理想の夫婦の在り方は? やっぱり夫婦円満!
- 2018/11/21 UP!
理想の夫婦の在り方は?
やっぱり夫婦円満!
構成・文/山神朋子、取材・文/菅谷環、イラスト/みやしたゆみ
約8割が「ほぼ円満」。でも、また夫を選ぶかというと…
約8割の人が「夫との関係は円満」と答えた今回のアンケート結果(2018年10月実施、有効回答数143人)。紹介したコメントは回答のほんの一部ですが、円満な関係を築くために心がけていることとして目立ったのが「我慢」と「会話」の文字。何事もなく夫と過ごしているようでも、実は日々何らかの努力やアプローチを妻はしているのかもしれませんね。
半数以上が「離婚を考えたことはない」と回答しつつも、「生まれ変わっても今の夫を選ぶか」に対して「選ぶ」と答えた人は約3割だったのが印象的。せきららな発言もありますが、「選ばない」「どちらともいえない」を選んだ人の理由は「ちがう人生を歩んでみたいから」がダントツ。夫への嫌悪からではなさそうです。
「選ぶ」と回答した人からのコメントはどれもハートフルなものばかり。その気持ち、ぜひ直接伝えてあげてくださいね。
夫婦円満な関係を築くために心がけていることは?
※イニシャルの後ろは結婚年数
他人と住んでいるという緊張感を持ち続ける(Tさん・27年目)
相手を変えようと思わず、自分が変わる(Kさん・44年)
細かいことを気にしない(Oさん・35年目)
干渉しない。期待しすぎない(Hさん・32年目)
お互いの親を大切にする(Tさん・33年目)
良いことも悪いこともすべて伝える(Kさん・24年目)
感謝の気持ちを持って接する(Nさん・53年目)
お互いの時間を持つこと(Tさん・21年目)
言いたいことは半分で止める。けんかは翌日に持ち越さない(Yさん・30年目)
自分でできることは自分でする(Sさん・20年目)
付かず離れず、一定の距離を保つ(Wさん・13年目)
我慢と思いやり(Tさん・31年目)
とにかく会話!(Kさん・33年目)(Eさん・40年目)
ありがとうを言う(Kさん・20年目)(Sさん・20年目)
依存しすぎず、何事も当たり前と思わない(Kさん・27年目)
夫婦の危機はどう乗り越えましたか?
●子供のことを考えて我慢。(Iさん・24年目)
●時間が解決。(Kさん・33年目)(Sさん・42年目)
●親が間に入ってくれた。(Mさん・15年目)
●とことん話し合い。(Sさん・30年目)
●1人で旅行に行った。(Hさん・32年目)
●夫の良い所を見つけ、感謝の気持ちを思い起こす。(Sさん・22年目)
●自己反省と時間薬。(Yさん・49年目)
●あえて普通にいつもの生活と子育てをした。(Kさん・25年目)
●夫と妻であると同時に父親・母親であることを考えた。(Tさん・37年目)
●諦めて、仕事をバリバリ頑張った。友達とたくさん遊んだ。(Eさん・30年目)
●「まぁ、いいか!」と笑えるようになったら、夫も自然と変わった。(Aさん・36年目)
●夫と一緒にできることや子供と一緒に出かける機会を増やした。(Tさん・27年目)
●自分の気持ちを伝えた。理解してくれたかは疑問。(Yさん・37年目)
●私が仕事を持ち、夫の収入に頼らないことにした。(Aさん・20年目)
●謝罪したり、泣き落としたり、いろいろありました…。(Sさん・50年目)
〈選ぶ〉を選んだ人のコメント
●夫以上の人には出会えないと思う。(Aさん・18年目)
●今のこの結婚生活が好き。幸せだから。(Iさん・43年目)
●夫といる時が一番自分らしくいられるから。(Oさん・24年目)
●気がねなく何でも話せて一緒にいるのが楽なので。(Kさん・33年目)
●腹のたつこともありますが、家事を手伝ってくれ、子どもをかわいがってくれ、私の誕生日を祝ってくれ。優しい人なので。(Mさん・11年目)
●夫は誠実で優しく、私にはベストな伴侶と思えるから。(Hさん・47年目)
●夫の妻は私にしか務まらないと思います。(Tさん・27年目)
〈選ばない〉を選んだ人のコメント
●もう十分一緒に過ごしました。(Sさん・30年目)
●もっとお金持ちと結婚したい。(Tさん・33年目)
●同じ苦労や心配はしたくない。(Kさん・23年目)
●機械に弱くて修理とかできないから。(Hさん・24年目)
●平気で嘘をつくので信用できない。(Hさん・21年目)
●何事も2回目はときめかないから。(Sさん・36年目)
●もう夫が好きではない。(Tさん・19年目)
●他にもっと素敵な人がいると思うから。(Sさん・20年目)
●口で言わない人なので何を考えているかわかりづらい。(Sさん・34年目)
円満夫婦にインタビュー
夫婦の道は山あり谷あり。けれどその起伏さえも笑顔で楽しく乗り越える2組の円満夫婦にお話を聞きました。
お話を聞いたのは

西村淳さん みゆきさん夫妻
毎日がまるでクラス会のよう。笑顔の絶えない同級生夫婦。
結婚して35年、今でも「みゆきさん」「淳ちゃん」と呼び合う西村さん夫妻。夫の「淳ちゃん」こと西村淳さんは、2009年に公開された映画「南極料理人」で堺雅人さんが演じた主人公のモデルです。現在は、淳さんが主宰する「オーロラキッチン」で、夫婦仲良く食のプロデュースを手がけています。
「この人は事務仕事が苦手だから、私がやらないと」と話すみゆきさんに、「そう、そう」と隣でうなずく淳さん。二人のやりとりから仲の良さがうかがえます。
出会ったのは50年以上前。中学、高校の同級生でした。「高校時代は二人とも演劇部。部員みんな仲が良くて、卒業後も集まる機会が多かったの」とみゆきさん。「まぁ、たまたま二人とも独身だったので」と淳さんは照れながら結婚のきっかけを話しますが、それから35年、「今でも毎日がクラス会を開いているようなもの」と日々話題に事欠かず、喧嘩(けんか)した記憶はないとか。
「俺がウジウジ悩んでいるときも、みゆきさんがあっけらかんと背中を押してくれる。そこがいいのかな」と淳さんはみゆきさんへの感謝の気持ちを表します。
1年4カ月におよぶ南極への赴任に際してもみゆきさんは快く送り出してくれました
いろんな人と出会いながら二人で楽しく暮らしたい
全国各地を飛び回り、この10年で約400本の講演活動を続けてきた淳さん。食材を無駄なく使い切る料理法や南極でのエピソードなど、軽快な語りで会場を沸かせます。そんな淳さんを公私ともに支えるみゆきさん。自由闊かったつ達な印象の淳さんですが、海上保安官時代に事務方への配置転換を打診されると、「船を下りるのが嫌でウジウジ悩んでいた」とか。そんなとき、みゆきさんが「それなら仕事辞めれば」とあっさり。「とりあえず、二人でオーロラキッチンを立ち上げ、ダメだったらうどん屋さんでもやろうかなと思って」と笑いながら振り返るみゆきさん。その笑顔に淳さんは何度も救われてきました。
現在、二人は〝南極料理人〞ならではの知識と北海道食材を生かしたカレーなど数種類の加工食品を開発中。来春には発売を控えています。「忙しいけど、いろんな人と知り合って二人でおもしろおかしく生きたい。それと、俺の一番のテーマは、みゆきさんに嫌われないようにすることだね」と笑う淳さん。「それじゃぁ、このおなかをどうにかしないとね」と返すみゆきさん。二人がいるところには、いつも笑顔の花が咲いています。
来春に発売を控えた商品の試作にも仲良く取り組む二人
撮影/久保ヒデキ
お話を聞いたのは

ルイさん エスミーさん夫妻
歌えば喧嘩の原因もどこへやら。ベタベタするだけが愛情じゃない
北海道出身のルイさんとフィリピン出身のエスミーさんが音楽を通して知り合い、お互いの才能にひかれて結婚したのは33年前。一男一女を育て上げ、現在はすすきのにあるミュージックバー「ソングバード」で、ルイさんがピアノを弾き、エスミーさんが歌っています。
家でも仕事場でもずっと一緒の二人。喧嘩をすることなんてないのかと思いきや、「喧嘩はしょっちゅう。きっかけはささいなことですよ」とルイさん。ときには、怒りが収まりきらず、そのままステージに上がることも。そんなとき、つい荒々しくなるルイさんのピアノに、エスミーさんも力のこもった歌で応戦するのだとか。「でも、2、3曲歌い終わるころには忘れちゃうのよ」と笑うエスミーさん。
お互い、その日のコンディションはピアノと歌で確認できるという息ピッタリの二人です。
ルイさんが弾くピアノで「Lovin’ You」を歌うエスミーさん。二人の奏でる音楽にファンも多い
50%ずつの歩み寄りに尊敬と信頼があればいい
結婚当初は文化の違いによる喧嘩も多かったと話す二人。「フィリピンはレディーファーストの国。向こうの男性は優しいけど、日本の男は優しさや愛情をあまり言葉や態度で示さないでしょ。それは不満だったと思う」と振り返るルイさんに、「はじめは寂しかったけど、時間が経つにつれ、日本の男性は表現方法が違うだけだと分かってきたの」とエスミーさんは話します。直接的な愛情表現はなくても、「薬飲んだか?」というルイさんの言葉や寒さを気遣うさりげない態度に「隠れた優しさを感じられるようになった」とエスミーさん。「夫婦はどっちか片方だけが合わせるのではうまくいかない。50%ずつ歩み寄り、そこに尊敬と信頼と思いやりがあれば、うまくいくんじゃないかな」とルイさん。
そんな二人の夢を聞くと、「フィリピンでマンゴー畑をやりたい」とルイさん。「私はずっと札幌で暮らしたい。たまには温泉に行きたいな」とエスミーさん。異なる夢を持つ二人ですが、そこにはお互いが生まれ育った国への憧れと尊敬がありました。
店のオーナーであり、ミュージシャンである二人
撮影/千葉奈都美(アンドボーダー)
プロに聞く 夫婦円満のコツ
「いい夫婦を目指したい」「この先もいい夫婦でいるためには?」夫婦のカタチは千差万別ですが、円満でいることはどの夫婦にも共通の願い。そこで、夫婦円満の秘訣を、北海道家庭生活総合カウンセリングセンターの理事長、善養寺圭子さんに聞きました。
夫婦は赤の他人。「違って当たり前」と思うことが「いい夫婦」への第一歩
当センターは、50年以上、家庭生活に関する相談を受けてきました。年間9000件ほどの相談があり、その約8割が夫婦に関する相談です。
センターの長い歴史の中で、時代と共に夫婦関係の変化を感じます。かつては専業主婦が主流でしたが、バブル経済期以降は女性もどんどん社会に進出し、共働き家庭が増えました。当然、夫婦のカタチも変わってきます。
以前は、離婚を前提にした相談が多かったのですが、最近では離婚しないための相談が増えています。中にはご夫婦そろって、関係改善の策について相談に来る方もいるほどです。
この数十年で女性は人生における選択肢が増えた分、生き方に迷う人も多くなっているように思います。「本当にこの人(夫)でいいのか」「もっと自分を尊重してくれる人がいるのではないか」と悩む女性も多いはず。
男性は家庭にホッとできる場所を求め、妻にはあうんの呼吸でなんでも分かってほしいと思っています。ところが、妻は家事や仕事、子育てに忙しい。夫婦の会話やコミュニケーションが減り、たまにしゃべると喧嘩になるなんてことも。そこで最低限、心しておきたいことがあります。それは、「夫婦はもともと赤の他人」ということ。言葉を交わさなければ、お互いが思っていることなど理解できません。逆に「こう思っているはず」という決めつけや思い込みも危険です。他人なのだから言葉を交わすことが大切。お互い違う人間であると知ることが夫婦円満への第一歩。すると今まで不満に思っていたことが不思議と気にならなくなり、ホッとする会話を持つこともできるようになります。お試しください。

北海道家庭生活総合カウンセリングセンター 理事長
善養寺圭子さん
理解度アップ! 夫婦のコミュニケーション術
応用心理ライフマネジメント協会代表理事の松前葉子さんに、心理学からみた夫婦円満のコツを教えてもらいました。一般的によく聞かれる3つのタイプに分けて紹介します。
おしどりカップル
表面的ではなく、心の深い部分の絆を意識しているタイプ。互いに理解し合い、それぞれの時間や価値観を尊重しているため、他の2タイプよりも関係がフラットです。その分、バランスが崩れたときのダメージは大きく、どこよりも壊れやすいといっても過言ではないのがこの2人。例えば、「おまえ(あなた)じゃないと」と依存しすぎたり、相手を信じられなくなったりした時に関係が崩れやすく、「こんな人ではなかった」と修復に時間がかかります。関係が破綻することがないよう心がけるとすれば、少しでも不安に感じたことはパートナーへ伝えること。言葉や文章を飾ろうとせず、「よくわからないけど、なんとなく不安」と言うだけでよし。ありのままの気持ちを伝えましょう。
カカア天下カップル
妻が家庭内の物事をリードしてくれるタイプ。ともすると妻は「何でも私ばかりがやっている」と不服に思い、夫は「何でも(妻が)決めている」という不満が発生することも。妻は夫の考えをときどき確認してみましょう。その際、決して見下した態度はとらないこと。またこのタイプの夫にはすぐに答えを返せない人もいます。その時は「待つ」こと。男性は気持ちを言語化するのが苦手ということを理解し、受け止めてあげて。
夫は不満をぶつける前に「自分は妻のように立ち回れるか?」と自問自答を。常に率先して動く妻は、親戚や近所づきあいなど面倒なことも一手にこなしてくれているはず。まずは感謝の気持ちを持ち、「いつもお疲れさま」と前置きしてから本題へ。
亭主関白カップル
決断力があって頼もしい夫と、尽くす妻の組み合わせ。このタイプの夫は自分の価値観が正しいと考えていることが多く、妻が話を聞いてほしくても聞く耳を持たない傾向があります。話を聞いてほしいときは、一方的に言うのではなく、「あなたじゃなきゃだめなの」「あなただからお願いしたいの」と甘えること。不満があるときは、夫の考えや行動をいったん受け止めてから。プライドを傷つけないように注意しながら提案を。
また、このタイプの夫は決めごとに対しての変更・修正は難しいと考えて。「なぜ変えなくてはいけないのか」と理由を必要とし、面倒な事態に。家庭内の方針などを決めるときはお互いを尊重し、意見をしっかり擦り合わせましょう。
何事も「伝える」ではなく「察する」という環境で育ってきた日本人は気持ちを伝えるのが苦手です。でも、言語能力を発達させたヒトだからこそ、気持ちを言葉に。「ありがとう」と言い合える夫婦関係は素敵です。

一般社団法人 応用心理ライフマネジメント協会代表理事
松前葉子さん
米国NLP™協会認定トレーナー、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会認定アンガーマネジメントファシリテーター™
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