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家族をマモル!\それって本当/医療のハテナ?【マモルミカタ第7弾】

 

それって本当 家族をマモル!医療のハテナ?

 ニュースで耳にする新しい病気や薬、名前は聞くけれど、よくわからない…ということはありませんか?読者の声をもとに、近頃、話題のあれこれについて、専門家に教えてもらいました。

マモルくん
がん
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神戸低侵襲がん医療センター 理事長・病院長 藤井正彦さん

アミノインデックスがんスクリーニングは、健康な人とがんの人の、アミノ酸濃度バランスの違いを統計的に解析し、がん罹患のリスクを評価する新しい検査です。
一度の採血で、男性は、胃・肺・大腸・前立腺がんの4種類、女性は、胃・肺・大腸・乳・子宮または卵巣がんの5種類のリスクがわかります。血液検査でも、ある程度進行して現れる腫瘍マーカーとは異なる指標です。

ただし、確定診断前のリスク評価ですから、他の検査との併用が前提。例えば、胃がんのリスクが高ければ、X線検査を内視鏡検査に、発見が難しい乳がんは、リスクに関わらずマンモグラフィと併用など医師と相談を。また、リスクが低いから安心という訳ではなく、生涯リスクを予測するものでもありません。費用は保険外診療で2万円前後。上手に活用し早期発見に繋げましょう。

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神戸低侵襲がん医療センター 理事長・病院長 藤井正彦さん

 

近親者が、60歳以下の若いうちにがんにかかっている、同じがんになった人が複数いる、複数のがんにかかった人がいるなどの場合は、気をつけたほうがよいといえるでしょう。
その中で、遺伝子の関与がわかっているがんとしては、大腸にポリープがたくさんできる家族性大腸線種症や、遺伝性非ポリポーシス大腸がん、遺伝性の乳がん・卵巣がん、網膜芽細胞腫などがあります。
また、前立腺がんも、家族歴がリスク要因として挙げられています。

まずは生活習慣の改善を

 しかし、今は2人に1人ががんになる時代です。高齢化が進むとともに、身の回りにがんの人が複数いるのも珍しいことではありません。
心配になる人も多いと思いますが、まずは、喫煙や過度の飲酒など、リスクの高い生活習慣の改善が一番です。定期的に健診を受け、具体的に気になることがあれば、検診の内容や頻度について医師に相談してみましょう。

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神戸低侵襲がん医療センター 理事長・病院長 藤井正彦さん

 

肺がんの放射線治療

 肺がんは、技術の進歩により、放射線治療の成績が向上しています。
これは、定位的放射線治療という、小さい腫瘍に対して大量の放射線を多方向から集中して照射する方法で、腫瘍以外の全身への影響が少ないものです。
1期の肺がんで、手術と遜色のない治療成績のデータもあり、高齢などで手術ができない場合に朗報といえるでしょう。

凍結療法に注目

 また、2011年に早期の腎臓がんに対して保険適用になった凍結療法が、肝臓がんにも使えるようになるかもしれません。
これは、病変部を凍らせることで壊死させる局所療法です。
これまでは、局所療法として、病変部分に細い針を刺して電流で焼いて死滅させるラジオ波焼灼(しょうしゃく)がありましたが、これと比べると、周辺の正常な細胞へのダメージが少なく、痛みが少ないことから、期待されています。

肝動脈塞栓術が進化

 また、肝臓がんでは、カテーテルを使った肝動脈塞栓術について、薬剤溶出性塞栓物質(ビーズ)の使用が、今年の2月から保険適用となりました。
肝動脈塞栓術とは、腫瘍に栄養を運ぶ動脈に抗がん剤を入れて血流を止めることで、腫瘍を死滅させる治療法です。薬剤を含んだビーズが、ゆっくりと時間をかけて薬剤を放出することで、血液中の薬物濃度は従来よりも低くできるかわりに、長時間効き続けるので、体への負担が軽減され、より効果が高くなります。

手術支援ロボットの広がり

 手術療法では、腹腔鏡手術が普及し、内視鏡下の手術支援ロボットも登場しています。開腹手術と比べて体への負担が小さいのが特徴。
ダ・ヴィンチという手術支援ロボットは、今のところ保険適応となるのは、前立腺がんに対する前立腺摘出術だけですが、胃・直腸・子宮など、さまざまな臓器のがんでも利用されるようになると期待されています。

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ミカタちゃん
感染症
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大阪府立公衆衛生研究所 感染症部ウイルス課 主任研究員 弓指孝博さん

マダニにかまれて発症する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」は、5月30日現在、兵庫以西で、延べ63人の感染者が。消化器症状や発熱が見られ、特効薬がなく26人が亡くなっています。
野外にいるマダニは春から秋が活動期。かまれても発症しないことも多く、過度に恐れて活動を控えることはありませんが、山歩きやキャンプでは肌の露出を抑えて、草深いところを避けましょう。
一般的なマダニは3㎜程度ですが、吸血すると1cm程度になります。帰宅後は、体についていないかよく点検し、マダニが大きくなっていれば無理に取らず皮膚科へ。

野山に出かけたあとは、日本紅斑熱(夏~秋)や、ツツガムシ病(春~初夏と秋~冬)にも注意。発熱や発疹があった場合は、早期の抗菌薬投与が効果的です。病院では、野山に出かけていたことも告げましょう。

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大阪府立公衆衛生研究所 感染症部細菌課課長 久米田裕子さん

 

近年、世界的に薬剤耐性菌の拡大が問題になっています。
抗菌薬(抗生物質)が効かない薬剤耐性菌には、アシネトバクターや腸球菌、肺炎球菌、結核菌、淋菌などさまざまなものがあり、複数の抗菌薬が効かない「多剤耐性」では、薬の選択肢が限られて治療が困難になります。
特に、抗菌薬の最後の切り札的な「カルバペネム系薬剤」に耐性のある肺炎桿菌や大腸菌が世界中で見つかり、警戒されています。
今のところ、このような薬剤耐性菌は、病原性は低く、人に対する攻撃力は弱いので、健康な人が特に恐れることはありません。抵抗力が落ちている場合に発症することはありますが、日常的には手洗いを心がける程度で十分です。

抗菌薬を自己判断で使わないで

 今後懸念されるのは、耐性を持った遺伝子が、より病原性の高いほかの細菌に伝播すること。
新しい薬剤耐性菌を増やさないためには、抗菌薬(抗生物質)の正しい使用が大切です。
症状が軽くなったからといって、処方された薬を自己判断で減らしたり止めたりせず、最後まできちんと飲んで細菌を死滅させましょう。医師の指示なく、手元にある薬を適当に飲むのも禁物です。

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大阪府立公衆衛生研究所 感染症部ウイルス課 主任研究員 廣井聡さん

 

2012年に見つかった新種のコロナウイルスによる中東呼吸器症候群(MERS)は、今年の3月頃から感染確定者が増加し、6月4日現在、681人(WHO発表)の感染が確定しています。

ラクダが感染源として疑われていて、国内では感染者は確認されていませんが、サウジアラビアやアラブ首長国連邦を中心に、その周辺国やヨーロッパ・アフリカ・アメリカ・アジアにも感染確定者が見られます。中東以外の感染確定者は、いずれも中東地域に渡航歴のある人か、その人と接触した人に限られています。
咳や発熱から、重症化して肺炎などになり、亡くなる人が204人(6月4日現在、WHO発表)出ている一方で、感染確定者に無症状の人がいることもわかっています。
人から人への感染は現時点では限定的ですが、海外へ行かれる場合には、手洗いを行う、動物との接触を避けるなど、通常の衛生対策を行うことが重要です。

国内発生に備えて2類感染症に

 WHOは、渡航や貿易の制限は推奨していません。国内では、入院の勧告や措置ができる2類感染症に指定される見込みです。症状は軽症から重症までさまざまで、アラビア半島やその周辺諸国に渡航後、発熱や呼吸器症状が現れた場合は注意が必要です。

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マモルくん
認知症
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大阪大学大学院医学系研究科 情報統合医学講座・精神医学 教授 武田雅俊さん

認知症の有病率は65歳以上で約15%。認知症の前段階である「軽度認知障害(MCI)」も同程度と推測されています。

MCIとは、今のところ、物忘れはあるが、判断力障害がなく社会生活に問題がない状態をさします。MCIの人がすべて認知症になるわけではなく、この段階の記憶力の低下を、脳の老化による物忘れか、病的な症状かを区別するのは難しいことが多いのですが、自分の行動の細部を思い出せないのは普通の物忘れ、行動したことそのものを忘れているのは病的な症状といえます。
認知症の根本的な治療薬の見通しが暗い現在、MCIから認知症への進行をいかに防ぐかに焦点が集まり、MCIの治験や、採血によるバイオマーカーの研究が行われています。発症の10年~20年前から脳の変化は進むため、MCIの前段階の「主観的認知障害」も研究されています。

また、MCIを判別する簡易テストを手がける企業も増えてきています。

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大阪大学大学院医学系研究科 情報統合医学講座・精神医学 教授 武田雅俊さん

 

認知症の5%から~10%は、その家系が原因遺伝子を持っている、家族性認知症といわれていますが、それ以外の約9割については、発症を防いだり遅らせたりする手だてがあるのではないかと考えています。

日頃から、刺激的な知的活動をしている人は、脳の、新しい神経ネットワークを作り出す力(認知予備能)が高く、認知症の症状が現れにくいことがわかっています。
まだ不明な部分も多いのですが、この認知予備能が高い人は、脳が老化したとしても、新しい神経ネットワークの生成により、衰えた部分の機能が補えるのではないかと考えられています。

運動やマルチタスクが期待大

 具体的な予防策としては、食事内容の改善、コレステロール値のコントロール、昼寝など、さまざまなことが検討されてきましたが、中でも運動はリスクを下げると思われます。
脳トレやドリルなどは、ある能力の一時的な向上にはなりますが、ほかの事に応用できるかどうかには疑問が残るので、興味を持って楽しみながらするにはよいのですが、義務感でする必要はないでしょう。
また、昔から、五感をフルに使うことがよいといわれています。体を動かしながら耳で聞くなど、一度に複数のことを行うマルチタスクは、1つの知覚刺激と別の知覚刺激の間に新しい神経回路を作るものとして、効果が期待されています。

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ミカタちゃん
お薬
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大阪府薬剤師会 副会長 乾英夫さん

ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、先発医薬品と同一の有効成分を同一量含んでいて、体内での血中濃度の推移や溶出試験などの結果から、その有効性・安全性が「同等」と認められたもの。研究開発費が抑えられるため、薬価が3割~5割程度安くなります。
「全く同じ」でないのは、飲みやすさを考えて形状を変えたり、溶けやすさを見直した結果、添加剤が先発品と異なる場合があるため。医師の判断で、ジェネリックへの変更を不可とするケースもあります。
先発薬から後発薬に切り替えた時には、添加剤によるアレルギーが起こる可能性があります。しっかりと納得したうえで使えるよう、気になることを聞ける“かかりつけ薬剤師”を見つけましょう。また、併用している薬がある場合、成分の重複などにも注意が必要なので、薬剤師に相談して。

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大阪府薬剤師会 理事 堀越博一さん

 

昨秋から本格稼働した大阪府薬剤師会のスマホアプリ「大阪e‐お薬手帳」が、この春から「e‐お薬手帳」として、全国で使えるようになりました。
これは、調剤薬局から出される明細書にQRコードが印刷される仕組み。QRコードを読み取ると、服薬情報が自動的にアプリに登録されます。

もし明細書に、QRコードの印刷がない場合は、窓口で依頼してみてください。
「e‐お薬手帳」だけでなく、他の電子お薬手帳アプリでも利用可能。

外出時の急病などに便利

 電子お薬手帳アプリは、東日本大震災の教訓から、事故や災害の時にも携帯している確率の高いスマホなら、本人以外にも常用している薬がすぐわかり、適切な対応ができるのではないかと、開発したもの。
家族の情報も管理できるので、出かけた先で子どもが急に発熱したときなど、登録しておくと便利です。
現在通院したり、薬を常用している人は、紙のお薬手帳をメインに、電子お薬手帳を補足的に使うのが上手な使い方です。
紙のお薬手帳は、履歴が残っているだけでなく、医師や薬剤師、歯科医師などが、情報を共有できるものです。利用者本人が血圧や体調を書き込んだり、医師に相談したいことを書いたりと、コミュニケーションツールとしても活用してみてください。
また、紙・電子を問わず、お薬手帳には、服用している市販薬も記録しておきましょう。

e-お薬手帳について詳しくはコチラ
マモルくん
女性の病気
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大阪医科大学附属病院 産科・生殖医学科 医長 田辺晃子さん

男性は30代からメタボの人が急増しますが、同年代の女性に少ないのは主に女性ホルモンの差。
女性ホルモンであるエストロゲンに含まれるエストラジオールは、血管の壁に貼りついて動脈硬化などを起こす超悪玉コレステロールの分解・排泄を促進しています。そのため、閉経後に女性ホルモンが減少するとメタボになりやすくなるのです。そして、動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞なども、男性同様増加します。
このような生活習慣病の予防には、食生活の見直しと運動習慣が効果的。食事では、EPAやDHAが豊富な青魚や、オリーブオイルなど、善玉コレステロールになる脂質を摂取して。骨粗しょう症対策にもなる大豆製品もスグレモノ。納豆のビタミンKは骨を強くするといわれます。

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大阪医科大学附属病院 産科・生殖医学科 医長 田辺晃子さん

 

月経のサイクルをおさらいすると、まずエストロゲンの働きで、子宮内膜が増殖。排卵がおきると黄体ホルモンが分泌されて増殖が止まり、やがて黄体ホルモンも減少して子宮内膜がはがれ落ち、月経となります。

月経不順にはさまざまな原因がありますが、その1つに、排卵しにくい体質で、黄体ホルモンが分泌されず、常にエストロゲンが出ているケースがあります。
この状態が続くと、子宮内膜が増え続けて子宮内膜増殖症になりやすく、子宮体がんのリスクも高くなるといえます。
増殖した子宮内膜は、排卵が無い場合も、しばらくするとはがれて「破綻出血」が起こります。排卵がある場合の正常な月経の出血とは異なるのですが、自分ではなかなか区別できません。できれば基礎体温をチェックしましょう。

長引く月経不順は受診を

 50代以上に多い子宮体がんは、年齢を問わず増加傾向にあり、最近は30代・40代の子宮内膜増殖症も増えています。早期に見つければ完治できるので、気をつけておきたいものです。
また、エストロゲンが少ないことが原因の月経不順もあります。この場合は子宮がんのリスクは高まらないものの、骨粗しょう症になりやすいというリスクがあります。
月経不順が続くときは、放置せずに、一度受診することをおすすめします。

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具体的に気になることがあれば、各項目の検索ボタンから、近くの病院を探して相談してみてください。情報は「病院検索サイトQLife」から提供されたもので、診療科や地域を絞り込んで検索できます。

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