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少しの意識で確実に減らせます 家庭から出る食品ロス

  • 2019/08/29 UP!

少しの意識で確実に減らせます
家庭から出る食品ロス

「食品ロス」とは、本来は食べられるのに捨てられる食品のこと。今年5月に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が公布されるなど、削減の機運が高まっています。
そこで今回、家庭由来の食品ロスについて、どうすれば減らせるのかを調べてみました。すると、1人1人が少し意識して行動すれば、確実に減らせることが分かってきました。ポイントを紹介するので参考にしてください。

構成・文/五十嵐知里、撮影/亀谷光、イラスト/本多メモ
取材協力/北海道大学大学院工学研究院 循環共生システム研究室 教授・石井一英さん
北海道農政部食の安全推進局食品政策課
札幌市環境局環境事業部循環型社会推進課

日本の食品ロスは年間643万t。
その半分は家庭から出ています

日本の食品ロス量は年間643万t(農林水産省・環境省 平成28年度推計)。毎日大型トラック1760台分を廃棄していることになります。1人当たりに換算すると年間51㎏となり、米の消費量(1人当たり年間54㎏)に相当します。
内訳をみると、メーカーや卸売・小売業、外食産業による「事業系」が352万t、家庭から出る「家庭系」は291万t。大量に売れ残った商品の廃棄が話題になりましたが、食品ロスの約半分は家庭から出ていることが分かります。

食べ残しなどで捨てられる食品は、
4人家族で年間2万5000円相当

札幌市が家庭から出る「燃やせるごみ」の中身を調べた調査によると、約4割が生ごみで、生ごみのうちの約2割が手付かずの食品や食べ残しとの結果が。その重さは4人家族の場合で年間およそ40㎏、金額に換算すると約2万5000円に相当すると試算されています(※)。食品ロスは、家計にもロス(損失)を生んでいることになります。

※札幌市「平成29年度組成調査」より

世界では食料の3分の1を廃棄。
SDGsで「2030年までに半減」の目標も

世界の食料品廃棄量は年間約13億t。消費向けに作られた食料の実に3分の1に当たります。世界で飢えや栄養不良に苦しんでいる人々は約8億人といわれ、さらに今後、人口増による食糧不足の深刻化が危惧される中、この状況は早急に改善されなければなりません。2015年の国連「持続可能な開発サミット」で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)でも、「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減」させると示されています。

特記のないものは、消費者庁「食品ロス削減関係参考資料」(令和元年7月11日版)をもとに作成

まずは当事者意識を。少し考えるだけで簡単に減らせます

現状を示す数字を見て、「私はそんなに捨てていない」と思った人もいるのでは? けれど自分が出す食品ロスは、過小評価される傾向にあるといわれています。たとえば、「一歩踏み込んだ実態調査」として注目されている神戸市の「食品ロス実態調査」(2016年、2017年)では、食品ロスが「まったくない」「ほとんどない」と答えた家庭で、実際には4週間で平均3~4回、手付かずの食品を廃棄しているという結果も…。確かに改めて冷蔵庫や食品庫の中を見ると、いつか廃棄することになりかねない“予備軍”が存在していませんか。まずは当事者意識を持ちたいものです。
とはいえ、構える必要はありません。「少し意識するだけで食品ロスは確実に減らせます」と話すのは、ごみ問題に詳しい北海道大学大学院工学研究院の石井一英さん。食品に限らず、ごみの問題は発生を減らす「リデュース」がもっとも重要ですが、これについて個々人の意識が一番反映されるのが食品だというのです。「たとえば容器包装プラスチックは、買いたいものを買ったら(包装として)付いてくる。ごみを減らしたいと思ってもその選択が難しい。けれど食品ロスは、ちゃんと考えて買い物をして使い切れば、ごみを出さずに済むんです」。
また、食品ロスによる生ごみは水分を多く含むため、運搬にも焼却などの処理にも余分なコストやエネルギーがかかります。これに伴い、二酸化炭素の排出量にも差が。食品ロスの削減は環境面でも効果があるのです。
すぐに実践できる具体的なアクションを紹介します。できることを取り入れて、SDGsの「2030年に半減」を目指しましょう。

自分の食品ロスを記録する

はじめに自分が出している食品ロスの実態を知ることから始めましょう。①いつ、②何をどれくらい、③どんな理由で捨てたのかを1週間記録してみてください。自分がロスを出しやすい食品や状況に気づき、次はそうならないよう工夫できます。
札幌市では、マルを付けるだけで簡単に記録できる「食べ物の“もったいない”チェックシート」を作成。下記サイトからダウンロードできます。
http://www.city.sapporo.jp/seiso/gomi/genryo/campaign.html

買い物に行く前に食材をチェック

買い物に行く前に冷蔵庫や食品庫をチェックして、今ある食材を把握しましょう。同じものを2つ買ってしまうのを防げます。また献立を考えるときは、すでにある食材を優先的に使うよう心がけて。ストックが回転し、ロスの防止になります。

必要な時に必要な分だけを買う

“お得”なはずの大容量パックやまとめ買いは、使い切れずに処分する場合も多く、食品ロスにつながりやすいことが分かっています。必要なときに必要な分だけ買うほうが、結局は安く済む場合もあります。

必要な分や使いきれる分量を購入しましょう

可食部を捨てない

見落としがちなのが、調理時に過剰に捨てている食材の可食部。家庭の食品ロスの30%に相当します。ニンジンや大根、カボチャは皮まで食べられます。大根やカブの葉もおいしい料理になりますね。きのこの石づきは、おがくずが付いている部分を取り除けばOK。除去しすぎないようにしたいものです。

大根葉は刻んで炒め物などにしても
意識して下処理をすると廃棄量が減ります

料理を作りすぎない

札幌市の調査によると、廃棄された食品のワーストワンは「家庭で調理したもの」で、廃棄理由は「作りすぎ」。家族としっかりコミュニケーションをとり、そうならないよう工夫したいもの。よくロスが出る場合は「少なめ」を意識してみては。「足りないくらいなら余ってもいい」ではなく「足りないときは何か足す」姿勢で。足すときのことを考えて、日持ちのする常備菜を用意するのも1つの方法です。

あらためておさらい
消費期限と賞味期限

「消費期限」とは、弁当やサンドイッチなどの傷みやすい食品が「安全に食べられる」期限。一方「賞味期限」は、スナック菓子やカップ麺など、日持ちのする食品が「品質が変わらずにおいしく食べられる」期限です。賞味期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません。見た目やにおいなどから自身で判断することが大切です。

冷蔵庫、食品庫を整理して食べ忘れ防止

一度入れてしまえば、より長く保存できる冷蔵庫。その便利さゆえに保存していることを忘れ、「食べ忘れ」「使い忘れ」につながっていませんか? 庫内を整理して全体に余裕を持たせ、目が行き渡るようにしましょう。
冷蔵庫だけでなく、食品庫も整理を。こちらは、調味料、麺類、乾物など、カテゴリーに分けた保存がおすすめ。買い足したら、新しいものを奥に、期限が近いものを手前に置くとよいでしょう。

冷凍保存は使い勝手を考えて

一度に食べきれなかった食材は冷凍保存するのも手。使うときのことをイメージして冷凍の仕方を考え、解凍したときにロスを生まないよう工夫しましょう。

「在庫一掃」の日を設ける

冷蔵庫や食品庫を定期的にチェックして、消費・賞味期限が近いもの、傷みやすいもの、食べ忘れた残り物や総菜といった「ロス予備軍」を食べきる習慣をつけましょう。
最後に積極的に「使い切ろう」とするか否かが、食べ物が食品ロスになるかどうかの分かれ目です。

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