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外反母趾、巻き爪、むずむず脚症候群…専門家に聞きました!気になる足の病気

  • 2018/06/20 UP!

専門医に聞きました 気になる足の病気

 元気で生活するためには、足の健康が欠かせません。今回は、気になりながらも病院に行くのが後回しになりがちな5つの足の病気について、専門医に話を聞きました。症状や治療法のほか、受診の目安や予防法など、病気ごとに知っておきたいポイントをピックアップして紹介します。
※記載している治療内容は一般的なケースです。不安がある場合はかかりつけ医に相談してください

文・構成/五十嵐知里、イラスト/柏葉祐司イラスト工房

むずむず脚症候群
外反母趾
巻き爪・陥入爪
足底腱膜炎
こむら返り
つかみどころがなくて意外と身近な

むずむず脚症候群 (レストレスレッグス症候群)

症状

 「むずむず脚症候群」は、主に夜寝るときに下肢に不快な感覚を覚え、動かさずにいられなくなる病気のこと。不快といってもその訴えはさまざまで、本人でさえ「適切に表現できない」と話すことがあるくらいです。つかみどころのない病気ですが、国内の調査では人口の1~4%に症状が見られるという報告もあり、まれな病気ではありません。
 共通しているのは、脚の表面ではなく内部(深部)に不快感が生じることと、脚を動かすことによって治まること。夜寝るときによく症状が出ることから、不眠につながることが問題に。また、映画鑑賞中など長時間動かないでいる時に症状が出ることもあります。
専門医に聞きました 気になる足の病気

※「標準的神経治療:Restless legs 症候群」(日本神経治療学会)より一部を抜粋

受診の目安

 不眠など、日常生活に支障が出ている場合は神経内科や睡眠外来といった専門医の受診をおすすめします。
 病院では患者の訴えから、右に示す4項目の「診断基準」をもとに、この病気か否かを判断します。近年この「診断基準」が改訂され、「このような症状が他の疾患では説明できない」という項目が追加されています。
診断基準

治療

 原因はまだはっきり解明されていませんが、脳内の神経伝達物質「ドパミン」の機能障害と、鉄代謝の異常(鉄欠乏)が関係するとみられています。また、パーキンソン病など、ほかの神経疾患が隠れていることもあります。
 治療は「非薬物療法」が中心。睡眠の環境を整えたり、症状を起こしやすいアルコールやカフェインの摂取や喫煙を控えたり、規則正しい生活をするなどのアプローチにより、軽症の場合は症状が改善することもあります。また、温かい風呂や冷たいシャワーなどの温度刺激、マッサージ、適度な運動、気を紛らせる工夫なども有効と考えられています。 
 鉄欠乏がある場合は鉄剤などで鉄の補充を行います。これらの方法で効果が不十分な場合や頻度が高い場合には、ドパミンの働きを補う薬を処方することもあります。

田代淳先生

教えてくれたのは
札幌パーキンソンMS神経内科クリニック
副院長 田代淳 先生
日本神経学会認定神経内科専門医

加齢に伴い変形が進むケースも

外反母趾

症状

 外反母趾(ぼし)とは、足の母指(親指)が付け根の部分から第2指(人差し指)の方向に曲がる変形のこと。親指のねじれも伴います。この変形が進むと指同士が重なったり、骨の配列が崩れたりして、足全体に問題が広がります。変形部が靴と接触して炎症を起こしたり、タコができたりすると痛みが出るようになります。
 変形が起こる原因は、母指が第2指より長い・足の甲の幅が広いといった、生まれつきの足の形によるところが大きいとみられています。加齢による筋肉や靭帯の衰えも影響。筋肉や靭帯が衰えたところに体重や運動による負荷が加わると変形につながるのです。履物の影響も大。つま先が細い靴、ヒールの高い靴は症状を出やすくします。
 患者の9割が女性で、多いのは40代以降の中高年。家系に罹患者がいるとなりやすいと言われますが、これは足の形や体質が似ているためとみられ、外反母趾が遺伝することはありません。
専門医に聞きました 気になる足の病気

〈右〉親指の曲がりのほか、ねじれや甲の広がり、指の重なりも生じます
〈左〉外反母趾のX線写真(提供・松田整形外科記念病院)

受診の目安・治療

 痛みがある、靴が履けないなど、日常生活に支障が出ている場合は整形外科を受診しましょう。治療は個々の症状によりますが、基本的には手術によらない「保存的療法」から行います。足に負担をかけない靴選びを指導するほか、状態に合わせて「足底挿版」(インソール)や足に合わせた靴を作ることもあります。このほか、足指の筋肉を鍛えるリハビリテーションや、変形を矯正するテーピングを指導する方法なども用いられます。
 保存的療法で十分な効果が得られない場合や重症のケースでは手術も選択肢に。正しく体重を支えられて靴に収まりやすい足に治します。
治療用のインソール

治療用のインソール

予防・セルフケア

 母指が曲がっていても、痛みが出ていなければそれ以上の変形を防ぐよう意識しましょう。
 まずは、足に負担をかけない履物選びを。靴の専門店などで相談するといいでしょう。足に合わせて作るインソールも有効です。
 ストレッチや足の指の筋肉を鍛える体操も効果的です。予防に取り入れられている2つの体操を紹介するので、参考にしてください。

グーチョキパー体操
 足の指全てを開いたり、閉じたりして、足にある小さな筋肉を動かす体操。グー・チョキ・パーを作るよう意識する

タオルギャザー体操
 床にタオルを広げて足を乗せ(①)、指を使ってタオルを手繰り寄せる(②)。

タオルギャザー体操

糸田瑞央 先生

教えてくれたのは
松田整形外科記念病院
糸田瑞央 先生
日本整形外科学会認定専門医

装置をつけて矯正する

巻き爪・陥入爪

症状

 「巻き爪」は、爪の端が内側に巻き込むように曲がって皮膚に食い込んだ状態。一方「陥入爪(かんにゅうそう)」は、爪が皮膚に食い込んでいる(陥入している)状態を指します。どちらも、食い込んだ爪によって皮膚が炎症を起こして、腫れや痛みを生じることがあります。
 どちらも深爪をはじめとする誤った爪の切り方や、靴による圧迫が原因で起こります。長時間の立ち仕事、肥満も要因に。ほかにも、爪に水虫がつくなど、感染症が引き金になることもあります。
専門医に聞きました 気になる足の病気

皮膚に食い込んでいるのが「陥入爪」(右)。内側に巻き込んでいるのが「巻き爪」

治療

 炎症や痛みがある場合は皮膚科の受診を。治療は食い込みの度合いによって異なります。

① 慢性化していない場合や軽傷の場合
 化膿しているところがあれば手当てをし、テーピングで皮膚を引っ張って食い込みを減らし、爪が伸びるのを待ちます。
軽傷の場合はテーピングも用います

軽傷の場合はテーピングも用います

②「ガター法」
 爪の先の両端にチューブを差し込んで、チューブで爪の先を受け止めて皮膚への陥入を防ぎます。チューブを入れるときに少し痛みが生じますが、比較的負担が少なく、よく用いられる方法です。
ガター法

ガター法

③ 爪の矯正
 比較的進行している場合は爪の形を矯正します。爪の先の両端に穴を開けてワイヤーを通して引っ張り、曲がりを矯正する方法や、形状記憶型のクリップで止めて変形を防ぐ方法などがあります。どちらもある程度の爪の長さと強度が必要です。爪の長さや強度に関わらず施術できるのは「VHO法」。専用の金具で矯正します。いずれの方法も保険適用外で自費診療。目安は1本約1万円です。
クリップを用いる方法

クリップを用いる方法

VHO法

VHO法。金具を爪の両側に引っ掛け、真ん中で留めてねじり上げる

④ 手術
 食い込み部を切除する方法や、爪を作る「爪母(そうぼ)細胞」を薬剤処理して新しい爪が生えないようにする方法があります。

予防

 予防の基本は爪を正しく切ること。深爪にならないよう注意して、指から出るか出ないかくらいの長さで、形状は四角く。指から角が出るくらいでちょうどいいと覚えておきましょう。指回りに余裕がある靴選びも大切です。
予防
伊丹彰 先生

教えてくれたのは
札幌東皮膚科形成外科 院長
琴似タワー皮膚科形成外科 総院長
円山公園皮膚科形成外科 総院長 
伊丹彰 先生
日本皮膚科学会認定専門医

かかとの痛みで最も多い

足底腱膜炎 (足底筋膜炎)

症状

 耳慣れない病名ですが、かかとが痛む病気としてもっとも頻度が多いのが「足底腱膜炎」。起床後すぐの歩き始めやベッドから降りて立ち上がった瞬間に痛みを感じ、しばらくすると痛みが和らいでくるのが特徴。進行するとその日のうちに痛みが再発し、外出先で歩くのがつらくなるような事態が生じます。
 「足底腱膜」とは、足の裏にある膜状の腱。指の付け根とかかとの中心をつなぎ、立ったり歩いたりしたときの衝撃を吸収する「足の縦アーチ」を形作っています。この腱膜に負荷が集中して内部に小さな損傷が起き、痛みが生じるのがこの病気。長時間の立ち仕事、過度の歩行やランニング、スパイクを履いてプレーするスポーツのほか、加齢による組織の劣化も原因です。40~60歳代によく発症します。

足の縦のアーチを形作る「足底腱膜」。足の裏全体を覆っています

受診の目安

 思い当たる習慣や運動があれば中止し、足の裏やふくらはぎを伸ばすストレッチを行いましょう。それでも症状が改善されず、日常生活に支障をきたしているようなら整形外科の受診を。病院では、レントゲン写真やMRI画像などにより状態を確認するほか、他の病気が隠れていないかを調べます。

治療・予防

 治療は、ストレッチや足底装具(インソール)の作成、鎮痛薬などの「保存的治療」から。原因となる運動を回避できていれば、多くの場合はこれで症状が改善します。一方、仕事などで原因運動をやめられないときは、足底装具を長期的に使うことで痛みの軽減につなげます。「保存的治療」を続けても症状が改善しない場合は、治療用の機械を使った「体外衝撃波治療」をしたり、外科手術をすることもあります。
 予防は、足底腱膜と下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)を意識的に動かすことや、柔らかく保つためのストレッチを。底の柔らかい靴選びも重要です。

後藤 佳子先生

教えてくれたのは
新札幌整形外科病院
後藤佳子 先生
日本整形外科学会認定整形外科専門医

突然足がつって痛みが生じる

こむら返り

症状

 筋肉が突然固まって自分の意思で動かせなくなり、痛みを感じる状態を「こむら返り」といいます。筋肉が固まった状態は「(足などが)つる」と同じで、ふくらはぎ(こむら)によく起こるためにこの名前が付けられています。通常は筋肉が固まると神経がそれを緩める指令を出しますが、この機能がうまく作用しないために生じるとみられています。運動中のほか、高齢者が夜寝るときによく起こることが分かっています。

対処法・予防

 症状が起こったら、つった筋肉をゆっくり伸ばします。手を使って物理的に力をかけて、反動をつけずにやさしく伸ばしましょう。ストレッチは予防にも有効です。運動や就寝前など、症状が出る前に該当部位を伸ばしましょう。マッサージも効果的です。
 また、体内の水分や電解質不足が関わることが分かっています。水分をしっかり取り、カルシウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラルは意識的に摂取を。特に夏場は脱水症状が起こりがちで、こむら返りの発生頻度も増えます。水分とミネラルの摂取を心がけておきましょう。 
予防のポイント

受診の目安・治療

 健康な人にも起こるもので、多くの場合はあまり心配する必要はありません。頻度が多く日常生活に支障をきたしているようなら、ほかの病気が隠れている可能性も考えて、神経内科など専門医を受診しましょう。
 まずは症状が起こらないよう、上記の予防策を講じることが重要です。それで不十分な場合は漢方薬の「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」が有効とされています。そのほか「筋弛緩薬」などを用いることもあります
こむら返り

教えてくれたのは
札幌パーキンソンMS神経内科クリニック
副院長 田代淳 先生
日本神経学会認定神経内科専門医

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