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さっぽろの伝統野菜

  • 2019/08/08 UP!

さっぽろの伝統野菜

近年、価値や魅力が見直されている伝統野菜。札幌にも、先人の手で改良され、今日まで守り伝えられた5つの〝札幌伝統野菜〞があります。これから旬を迎える2つの野菜について、生産者の思い、おいしい食べ方などを聞きました。

構成・文/駒形麻弓 撮影/鬼原雄太(&BORDER) ※1面野菜写真を除く
取材協力/JAさっぽろ、札幌市経済観光局農政部農業支援センター

伝統野菜とは

地域の風土に合わせて昔から育てられてきた野菜で、在来品種が中心です。現在流通している交配種に比べ、管理に手間がかかる、収穫量が不安定などの理由から生産者が減少。しかし、現在の野菜が失ってしまった味や香りのあるものも多く、地域の食文化を伝承するため伝統野菜を守っていこうという動きが、全国で起こっています。

伝統野菜の定義 ※認定されているのは上の5種類
1 札幌市内で栽培された野菜であること
2 品種名に「サッポロ」の地名がついていること
3 現在でも種子(苗)があり、生産物の入手(栽培)が可能なもの

サッポロミドリ(エダマメ)
生産地区 清田区、南区
収穫時期 8月上旬~9月上旬1974年に種苗登録された札幌発祥のエダマメ。産毛が白く、さやは鮮やかな緑色をしています。実入りがよく、甘みと風味が強いため、全国でも生産される人気品種となっています。冷凍のエダマメとは全く違う、旬の味覚を味わえるのが魅力です。

札幌白ゴボウ
生産地区 清田区、北区
収穫時期 9月下旬~11月上旬明治時代に始まった北海道のゴボウ栽培。当時栽培されていた品種を、「札幌」の呼称で定着させたのが由来といわれています。細い根が少なく、太くまっすぐ下に伸び、白茎で表皮・果肉ともに白色。香りが豊かで、歯応えがよいのが特徴です。

札幌黄(タマネギ)
生産地区 北区、東区、白石区
収穫時期 9月初旬アメリカ産の「イエロー・グローブ・ダンバース」を改良した品種。生産者の熱心な研究により、明治17年(1884年)頃から品質の良い「札幌黄」が作られるようになりました。肉厚で味がよく、煮込むと甘みと旨みが増すのが特徴。食の世界遺産「味の箱舟」の認定品目です。

札幌大長ナンバン(トウガラシ)
生産地区 清田区、豊平区、南区
収穫時期 7月下旬~10月中旬明治中期に岩手県南部地方から導入され、北海道の気候と風土に適するように変化を遂げた品種。暑さ寒さをはねかえす活力源や殺菌用として重用されてきました。実の長さは12cmほど。乾燥させて香辛料に使われるほか、佃煮などにしても美味。

札幌大球(キャベツ)
生産地区 清田区
収穫時期 10月下旬~11月上旬

直径50~60cm、重さ10㎏を超える巨大キャベツ。野菜が不足する冬期間、貯蔵や漬物に適したキャベツとして重宝されてきました。肉厚でしっかりとした食感が特徴。甘くて風味がよいことから、食品メーカーや学校給食などにも使われています。

佐藤さんは農業歴63年のベテラン。先代が地形を生かしながら開墾した2・1ヘクタールの農地で、サクランボ、プラム、モモ、ナシなどの果物を中心にさまざまな作物を育てています。「サッポロミドリは5年ほど前から作り始めました。比較的育てやすく、実入りもいい品種です。夏の間は朝4時半に収穫し、ホクレンショップ中ノ沢店の『もぎたて市』に運びます。エダマメは収穫後、時間が経つほど味が落ちていくので、朝採りのものをその日に食べるのが一番。出荷できない規格外品は自宅で塩茹でして食べますが、大粒で甘みが強く、毎日食べても飽きません。今は私たち夫婦と息子、娘で農業を営んでいます。丘陵地帯で畑のすぐ上が山なので鹿に作物を食い荒らされたり、雨が多いと果実が傷んだり、連作障害もあります。この仕事は何年経っても試行錯誤が必要。大変なことも多いですが、地元の採れたて野菜のおいしさを、もっと多くの人に知ってほしくて続けています」。

サッポロミドリの花。葉のつけ根に小さな白い花が咲き、この後さやが付きます

収穫直前のサッポロミドリ
写真提供:JAさっぽろ

おいしい茹で方
❶ エダマメは流水で洗ってから、サヤの両はしを少し切り落とす。
❷ エダマメをボウルに入れ、塩もみする。※塩の量は、茹でる水に対し1%目安(1ℓなら10g)
❸ 3%の塩水を沸騰させ、エダマメを茹でる。余熱で火が通るので、やや硬めに茹でるのがおすすめ。ザルにあげて塩もみし、そのまま冷まして。冷水にさらすと水っぽくなるので注意。
※塩の量は、好みで調整してください

保存方法
エダマメは収穫後、どんどん鮮度が落ちていくため、生のまま置いておかないで。少し硬めに茹でて、水気をよく切ってから冷凍保存を。

丘珠で明治23年(1890年)から代々タマネギを生産する農家の5代目。9年前に家業を継ぎ、現在は6ヘクタールある畑のうち、1.5ヘクタールで札幌黄を育てています。「タマネギの中でも、札幌特有のタマネギとして地域で守られているのが札幌黄です。祖父や父が守ってきた種を、就農を機に復活させたのが9年前。交配種(※)と違い1つとして同じようには育たないので、毎年、試行錯誤を繰り返し、最近やっと肥料や薬の使い方の正解が分かってきました。今は札幌黄を作る農家同士のネットワークを作り、安定した生産量が確保できるようLINEで情報共有をしています。開拓期から受け継がれてきた札幌の農業を、衰退させたくはない。ブランド野菜として認知されている札幌黄は、札幌スタイルの農業を確立する武器になるはず。さらに極め、魅力をアピールしたいんです。そのためには6ヘクタールの畑を全て札幌黄にしてもいいとさえ思っています。まずは、より多くの人に魅力を知ってもらい、味わってほしいですね」
※交配種とは、異なる形質をもつ親同士のかけ合わせで作る品種。メンデルの法則により、均一にそろった野菜が収穫できる。これに対し、札幌黄は固定種で、種を蒔いて育てた中からよいものを選んで種を採る、ということを何代も繰り返し、品種改良されてきた

札幌黄の種。タマネギは食用の他に、種を採るための「母球」も毎年育てる必要があります

収穫直前の札幌黄の畑
写真提供:JAさっぽろ

おいしい食べ方
札幌黄タマネギのオーブン焼き

材料(2人分)
札幌黄(小玉)…2個
オリーブオイル…大さじ2
岩塩(塩)、粉チーズ、黒コショウ…少々

作り方
❶ タマネギは皮付きのまま、上部に十字の切れ目を入れる。
❷ アルミ箔の中央にタマネギを置く。切れ目を中心にオリーブオイルを回しかけ、アルミ箔で包む。200℃に温めておいたオーブンで20〜30分焼く。
❸ 中まで火が通ったら汁がこぼれないように器に盛り、塩、粉チーズ、黒コショウ少々をふる。

保存方法
タマネギは湿気が大敵。また、温度が高いと芽が出やすくなります。日陰で風通しのよい場所で保管を。カゴなどに入れる場合は、1つずつ新聞紙に包むと湿気防止に。

札幌伝統野菜の主な販売所

※取り扱う品目は、店舗・時季によって異なります。1面の収穫時期、生産地区を参考にして、訪れてみて

生産者の販売所

湯浅農園
札幌市東区丘珠町692-1
営業期間/9月1日(日)~10月31日(木)8時30分~17時。不定休
※9月15日(日)は休み ※問い合わせはEメール yuasafield@gmail.comへ


札幌黄は9月7日(土)~販売予定。右の「雪景色」は辛みがなく爽やかで、生でおいしい白タマネギ。収穫時期は7月下旬。直売所でしか買えません。

佐藤果樹園
札幌市南区白川1814-1073
営業期間/6月中旬~11月上旬9時~16時30分。不定休
TEL 011-596-2690


旬の野菜、果物が並びます。人気のサクランボは甘くて驚くほど大粒。今はサッポロミドリのほか、トウモロコシ、モモ、プラム、馬鈴薯などを販売。

札幌市内のホクレンショップ各店

  • ホクレンFoodFarm東苗穂店 TEL 011-791-7071
  • ホクレンショップ49条店 TEL 011-733-2661
  • ホクレンショップFoodFarm屯田8条店 TEL 011-775-1131
  • ホクレンショップFoodFarm平岡公園通り店 TEL 011-882-7520
  • ホクレンショップグリーンコート TEL 011-213-2106
  • ホクレンショップ中ノ沢店 TEL 011-573-2560
  • ホクレンショップ前田店 TEL 011-683-4275
  • ホクレンショップFoodFarm新発寒店 TEL 011-665-8050

JAさっぽろのイベント

*JAまつり 清田支店
8月31日(土)10~13時
清田区役所 市民交流広場(札幌市清田区平岡1-1-2-1)

*JA北札幌支店 農産物即売会
10月6日(日)9時~12時30分
玉葱選果センター(札幌市東区丘珠町499-23)

札幌市の農業

札幌市では、土地の特性に合わせて、さなざまな野菜・果物が生産されています。北区は田畑が広く、レタスやブロッコリー作りが盛ん。特に「太平レタス」が評判です。東区は札幌のタマネギ作りの中心地。南区の山間丘陵地帯では、リンゴやサクランボなどの果物が作られているほか、養鶏、養豚も行われています。西区、東区、南区などではコマツナが作られていて、道内でも有数の産地。清田区はホウレンソウ作りが盛んで、「ポーラスター」ブランドとして有名です。手稲区の砂質土地帯では、人気のカボチャ「大浜みやこ」やスイカなどを育てています。
札幌市は、明治初期に開拓民が田畑を開き、明治9年(1876年)には札幌農学校が開校して、北海道の農業の中心となりました。その後、都市化に伴い経営耕地面積は昭和35年(1960年)をピークに減少。平成27年(2015年)の農家戸数は807戸となっています。しかし、野菜などの集約的な栽培、中小家畜の飼育を中心とする農業へと転換を図り、札幌の農家は地元民への新鮮かつ良質な農畜産物の供給という重要な役割を果たしています。また、都市部の農地は人々が直に農業に触れる場や、緑地環境としての機能も担います。札幌で採れる野菜や果物を、もっと食卓に取り入れませんか。

地産地消のメリット
採れたての新鮮な野菜が食べられる
作る人の顔が分かり、安心して買うことができる
農業者は持続的に生産できる
輸送に伴うエネルギーの使用量が減らせる
地元の経済が潤う

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