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英語で理科の授業!? 全国初の公設民営 大阪市立水都国際中学・高校を訪問

英語理科授業!?

\全国初の公設民営/
大阪市立水都国際中学・高校を訪問

 4月に開校した大阪市立水都国際中学校・高等学校は、全国初の公設民営中高一貫校(設置:大阪市、運営管理:大阪YMCA)。中学校の選抜は80人に対して6倍以上と関心を集め、国際バカロレア(IB※)の導入も話題です。中学校の授業を見せてもらいました。
※国際バカロレアは、国際的に通用する教育プログラム。同機構に認定された学校で、16歳〜19歳対象の「ディプロマ・プログラム」を学び、資格を取得すると、世界各地の大学の入学資格を得られます。

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入学後1カ月とは思えない! 英語でのやりとり

 住之江区の南港エリアにある水都国際中・高。5月上旬のある日、中学校1年2組の理科の授業にお邪魔しました。
 BGMが流れる生物実験室に入ってきた生徒たちは、準備室で稼働中の3Dプリンターをのぞきこんだり、「今日は何するの」と先生に質問したり、どこか楽しそう。チャイムが鳴ると、教員の特別免許状を持つ理科主任のギルバート・カーソンさんを中心に、英語での授業が始まりました。
 エネルギッシュなカーソンさんの言葉に生徒たちはすぐに反応。時折笑いも起こります。“What’s living(生き物とは)”の定義に関わる「Metabolism(代謝)」などの単語が示されると、ノートに書き写すのではなく大きな声で復唱。解説の難しい部分は、理科教員の原田有さんが日本語で補足します。「それじゃあこれらは生き物?」と、細菌や心臓などの写真を見て、グループで話し合い。後半は、校庭の池の水を採取し、ホワイトボードに投影した電子顕微鏡のライブ映像で、動く微生物を観察しました。
 授業中の質問や移動の指示もすべて英語。しっかり聞き取って、戸惑うこともなく積極的に参加する姿は、入学後1カ月とは思えませんでした。

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考えをきちんと伝えるための独自授業も

 同校独自のカリキュラム「グローバルスタディーズ(国際理解)」も見学。来年4月に導入予定のIBは、高校2・3年生用のプログラムですが、IBが価値を置く人物像を意識して、根拠を持って自分の考えを伝えるための授業が、すでに行われていました。
 「理科・数学などの英語で行う授業には、日本人教員のほか、英語指導助手が一人一人の理解度を把握してサポート。担任も外国人と日本人の2人体制で、日常に英語があふれています」と教頭の美鳥佳介さん。「多様な人と協働して新しい価値観を創造できる力を育むことが教育目標です」

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学校図書館にはさまざまな洋書も並びます

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校章は“海を渡り 世界に羽ばたく海鳥”がモチーフ

\学校の設置者に聞きました/

 私立に多く見られる中高一貫教育の特長は、6年間を通した、継続的な教育ができること。カリキュラムを柔軟に編成し、授業時間数を増やすこともできます。
 水都国際中・高の新設について「公立学校として、費用の点でも、より幅広い層に、新しい形の教育の機会を提供します。大阪YMCAが持つ海外ネットワークを生かして、国際舞台で活躍できる人を育てたい」と大阪市教育委員会。大阪市では、2008年にも、各分野のスペシャリストを育てようと、咲くやこの花中学校・高等学校を開校しており、地元の発展に寄与できる多様な人材の育成を図っています。
 大阪府でも、2017年、教育を軸とした南河内の活性化を目指して、富田林高等学校に併設の中学校を開校。同校では、コミュニティ・スクールとして、同窓会や地域、企業と連携しながら学校運営に取り組んでいます。

まだある! 公立の中高一貫校
まだある! 公立の中高一貫校

大阪市立 咲くやこの花中学校・高等学校(大阪市此花区)

ものづくり、スポーツなどの専門的で高度な学び

 中学校では、早くから興味・関心の現れやすい「ものづくり(理工)」「スポーツ」「言語」「芸術(美術・デザイン)」の4つの分野ごとに、各20人を選抜。「ものづくり(理工)」分野は、高校で総合学科の理数系列またはロボット工学系列に進学するなど、6年間の計画的な一貫教育で才能を伸ばします。分野別学習は高校の教員が授業を行い、各分野に関連した部活動にも入部して、専門的な学びを発展させています。

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ロボットに関するものづくり分野で製図機械を使った学習も

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スポーツ分野では、陸上競技の専攻と体操競技の専攻とに分かれていて、体操競技は、オリンピックにも出場した元選手が指導しています

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言語分野の英語の授業では、高校の教員、中学校の教員、C-NET(大阪市の英語指導員)の3人が、20人を指導

大阪府立 富田林中学校・高等学校(富田林市)

探究型の学びを深めグローバルな視野を

 中学校は1学年が120人。課題を見つけて解決する力や論理的な思考力を養う「社会探究」などの探究学習を、企業や自治体と協働で行っています。国際的な視野を育み、英語力を鍛えるため、毎朝のモーニングイングリッシュタイムや、英語漬けのイングリッシュキャンプ、マレーシアでのグローバルリーダー育成海外研修、台湾修学旅行などを実施。部活動や文化祭、「富中未来塾」などで、高校生とともに学ぶ機会も多いようです。

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火曜の放課後に行われる「富中未来塾」では、高校生が中学生に勉強を教えます

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スーパーサイエンスハイスクールに指定されている同校。科学部の活動も盛んです

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同窓会が中心となって、昨年春には、学校内に岸本記念中高一貫コンセプトホールが完成

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