1. 札幌トップ
  2. 特集
  3. 「長引くせき」「微小血管狭心症」「脂肪肝」「尿失禁」専門医に聞きました

「長引くせき」「微小血管狭心症」「脂肪肝」「尿失禁」専門医に聞きました

  • 2018/11/07 UP!

気になるこんな症状、よく聞くこんな病気 専門医に聞きました

 最近、気になる体の不調はありませんか? 今回の特集では、特に女性に多い症状や、最近脚光を浴びている4つの病気について専門医に教えてもらいました。思い当たる人はぜひ参考にしてくださいね。

取材・文/村本香子、遠藤真善美 イラスト/佐々木美保

気になるこんな症状、よく聞くこんな病気 専門医に聞きました

微小血管狭心症

更年期女性に多い胸の痛み もしかして「微小血管狭心症」?

佐久間 一郎先生

教えてくれたのは
社会医療法人社団カレスサッポロ
北光記念クリニック
所長 佐久間 一郎先生

日本循環器学会 循環器専門医、札幌市医師会内科医会会長
札幌市東区北27東8
TEL 011-722-1122

脂肪肝

お酒を飲まない人も要注意!肝硬変や肝臓がんにつながります

川西 輝明先生

教えてくれたのは
医療法人社団水色の木もれ陽
肝臓クリニック札幌 理事長・院長
川西 輝明先生

日本内科学会 総合内科専門医、日本肝臓学会 肝臓専門医
札幌市中央区北11西15 桑園メディカルプラザ3階
TEL 011-708-8080

長引くせき

ぜんそくや結核、アレルギー “せき=風邪”とは限りません!

大道 光秀先生

教えてくれたのは
医療法人社団 大空会
大道内科・呼吸器科クリニック
理事長・院長 大道 光秀先生

日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本感染症学会 感染症専門医
札幌市東区北27東8
TEL 011-722-1122

尿失禁

受診で症状をコントロールできます 悩まず生活の質を上げましょう!

尾田 寿朗先生

教えてくれたのは
きよた泌尿器科クリニック
院長 尾田 寿朗先生

日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医
札幌市清田区清田1-4 清田総合医療センター1階
TEL 011-883-5757

微小血管狭心症

運動時にも安静時にも発生
更年期女性を悩ませる胸の痛み

太い冠動脈に異常はなし。更年期女性に多い症状
よく知られている「狭心症」は、心臓の筋肉(心筋)に酸素や栄養を送る「冠動脈」が、動脈硬化やけいれんのために狭くなり、血液が十分にいきわたらなくなることで胸の痛みや息苦しさを覚える症状です。
ところが、太い冠動脈に異常がないにもかかわらず胸痛が起こるケースがあります。それが「微小血管狭心症」です。一番の特徴は、更年期の女性に多い症状だということ。
更年期は閉経をはさんだ前後5年間を指しますが、この時期、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量は急激に低下します。エストロゲンには心臓血管の内側にある内皮細胞をしなやかに保ち、保護する作用があります。その機能が落ちることで、微小な血管に動脈硬化やけいれんなどのトラブルが起きるのではないかと考えられています。
太い冠動脈で起こる一般的な狭心症とは異なり、髪の毛ほどの細い血管で起こるので、心筋梗塞や突然死につながることはなく命に関わる疾患ではありません。ただ、まだあまり知られていない病気の上、診断がつきにくいこともあり、原因不明とされて悩む人も少なくないようです。

診断は、一般的な狭心症との区別から行います
一般的な狭心症は、運動時に起こる「労作(ろうさ)性狭心症」と、安静時でも起こる「冠攣縮(かんれんしゅく)性狭心症(安静狭心症)」に大別されます。
微小血管狭心症では胸痛が運動時に起こる人も安静時に起こる人もいます。また、痛みは数秒のこともあれば、長く続き数時間に及ぶ場合も。
診断ではまず狭心症の検査を行います。CT検査で冠動脈に狭くなった部分はないけれど、心電図などで心筋の血流不足が認められたり、検査中に胸痛が現れたりした場合、微小血管狭心症ではないかと疑われます。
微小血管狭心症には運動時に起きるタイプ、安静時に血管がけいれんして起きるスパズムタイプ、複数の血管の血流量に差ができて起きるタイプがあります。このうちスパズムタイプには効果的な薬がありますが、それ以外はあまり有効な薬がないのが現状。ただ薬で症状を和らげることは可能です。

多くは自然に治ります。症状は薬で和らげることも
この疾患は、数年経過すると自然に症状が治まることも多いため、積極的な治療をせず経過を見守るケースもあります。胸痛がある場合は、この疾患も念頭に置いて専門医を受診してはいかがでしょう。
最後に、心疾患の何よりの予防法は動脈硬化を起こさないようにすること。動脈硬化は糖尿病やメタボ、悪玉コレステロール、高血圧などの危険因子がいくつか重なることで起こります。喫煙や受動喫煙は中でも一番の危険因子です。ぜひ気をつけたいですね。

脂肪肝

食べ過ぎや肥満と関係が深い
脂肪肝が増えています

近年、肝臓がんや肝硬変とのつながりがわかってきました
「脂肪肝」は、昔からよくいわれてきた肝臓に脂肪が蓄積される状態。これが最近クローズアップされています。というのも昔は脂肪肝は大きな病気につながらないと思われてきましたが、実は肝硬変や肝臓がんにつながることが分かってきたため。
また従来、肝臓がんの原因はB型・C型肝炎ウイルスへの感染が大多数でした。近年、その原因によるがんが激減したにも関わらず肝臓がんが減らないため、新たな原因として脂肪肝との関わりが指摘されるように。
“沈黙の臓器”として知られる肝臓はがんになっても自覚症状は無いことが多く、あるとしてもそれは、腹水や黄疸(おうだん)といった命に関わる状況で出るものです。そうなる前に脂肪肝の状態で食い止めることが重要なのです。

飲み過ぎではない、“食べ過ぎ”が原因の脂肪肝
肝臓の病気というとアルコールと関係が深い印象がありますよね。でも「私はお酒を飲まないから大丈夫」と思う人も要注意!
脂肪肝には、飲酒との関連が深いアルコール性のものだけでなく非アルコール性脂肪肝(NAFLD)もあり、近年問題になっているのはこちら。その一部が非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に進むことがあります。
そうした脂肪肝の危険因子は、やはり食べ過ぎや肥満です。でも全体の3割程度は太っていない人だそう。男女とも肥満になりやすい40代以降は要注意ですが、それ以外の人も油断はできません。

検査は血液検査と腹部エコー。治療は食事指導が基本
脂肪肝の早期発見に必要な検査は血液検査と腹部エコーです。いずれかだけでは見逃すことがあるので、人間ドックや健康診断で両方検査を。職場などで検診が受けられない人で、「体重が増えてきた」「疲れやすい」などの症状がある人は、脂肪肝の特徴の一つなので、これを理由に専門医を受診しても良いでしょう。
脂肪肝の治療としてまず行われるのは食事指導です。バランスの良い食事を心がけることは言うまでもありませんが、特にご飯や麺、パンなどの炭水化物を減らすことが重要。3食のうち1食の炭水化物を減らし、その分をゆで卵などのタンパク質で代用するのもおすすめです。そもそも、昔と比べて現代の日本人は“食べ過ぎ”になりやすいと心得て。
適度な運動も効果的です。でも、肥満の人はひざや腰が悪い場合が多いので無理は禁物です。可能な範囲でウオーキングをするなど、できることから始めましょう。

長引くせき

3週間以上続くなら要注意!
「いつ、どんな風に」を控えて専門医へ

せきの原因の特定は容易ではありません
「風邪を引いて、せきだけずっと止まらない」。そんな症状を訴える人が中高年女性を中心に増えています。
せきが3週間以上続くと長引いている状態(遷延性咳嗽)、8週間以上は慢性化した状態(慢性咳嗽)とされ、通院の目安となります。
ただし、せきという“症状”は同じでも原因となる病気は数多く特定は容易ではありません。専門医のもとでは問診やさまざまな検査で原因を探りますが、そこで手がかりとなるのが普段のせきの状態。通院の際は事前に、どんなせきがいつ出るかなどを記録しておくとよいでしょう。

最近多いのがアレルギーによるせき
せきを起こす病気で命に関わるものに肺がんや結核があります。結核は今も日本で年間約2万人が罹患し、高齢者や免疫力が低下した人にみられます。これらはレントゲンで発見できます。
大人にも意外と多い気管支ぜんそくも命に関わります。肺機能の低下や、ゼイゼイする呼吸困難が特徴ですが、症状がなく風邪などをきっかけに発症する場合も。特効薬「吸入ステロイド」でコントロールできます。
しつこいせきが続くものの肺機能は正常で、ぜんそくの薬が効くのが「せきぜんそく」。朝方せきこむことが多くタバコの煙などでも誘発されます。
近年多いのがアレルギー。ダニやハウスダスト、シラカバ花粉などのアレルゲンで起こります。ほかに「マイコプラズマ」「百日ぜき」など病原菌によるものや「逆流性食道炎」が原因となる場合も。
このように、せきの原因は多岐にわたるため、風邪という思い込みは厳禁です。また、市販のせき止めの多くは、脳からの「せきをする」という指令を遮断するもので根本的な治療にはなりません。生活に支障がある場合は専門医に相談を。

尿失禁

成人女性の3、4人に1人は経験者
悩まず気軽に受診して

腹圧性と切迫性の2タイプがあります
なかなか人に相談しづらいのが「尿失禁」。けれども成人女性の3、4人に1人は経験者といわれるほど一般的な症状です。
尿失禁には2つタイプがあります。くしゃみやせきなどでおなかに力がかかったときに漏れる「腹圧性」と、急に我慢できない尿意が起こり、トイレに行くのが間に合わずに漏れる「切迫性」です。
腹圧性は、膀ぼうこう胱と尿道を支える骨盤底筋が出産や加齢、肥満などで緩み、尿道をうまく締められなくなるのが原因。一方、切迫性は「過活動膀胱」と密接に関わっています。膀胱が過敏に働き、尿があまりたまっていないのに突然強い尿意に襲われたり、頻尿に悩まされたりするのが過活動膀胱。その約半数が切迫性尿失禁を経験するといわれています。いずれも適切な治療で症状を緩和できます。

服薬やトレーニングで症状を改善
診察の際は問診やエコー、尿検査を行い、まず別の病気がないかどうかを調べます。病気がなければ、基本的に腹圧性は尿道を締める働きがある薬で、切迫性では膀胱の異常な収縮を抑える薬や膀胱の筋肉を緩める薬で治療します。日常生活で困っている人はもちろん「旅行をするので症状を抑えたい」という人も、薬でコントロールできるので気軽に受診してください。
また、トイレを我慢する時間を少しずつ延ばす「膀胱訓練」や、上記の「骨盤底筋訓練(体操)」なども効果的。服薬とトレーニングで多くの場合は症状が軽くなります。改善されない場合は、電気刺激法や手術などの治療法もあります。

人気記事ランキング

  1. 札幌トップ
  2. 特集
  3. 「長引くせき」「微小血管狭心症」「脂肪肝」「尿失禁」専門医に聞きました

リビング札幌最新号 電子ブック

最新号イメージ

リビング札幌Web by オントナ

2018年11月14日

電子ブックを読む



会員登録・変更