1. 札幌トップ
  2. 特集
  3. 地域とつながる小さなつどいの場 広がっています地域サロン

地域とつながる小さなつどいの場 広がっています地域サロン

  • 2019/02/06 UP!

地域とつながる小さなつどいの場
広がっています地域サロン

回覧板や、地域の会館の掲示板などで「サロン」の案内を見たことがありませんか?
「サロン」ってそもそも、何のためにあり、何をする場なのでしょう。多くの自治体で広がりを見せている「サロン」について、札幌市を例にとって紹介します。

構成・文/村本香子、撮影/久保ヒデキ
取材協力/札幌市社会福祉協議会地域福祉課

地域とつながる小さなつどいの場 広がっています地域サロン

サロンって何?

その活動を支援している自治体も多い「サロン」はどのようなものなのでしょう? 札幌市社会福祉協議会地域福祉係長の髙谷亮介さんと岩田千穂さんに教えてもらいました。

札幌市には現在約700のサロンが。
仲間作りや、地域の見守りにも

その昔、日本では縁側で隣近所の人とお茶を飲みながら話をする…という光景がよく見られました。そんな“集い”に替わるコミュニケーションの場として期待され、全国で増えているのが「サロン」です。
明確な定義はありませんが、地域に住む人が自主的に設ける身近な集まりで、東京の世田谷区が先進的に取り組み、全国に広まったといわれています。
札幌市社会福祉協議会(以下社協)では2001年に「ふれあい・いきいきサロン活動」を事業とし支援を開始。2018年11月現在、713団体がこれに登録し活動中です。高齢者のサロンが529と最も多く、子育てサロンが119、ほかに障がい者のサロンやそれらの複合型が登録されています。
ではサロンのメリットはどのようなことなのでしょう。
特に高齢者の場合、身なりを整えて定期的に通う場があることは生活のリズムを整え、閉じこもりの防止につながります。また決まったメンバーが集まると仲間づくりのきっかけになるのはもちろん、メンバーの不在やちょっとした変化に気づくなど“見守り”の効果も。子育て中のお母さんを孤立させないためにも同様のことがいえます。
札幌市には現在、約2000の町内会があります。社協では、サロンも町内会に1つ相当、2000件できることを目標に支援していく予定です。

サロンの効果

地域や、住む人への“思い”があれば
誰でも立ち上げられます

サロンを立ち上げる理由はさまざま。必ずしも地域活動を熱心にしていた人ばかりが始めるわけではないのだそう。高齢者や子育てママの当事者が立ち上げるケースはもちろんですが、「地域に恩返しをしたい」「両親がお世話になったから」などの理由で、ボランティアとしてサロンに関わる人もいます。
例えば最近、社協にこんな相談に訪れた人がいたのだそう。独居の高齢者が一人で食事をとる“孤食”が問題となっている昨今、「簡単なものでいいからみんなでご飯を食べる機会を作りたい。でも、自分にはノウハウもなく、町内会活動をしたこともなくて…」。
地域やそこに住む人への何らかの“思い”があれば誰にでも始められるのです。

あくまで参加者の交流がメイン!
体操や講座などでひと工夫

サロンは、具体的に何をする場なのでしょう。子育てサロンなら子供を遊ばせながらお母さん同士のおしゃべり。高齢者の場合、おしゃべりしたり簡単な体操や脳トレ、ゲームなどを取り入れることも多いようです。
ただし、あくまで“茶話会”のような交流がメインであることが肝心。例えば、特定のスポーツ競技や将棋などの趣味が中心となると愛好者だけが集うサークルと変わりありません。誰でも参加できることが重要です。
自治体などが行う“出前講座”を活用するケースもあります。講師を招き、防犯や健康に関する内容を無料で学ぶことができます。初めて参加する人や男性にとって、何気ないおしゃべりは敷居が高いものです。こうした学びの要素やテーマを設けることで参加のきっかけになるかもしれません。

まず中心メンバーや開催場所を確保
軌道に乗ったら登録を!

サロンの立ち上げを思い立ったら、まず中心となるメンバーを考え、定期的に集まれる場所を確保しましょう。参加者が歩いて行ける距離が理想です。
スムーズにいかないことがあれば居住区の社会福祉協議会で相談に応じてくれます。ノウハウをレクチャーするセミナーを行っている場合や、他のサロンを見学できるケースも。
札幌市では「ふれあい・いきいきサロン」として登録し、要件を満たしたサロンへの助成制度があるのでぜひ活用を。
助成金は活動1回あたり1500円、年間48回を上限としています(子育てサロンは年12回)。財源は寄付や赤い羽根共同募金で賄われています。助成期間は決まっているため、参加者数など活動が軌道に乗ってから申請するのがおすすめ。
道内では札幌以外にもサロン活動を支援している自治体や、社会福祉協議会が運営しているケースもあります。
興味がある人や、地域とのつながりを求めている人は相談してみませんか? 次頁では現在活動中のサロンを紹介します。ぜひ参考にしてください。

サロンを立ち上げるには

●札幌市のサロンに関する問い合わせ
札幌市社会福祉協議会 地域福祉課 TEL 011-614-3344

サロンにおじゃましました!

エリアや集まる年代など、タイプの違う3つのサロンを取材しました。

薄まりかけた地域のつながりを再結束
サロン星の里(手稲区)

一昨年に発足した「サロン星の里」は、会場がメンバーの自宅という小規模サロン。発足のきっかけの一つは、普段から親しくしていた一人暮らしの人が亡くなったことでした。改めて“見守り”の必要性を感じたのだそう。また、婦人部の会合でメンバーが久しぶりに顔を合わせたことも転機に。1970年代に開発された宅地に同時期に入居し、子育て中は何かと行き来があったものの最近はあいさつ程度…。そんな主婦仲間が定期的に集まることで再び連帯感が高まりました。同時代を共有しているだけあって、昔話となると途端に笑顔の花が咲きます! 参加者はサロンの効果を「つながっているという実感がある」「留守にするとき『よろしくね』と声をかけたりするのも言いやすくなった」とにっこり。地域のゆるやかな絆が強まっています。


思い出を共有する同士、昔話が盛り上がります

取材の記念に集合写真をパチリ

代表者 高田由里子さん

代表者
高田由里子さん

「今、やるべき」と思い、社会福祉協議会の研修会に参加。規模を大きくしたいとは考えていないので、自宅を会場にして立ち上げました

DATA
対象/町内会の誰でも
会場/メンバー自宅
回数/月1回
おもな活動/おしゃべり、食事会など
会費/100円

地域と関わり、年齢や立場を考えたサロンに
くれよんぽっけ(豊平区)

新興住宅地で隣り合う家族5組に同年代の子供がいたことから話すようになったお母さんたち。近くに子供が遊べる場があれば…との思いから2014年、集会室の管理人さんに相談したのが「くれよんぽっけ」設立のきっかけでした(ふれあい・いきいきサロン登録は2015年)。最初は道端で子供連れのお母さんに声をかけて参加を募ることもあったそう。今では毎年恒例となっている夏祭りやハロウィーンなどのイベント時は50人以上が集まる大所帯になりました。同サロンは地域と自然な関わりを持っているのも特徴。近くのグループホームの高齢者と交流したり、七夕の「ローソクもらい」で近隣の家を訪れたり…。また、元々の参加対象である未就園児の親子以外に多くの世代が訪れるため、小さい子は年上の子に教わり、年上の子は小さい子を見て癒やされるという“タテのつながり”も。代表の山中里美さんは、「多くの人がこの場で知り合い、日常でもつながれる場に」と願っています。


この日は吹雪の中、少しずつ参加者が集まり始めました

参加者の家から突然イチゴの差し入れが。こんな温かさも「くれよんぽっけ」ならでは

代表者 山中里美さん

代表者
山中里美さん

この界隈が「くれよんぽっけ」をきっかけに、助け合い、「お互い様」と言い合える家族のような関係になれたら

DATA
対象/未就園児を持つ親子
会場/集会室
回数/月1〜4回
おもな活動/親子・地域交流、季節のイベントなど
会費/適宜

マンションの集会所で、アットホームに健康体操
わの会(中央区)

2002年、100世帯以上が暮らす大型マンションに高齢者向けのサークル「わの会」が誕生。囲碁やカラオケ、卓球など9つの部会ができました。そして14年、新たに「ふれあいいきいきサロン部会」がスタート。健康体操と茶話会をメインに活動しています。誰でも参加できる同サロンは好評で、設立時からのメンバーも多いのだとか。掲示板で告知し新しい参加者も募っています。月2回の集まりでは、代表の縣勉さんが苦心して取り寄せた、さまざまな体操のDVDをモニターを見ながら実践しています。この日も「1・2・3」と声を出しながら熱心に体を動かし、なかなかハードです。終了して笑顔で「体が温まったね」と言い合い、休憩後もさらに脳トレに心理テストと充実のプログラムが続きます! そして最後はお茶とお菓子でおしゃべりタイム。男性も交えて盛り上がる様子は、都心から程近いマンションと思えないアットホームな雰囲気に満ちていました。


80代の人も楽しく運動。疲れたら座ってもOKです

体操の後はお茶とおしゃべり。これも楽しみ!

代表者 縣 勉さん

代表者
縣 勉さん

準備は大変かって? 楽しみのようなものです。なるべく同じ内容が続かないよう工夫していますよ

DATA
対象/マンション居住者
会場/マンション内集会室
回数/月2回
おもな活動/体操、脳トレ、茶話会など
会費/適宜

この記事が気に入ったら公式アカウントをぜひフォローしてね。おすすめ記事をダイジェストでお届けします。

人気記事ランキング

  1. 札幌トップ
  2. 特集
  3. 地域とつながる小さなつどいの場 広がっています地域サロン

リビング札幌最新号 電子ブック

最新号イメージ

リビング札幌Web by オントナ

2019年10月17日

電子ブックを読む



会員登録・変更