行って、いい会社に就職するためにがんばれと言われましたね。
 そうですね。でもそれだけでしょうか。現在の社会は、想像以上のスピードで科学・技術が発達し、情報化・グローバル化が進んでいます。学んだ知識だけでは答えが出ない、過去の方法を踏襲していてはうまくいかないことも増えています。これからの“超スマート社会”では、人工知能が多くのことを行えるようになります。そんな中で人間は何をすればよいのか。変化に柔軟に対応できて、新しい価値を生み出せる人が必要とされています。そのために、さまざまな問題を自分の頭で考えられる土台を築くことが、勉強だと思います。
―なかなか難しそうです。
 新学習指導要領では、「知識・技能」の質を高め、その知識・技能を活用するための「思考力・判断力・表現力など」を養い、「学びに向かう力、人間性など」を育むことが重視されています。その中でも特徴は、「何を学ぶか」よりも「どのように学ぶか」です。アクティブ・ラーニングの視点から、「授業改善」が求められています。
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―学びを深めることと各教科の学習との関係は?
 各教科で培った感性を基に、自分の思いや考えを深め、新たな価値を創造していきます。そのためには、各教科の特質に応じた物事の「見方・考え方」を身に付けることがとても大切です。
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2022年度から新しい教科書に
―選挙年齢が18歳になったことも関係しているのですか?
 もちろんです。2022年には成人年齢も18歳に引き下げられます。「国家・社会の責任ある形成者として、自立して生きる力を身につける」ために、「公民」「家庭」などで、主権者教育のほか、消費者教育や防災教育の充実も図られています。
―いろいろな面で変わるのですね。
 おおむね10年ごとに見直されてきた学習指導要領には、それぞれ「基礎学力の習得」「ゆとり」などの重点の違いはありましたが、今回は、その延長ではなく、フェーズが変わった、という印象です。
―変更の時期は?
 2019年度から移行期間が始まり、新しい教科書は2022年度の1年生(現在の小学6年生)から使われます。すでに授業改善を進めている学校も多いでしょう。なお、2019年度からは、「高校生のための学びの基礎診断」(*)を導入する学校もありそうです。
―高校を選ぶときにはどうしたらよいですか?
 各校の方針や教育計画は、ホームページやアドミッションポリシーなどを参考にしてください。“未来の創り手”の育成を、社会としても考えていきたいですね。
(*)高校生のための学びの基礎診断
 基礎学力の定着度を測るために創設され、文部科学省が基準を満たした民間の試験を認定する制度。2019年度から利用が始まります。国・数・英で、9団体25種類の試験が認定されていて、各学校が必要に応じて選び、活用することとなっています。

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