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還付金等詐欺 金融機関の対応は?

還付金等詐欺 金融機関の対応は?

  • 2015/08/27 UP!

街ぐるみで犯罪を許さない 皆で目を光らせて

 母が還付金等詐欺に遭って1か月。7月中ほどではないものの、あいかわらず数日おきに「豊中市内で還付金等詐欺発生」と、注意を促す防犯メールが流れてきます。口座に振り込むのだから、犯人につながる個人情報は銀行にあるはずで、〝足が付きやすい〟犯罪に思えるのに、どうして被害が減らないのでしょうか。金融機関の対応を調べてみました。

口座売買のマーケットが犯罪の温床に

 還付金等詐欺などの振り込みに使われた口座は、警察からの指示などにより凍結(利用停止)となります。ただし、振り込んですぐ別の口座に移されたり、あるいは現金として引き出されたりで、凍結された口座にお金が残っていることはほとんどないそうです。

 昨年度、このように犯罪に関わったなどの理由で利用停止・強制解約された口座は、5万6795件にのぼり、ここ10年のワースト1です(全国銀行協会調べ)。これらの口座は〝売られた〟口座であることも多く、その場合は名義人をつかまえても、犯人と直接の接点がない場合も少なくありません。

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 現在、口座を新たに開設する際には本人確認はもちろん、基本的には居住地か勤務地以外では開設できないなど、チェックが強化されています。口座が犯罪に使われたことが明らかになれば、その口座の名義人の情報は金融機関の間で共有され、その名義の口座はすべて凍結。その人は新たに国内で口座を作ることもできなくなります。

 それでも、犯罪などの不正利用により、利用停止・強制解約される口座が、毎年数万件あるということは、口座を売る人が後を絶たないということ。ネットで検索すれば「銀行口座買い取ります」など、怪しげなサイトがずらりと出てきます。口座売買のマーケットは確実に存在し、犯罪の温床になっています。

常時監視を行うのが難しい無人ATM

 還付金等詐欺の被害の7割は無人のATMコーナーで起こっています。

 各金融機関では、ATM周辺に注意喚起のポップやポスターを掲示。行内のATM周辺では、職員が、携帯電話で話をしながらATM操作を行う高齢者を見かけたら声掛けを行うなどの対策を行っていますし、ATMの振り込み操作画面の中にも、その振り込みが詐欺によるものではないか、注意を促すチェックを設けています。

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大阪府警と府内の金融機関が連携して注意喚起のポップを制作

 けれども、無人ATMでは、常時監視を行うのは無理がありますし、ATM画面についても、犯人側は、どこのATMがどんな順番でどんな画面が出るかも熟知していて、チェックポイントを巧妙にすり抜けてしまいます。

 大阪府警では、ショッピング施設に付随するATM周辺の、警備員巡回の協力を要請したり、詐欺被害が出ているなどの地域の情報があれば、警察官が、付近のATMを巡回するなどの対策は取っていますが、まさに被害に遭おうとしている高齢者を救えるチャンスは多いとはいえません。

ATMコーナーで気づいたら皆で声掛けを 

 犯人は高齢者を狙って電話をかけています。「自分だけは大丈夫」と思うのではなく、「知らない人からの電話には出ない」などの注意が必要です。
 加えて、地域で、犯罪を許さない目を数多く光らせるしかありません。
 大阪府内で今年1~7月までの特殊詐欺の被害件数は704件。豊中市内での被害はそのうち62件で、他市に比べて群を抜く多さです。さらに、うち17件は7月に集中。まさに、母も、そのうちの1件です。地域で起きていた危険をキャッチできていなかったことが、返す返すも悔やまれます。

 家族同士、地域同士で声を掛け合い、防犯の意識を高めていくことが大切ですし、ATMコーナーで万一、携帯電話をかけながら操作している高齢者などを見かけたら、「大丈夫ですか?」などの声掛けをしていくことも、被害を未然に防ぐには効果的です。

 母は、残念ながら人気のないATMで被害に遭いましたが、同じように被害に遭いかけ、運よく、そばにいた人が気づいてくれて助かったという人もいます。

 卑劣な犯罪を、街ぐるみで食い止める…。子の記事を読んでくださっている皆さん、そのための一歩を、一緒に踏み出してください。母のように、悲しい思いをする人を一人でも減らせたらと願ってやみません。

金融機関窓口での対策はますます強化
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 大阪府警では、窓口で高額の現金を下ろそうとする高齢者に、用途を聞くなどの声掛け、おかしいと思った場合の通報などの協力を、府内金融機関に要請。毎年多くの金融機関支店が、詐欺を未然に防止したとして表彰を受けています。
 これに加え、4月からは、現金ではなく〝線引き小切手〟で引き出すよう勧める「預金小切手プラン」をスタート。線引き小切手は、現金化する本人が口座を持つ銀行窓口に行かなければならず、署名も必要など、犯罪には使いにくい小切手で、7月時点で41金融機関1183支店が協力をしています。
 ただ、窓口対策が功を奏す一方で、ますます無人ATMを使った犯罪にシフトしている面も否めません。対策と、その間隙をつく手口…。警察・金融機関と詐欺グループの戦いが続きます。

セキュリティ対策チェックシートでSTOP!還付金等詐欺

 A4でプリントアウトできるチェックシートです。
 親など身近な人のセキュリティをチェックするとともに、「アカン!それ詐欺」カードに家族や親しい友人、最寄りの警察署、市役所などの電話番号を書いて、電話機周辺などに貼ってあげてください。

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