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ただの飛蚊症だと思っていたら…網膜剥離の前兆に要注意!

夏の眼の講座②浮遊物が見える

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青空など明るいところを見つめたときに、糸くずや虫、ゴマ粒のような浮遊物が見える飛蚊症。多くは加齢による眼の変化で病気とはいえないのですが、失明にかかわる網膜剥離の前兆の場合もあるので注意が必要です。
さいたま市のはんがい眼科院長・板谷(はんがい)正紀先生に詳しく聞きました。

1 中高年の飛蚊症の多くは加齢による生理的変化

私たちの眼球内には硝子体というゼリー状の物質がつまっています。飛蚊症はこの硝子体のにごりが網膜に映って見えるもので、ほとんどは、加齢に伴って硝子体が変化することで起こる生理的飛蚊症です。硝子体は、加齢によりゼリー状から液状に変化すると容積が減るため、収縮して網膜からはがれます。これを後部硝子体剥離と言います。視神経乳頭の部分からはがれた、馬蹄形をしたリング状の硝子体は目立つため、飛蚊症が一層うっとうしく感じることがありますが、病気ではありません。

2 網膜に孔(あな)があいても気付かない。じわりと進行する網膜剥離

問題なのは、後部硝子体剥離が起きたとき、同時に網膜裂孔(もうまくれっこう)という孔や裂け目ができるケースです。網膜に孔ができるとそこから眼の中の硝子体液が徐々に網膜の裏側に入り込んでいき、網膜剥離が起こるからです。網膜剥離は失明に至る病気なので、早期発見が何より大切です。しかし「網膜に孔があいたのなら、すぐに異常を感じるはず」と思う人は多いのでは? 実は網膜は痛みを感じない上、視野の端の方から始まるため、初期には気が付きにくいのです。現在の飛蚊症が、生理的なものか、網膜剥離の前兆なのかを自分で判断することはできません。急に視界の浮遊物が増えた場合や、暗いところに行くと一瞬光が走って見える光視症がある場合、墨を垂らしたようなものが見えるなど硝子体出血が疑われる場合は、すぐに眼科で眼底検査を受けましょう。

stm170727hangai02 2つの孔による網膜剥離。網膜が土台から離れ、浮き上がっている

stm170727hangai03レーザーで裂孔の周囲を焼き固めたところ(光凝固治療)

3 失明や視力低下を防ぐため、治療は時間との勝負

広角走査レーザー検眼鏡では、 無散瞳で220度の広い範囲を一度で撮影し、網膜裂孔を見つけることができます。治療は、レーザーで孔の周囲を焼き固めて、剥離を防ぎます。網膜が剥離すると、土台の血管から栄養や酸素が受けられなくなり視細胞が死んでいきます。そのため剥離してからの時間が長いほど視機能の戻りは悪くなり、さらに治療が遅れると、網膜全体が剥離して失明の危機を迎えます。また、増殖性変化といって、眼の中にクモの巣のような膜が張り、治療が大変難しくなってしまうケースもあります。

4 治療技術は日進月歩。すべて健康保険が適用

以前は網膜剥離の手術は入院を必要としましたが、現在は27ゲージという最も細い針を使った無縫合小切開硝子体手術により、日帰りが可能に。また、手術後の下向きの体位制限も、かなりラクになりました。しかし、剥離する前の孔のうちにレーザーで治療ができるなら、眼への負担はもちろん、経済的にも体力的にも5倍はラクだといえましょう。そのためにも飛蚊症時のサインを見逃さないようにしたいものです。これらの治療はすべて健康保険の適用です。また、硝子体手術は高額医療制度の対象になっています。

 

はんがい眼科 院長・板谷(はんがい)正紀先生

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京都大学医学部卒業、京都大学医学部附属病院眼科特定准教授、 埼玉医科大学医学部眼科教授などを経てはんがい眼科を開院/埼玉医科大学客員教授

【はんがい眼科】さいたま市見沼区南中丸680。☎048-681-0101

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