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住民みんなで犯罪を防ごう 考えてみませんか?地域と防犯

  • 2019/04/18 UP!

住民みんなで犯罪を防ごう
考えてみませんか?地域と防犯

さまざまな犯罪が日常的に起きている現在、道具や設備の備えはもちろんですが“意識”も大切な要素。
特に地域で起こる身近な犯罪に対しては、個々の意識だけでなく地域全体で取り組むことも重要です。
今回、そんな防犯に関するトピックスを紹介します。

構成・文/村本香子 イラスト/阿久津実恵(ファーム)

住民みんなで犯罪を防ごう 考えてみませんか?地域と防犯

ゴミステーションの掃除が行き届いている
近所同士が顔見知りで話ができる
子供も含め、あいさつしあえる関係

住民みんなで犯罪を防ごう 考えてみませんか?地域と防犯

ゴミステーション近辺が汚れている
住民同士が無関心であいさつの習慣もない
住宅には樹木など死角が多い

身近な犯罪の現状

道内の犯罪の認知件数は減少傾向にあります。とはいえ、今も多くの犯罪が起きているのが現状。今回は詐欺などを除く、地域で起こる身近な犯罪について現状や対策を教えてもらいました。

教えてくれたのは

高橋 進さん
北海道防犯設備士会 会長、進栄ロックサービス代表取締役。北海道警察の委託により道内各地で防犯教室の講師を行う。

●重要窃盗は道内で1日7件、
3時間に1件起きています

2017年の、道内における犯罪認知件数は2万8160件。中でも盗み(窃盗犯)の割合は多く、空き巣などのいわゆる〝泥棒〞に自動車盗やすりなどを含む「重要窃盗犯」は2579件起きています。そのうち、〝泥棒〞は2357件を占め、この数字は、道内で約1日あたり約7件、約3時間あたり1件の被害があったことになります。そう聞くと他人ごとではないと思いませんか?
泥棒の被害は32%が一戸建て住宅、25%が共同住宅と、半数以上が一般の住まいで起きています。

●最も多い泥棒の手口は無施錠。
5分でも油断はできません

泥棒は、どのような手口で住宅に侵入しているのでしょう。下の図をもとに説明します。1位は無施錠。拍子抜けするかもしれませんが、鍵のかかっていない玄関や窓から侵入するケースが圧倒的多数です。「すぐそこに買い物」「回覧板をお隣に」「ゴミ出しくらいなら」という感覚に心当たりがある人は多いのでは? しかし、古くから「鍵開け1分、物色3分」といわれるほど犯行は素早く行われると心得て。もちろんそれは行き当たりばったりではできません。下見をし、留守の時間や人目からの死角を確認しています。集合住宅も4、5階くらいまでは空き巣が多く油断は禁物。2位は、ガラスを割りクレセント錠を回して侵入。3位の「合い鍵」は、郵便受けや植木鉢の下などの隠し場所を見つけたり、持ち主の合い鍵を作るパターンも見受けられます。4位の「特殊工具」とは、一時期よく耳にした〝サムターン回し〞や〝ピッキング〞などがそれにあたります。

住民みんなで犯罪を防ごう 考えてみませんか?地域と防犯

ドアにカバー、窓にフィルムなど時間をかせぐ対策を

では、それらへの対策はどのようにしたらよいでしょう?泥棒は侵入に5分以上かかると7割が諦めるとの調査結果もあります。その視点から対策しましょう。無施錠は言うまでもなく、鍵をかけることで防ぐことができます。
ガラスの対策でおすすめは、貼るとガラスが割れにくくなるフィルム。数千円から購入でき、器用な人なら自分で作業も可能なので手軽です。他には割ろうとすると音が鳴る「破壊センサー」や割れにくい「防犯ガラス」などの手段も。ベランダ以外の窓も油断はできません。頭が入るサイズなら侵入可能なので、死角になる場所の窓には注意を。
合い鍵による侵入を防ぐには、まず外に置き鍵をしないこと。また合い鍵は実物がなくても表面に記載されたメーカー名と番号がわかれば作ることができます。そのため外出先で出しっ放しにするのもNGです。
築20年以上の家に住んでいるとして、リフォームしても、鍵を取り換えたことがある人は少ないのでは?
不正開錠を防ぐには最新のものに変更するかツーロックに。ドアとドア枠にすき間がある場合、それをふさいで開錠を防ぐ「ドアガードプレート」も比較的手軽で有効です。

住民みんなで犯罪を防ごう 考えてみませんか?地域と防犯

●手荒な手口が特徴の車上荒らし、
女性・子供は強制わいせつも

住まいでの犯行以外に、地域で起こる身近な犯罪としては、自転車盗、車上荒らしなどの窃盗も多く起きています。
車上狙いは、ロックをしている車への犯行が多く、手荒な手口による若い犯人が多いそう。財布などの貴重品でなくとも、物を置くことで「トランクやダッシュボードに何かないか」と荒らされる原因に。
また、おもに女性や子供を狙った強制わいせつも夜間に起きています。イヤホンで音楽を聴いたり、スマートフォンの操作をするなどのながら歩きは、注意力が低下するだけでなく、人や物とぶつかったりトラブルや事故の原因にもなります。避けるようにしましょう。

●犯罪者が仕事をしたくないのは
あいさつが交わされ、美観を保ったまち

これまで、地域で起こる身近な犯罪について対策や心構えを紹介してきました。ここからは、視点を変えたポイントを紹介します。
月末からの10連休を控え、旅行や帰省を予定している人もいるのでは? 留守にするときは隣近所に一声かけておきましょう。異常があるときに気付いてもらえるかもしれません。
隣近所の人とあいさつをしたり、声をかけあうコミュニケーションは気持ちが良いものですが、防犯にも有効です。泥棒はサラリーマンのようなスーツ姿や作業服姿などが多いそう。そんな人に住民があいさつをしたり、「どこかお探しですか」「ご苦労様です」などと自然に声をかける環境だとしたら、顔を見られる不安もありその地域全体を〝仕事場〞から外すはずです。
また、家の周囲やまちの美化も防犯につながります。
まず、家のそばに箱などを雑然と置くことは、通りからの死角や、窓への足場を作ることにもなります。さらに、一カ所割れた窓があると他の窓も割られやすくなり、いずれ建物が荒廃する…という例を表す〝割れ窓理論〞という言葉があります。同様に、町が散らかっていることで住民の意識が低い印象を与え、犯罪者に狙われやすいまちになってしまうと考えられています。例えば住民みんなで管理するゴミステーションは、きれいに保つようにしましょう。

地域で防犯を考えよう

トピックス1 防犯カメラ

近年、自治体から防犯カメラの設置に対して補助金が出る制度が増えています。その意図や意義について、札幌市区政課地域防犯担当の仙石航太さんに教えてもらいました

●町内会単位で申請が可能。
住民に周知した上で進めましょう

札幌市では2018年度から、市内の町内会に対して防犯カメラ設置への補助制度を設けています。
近年は店舗や金融機関などに防犯カメラが設置され、犯罪の早期解決に役立っているのはご存じの通り。でも住宅地や公道など、企業に及ばない場所もあるのも事実。そのため全国20の政令都市では、すでに18都市が補助事業を始め札幌でも検討されてきました。2016年の調査(下図参照)ではおおむね必要と考える人が多く、また市内の篤志家から事業への寄付金があったことも後押しとなり事業化が決まりました。概要は町内会につきカメラ1台あたり16万円、4台を上限として補助されるというものです。
では防犯カメラのメリットとは?
まず24時間稼働している安心感や犯罪抑止効果への期待、そして万が一、犯罪が起こった際に早期解決の手がかりとなる点が挙げられます。一方デメリットの一つは金銭面。補助金で全額まかなえるとは限らず、設置後もランニングコスト・維持管理費が必要です。プライバシー面が心配な人もいるかもしれませんが、プライバシーについては十分な配慮がなされるよう、補助金を交付する際に市のチェックが行われます。
設置までに大事なことは周辺住民との情報共有です。チラシや掲示などでしっかり周知しながら進めることが重要となります。2019年度の補助制度開始時期については札幌市区政課(TEL 011-211-2252)に問い合わせてください。

トピックス2 防犯ボランティア

住民自らが防犯のために行動している地域もあります。札幌市北区でパトロールなどを続けている「札幌屯田防犯パトロール隊(通称とんぼ隊)」の代表・松井敦利さんに話を聞きました。

●地域の絆を強めることが
犯罪抑止につながると信じて活動中

2004年に有志7人で立ち上げた「とんぼ隊」。当初のおもな活動は月4回、下校時間や夜間のパトロールが中心でした。
きっかけは、松井さんがPTA活動を通して感じた“地域の絆が薄くなっている”という不安感や、実際に軽犯罪が多発していたことでした。「昔は地域に“怖いおじさん”がいて、何かあったら声をかけたり、地域全体で子供をみていました。今は例えば子供がタバコを吸っていても大人は見て見ぬ振り。なら自分が怖いおじさんになろう」と思い立ったのだそう。
最初はパトロール中に会う人に「誰?」という感じの顔を向けられることも。でもそろいの制服を着て活動することで安心感を与え、認知度が高まるとともに「ご苦労さん」「とんぼ隊のおじちゃんだ!」と声をかけられることが増えていきました。
そして現在、会員は60人を超え、月4回の通常のパトロールに加えて、不審者情報や事件の起こった場所を重点的にパトロールするなど、活動の幅を広げています。こうした活動は地域の防犯団体が主導することが多いそう。でもとんぼ隊は住民が自主的に立ち上げたものです。その取り組みが認められ、2008年には内閣総理大臣賞を受賞。道内の防犯ボランティア団体の先駆けとなりました。
ただし松井さんは、防犯にとどまらず交通安全や防災を含む幅広い活動を目指しています。「一番は地域の絆づくり。助け合いですよね。今は『自分さえよければ』『隣近所と関わりたくない』という人が多い。でも普段から助け合ったり、周囲のことを考える思いやりの気持ちがあれば、それが自然に犯罪抑止につながります」。

「とんぼ隊」のステッカーを貼った自家用車で隊員がパトロール
北海道警察と連携した活動も
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