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消費税が10%になったら家計はどうなる? 専門家に聞きました

  • 2019/03/27 UP!

消費税が10%になったら家計はどうなる?
専門家に聞きました

10月1日以降、消費税が現行の8%から10%に引き上げられます。これにより家計はどのように変化するのでしょう。焦らないよう、今のうちから心構えをしておきたいですね。専門家に、増税が家庭の出費に与える影響について教えてもらうとともに、読者から寄せられた疑問にも答えてもらいました。

構成・文/達紗智子、イラスト/柏葉祐司イラスト工房

教えてくれたのは

斯波悦久さん

斯波悦久税理士事務所
税理士 斯波悦久さん

約40年間、国税庁に勤務。現在は日本税理士会連合会常務理事、北海道税理士会副会長などを務めている

新田絢香さん

And FP代表取締役
新田絢香さん

日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー。女性目線の分かりやすい説明が相談者から好評。定期的にマネー講座も開催している

年間で考えると増税の影響は大。
生活費を整理して無駄な出費を抑えて

下記はファイナンシャルプランナー・新田絢香さんが作ってくれた増税前後の家計簿の一例。50代の夫婦と大学生の子ども1人の3人家族と仮定し、シミュレーションしたものですが、1カ月当たり3840円の負担増となっています。全ての項目に消費税が課税されているわけではないので、思ったほどの額ではないと感じた人もいるかもしれません。ただ、年間で考えると大きな差が出てきますよね。
今後、家庭の収入が大きく増える予定がないなら、この差額を埋めるために実行できるのは支出を減らすこと。これを機に生活費を整理して、無駄な支出を抑えた家計管理を目指してみませんか。

増税分は何に使われるの?
消費税の仕組み

そもそも消費税は、国の予算のどこに充当されているのでしょうか。消費税の基本的な部分について税理士の斯波悦久さんに解説してもらいました。

消費税の税率の引き上げと内訳

日本で消費税が初めて導入・施行されたのは1989年4月です。それ以前は所得税や法人税などの直接税が国の主な歳入でしたが、景気に大きく左右される性質のものであることから、安定した税収を確保するために消費税が新設されました。課税対象は、国内における物品の購入やサービスの享受など。3%でスタートし、その後、1997年に5%、2014年に8%へと改正され、今に至ります。
消費税は国の予算に組み込まれる消費税と、地方で使われる地方消費税で構成。新たに導入される「軽減税率」が適用となるもの以外は、税率の引き上げの内訳は図1のようになります。軽減税率は生活に最低限必要なものを購入すると、低所得者ほど収入に対する消費税の負担率が重くなってしまうのを軽減する目的で導入されます。対象品目は①外食と酒類を除く飲食料品②定期購読契約をしている週2回以上発行される新聞と定められ、これらの消費税は8%のままとなります。

消費税収の使われ方と不足額

2014年3月まで、国の予算に組み込む消費税は高齢者3経費と呼ばれる、基礎年金・老人医療・介護の部分に充てることになっていましたが、8%に増税された段階で使途が拡大され、社会保障4経費に使用することと法律上、明確化されました。社会保障4経費とは年金、医療、介護の社会保障給付と、少子化に対処するための施策に要する経費のことを指します。
図2のように国の「平成30年度予算」では、社会保障4経費の合計額は29.1兆円となっています。しかし、歳入の見込みは13.6兆円。この差額は年々拡大していて、消費税を10%にあげても解消できないほど不足しているのです。今回の増税理由は、不足額を少しでも減らすためといえるでしょう。

増税前後の買い物。
気をつけたほうがいいことはありますか?

近々ほしいものがあるなら、いつ買うのが最適なタイミングなのかは気になるところ。購入にあたって押さえておきたい情報を商品別にファイナンシャルプランナーの新田絢香さんに聞きました。

買い物は浪費を防いで慎重に。
本当に必要なら早めに行動を

過去の消費税引き上げの時にも、駆け込み需要が発生しましたが、今回も同様に品薄になる商品やサービスが増えることが予想されます。近い将来必ず購入したいと決めているものがある人は、時間に余裕を持って早い段階から計画的に検討した方が賢明です。
ただ、増税前は「何でも今のうちに買わなくちゃ」という気持ちになりがち。どの商品においてもそうですが、不要なものにお金を使ってしまわないよう、本当に必要かを考えて周りに流されないことが大切です。

読者はこれを疑問に思っています。
消費税に関するQ&A

消費増税に対して読者が抱える疑問や不安。斯波悦久さんと新田絢香さんに答えてもらいました。

2019年2月に実施したオントナパートナーへのアンケート結果をもとに作成(有効回答数201)

Q よく利用するパン屋にカフェが併設されています。テイクアウトのつもりで購入した後、やっぱり店内で食べていきたいと思ったらどうしたらいいの?( Kさん)

「店内飲食」か「テイクアウト」なのかは会計時に決まります

テーブルや椅子が設置されていて、顧客に店内で飲食させるサービスの提供は、「外食」と判断され消費税は10%、店外に持ち出す「テイクアウト」は8%となります。パン屋やファストフード店のほか、コンビニエンスストアの場合も、購入した弁当などの商品を持ち帰れば8%、飲食スペースを利用すると10%が適用されます。適用税率の判定時期は、取引を行った時点。すなわち、イートインかテイクアウトかを聞かれ、会計をして商品を受け取ったときです。テイクアウトしようとして買ったのに、気が変わって店内で飲食をしたくなっても取引はもう終わっているので、それ以降は店舗側もノータッチのはず。そうなると、悪い考えを持つ人もいるかもしれませんが、そこは利用者の良心に任せることになるでしょうね。

Q 収入は増えないのに増税はつらい。いい節約法があれば知りたいです(Tさん)

将来必要な金額を意識して、貯蓄専用の口座を作ってみては?

まずは無駄に払っている費用がないか、チェックを。ほとんど使っていないクレジットカードの年会費など、気づかずに払っている費用はありませんか? 携帯電話のプランの見直しも有効でしょう。必要のないオプションを何となく付けたままで何年も過ごしているかもしれません。楽しみを削りすぎると、節約は長続きしません。全てを切り詰めるのではなく、年間のレジャー費の予算を決めたり、将来確保しておきたい額を試算したりして、その費用を強制的に貯蓄する仕組みを作ってみては? 給与が振り込まれる口座とは別に「ためるための口座」を作り、貯金しなければならない額を先に移してしまえば案外やりくりできるかもしれません。消費税増税対策としてキャッシュレス決済をすると5%が還元される「ポイント還元制度」も検討されていますが、まだ不透明な部分も多くあります。クレジットカードの利用が多く、毎月の出費をきちんと把握できていない人は、クレジットカードを使わずに現金で生活してみるのも1つの手です。どれくらい使いすぎているかを意識できます。

Q 4月から息子が大学へ進学。授業料に対する増税が気になっています (Hさん)

学校教育法上の「学校」の授業料は消費税の課税対象外です

学校教育法に規定されている幼稚園や小中高等学校、大学などの授業料や入学金は非課税です。塾や短期の習い事などは消費税がかかります。自動車学校も課税対象。自動車免許を取得しようと考えている人は、スムーズに免許が取れなかった時のことを考えて、早めに通い始めるのがおすすめ。このほか、以下のようなものも消費税の課税対象外です。

●公的医療保険が適用になる医療費
●保険料
●住民票などの行政手数料
●出産費用
●埋葬料・火葬料
●介護保険サービス
●土地の譲渡、貸付け(一時的なものを除く) など

Q 売り場で税抜き価格が大きく書かれていて、レジで「あれ?!」と感じることがあります。価格表記の決まり事ってあるの?(Aさん)

税込み価格での表示が義務付けられていますが、特例があります

課税事業者が消費者に対して商品の価格をあらかじめ表示する場合、総額を表示することが義務付けられています。ただ、特例として2021年3月31日までは、税込み価格であると誤認されない措置を講じている場合に限り、税込み価格を表示しなくてもよいとされています。軽減税率制度実施後には、このような価格表示を目にすることが増えると思われます。

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