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胃がんを引き起こすピロリ菌。国内感染者は推定3600万人

  • 2019/07/11 UP!

ABC検診とピロリ菌

胃がんを引き起こすピロリ菌。国内感染者は推定3600万人

 皆さん、「ABC検診」をご存知ですか?ABC検診とは、血液検査でピロリ菌感染の有無、ピロリ菌による胃粘膜の萎縮の状態を判定し、胃がん発生の危険性・リスクを判定するものです。ピロリ菌は人の胃の中に住み着いている細菌で、ほとんどの胃がんは、長年のピロリ菌感染による炎症のせいで起こる、胃粘膜の委縮(これを委縮性胃炎と呼びます)をバックグラウンドとして発生します。逆にピロリ菌に感染していない人の胃がんは、非常にまれです。
 ではピロリ菌はどのように胃に入っていくのか? 移ってしまうのか? それは…、幼児期に、主に口から入って胃粘膜に感染~定着すると考えられています。また感染の8割は、実は家庭内での感染であり、ほとんどが5歳未満で感染することが分かっています(従ってお子さんやお孫さんがいらっしゃるご家庭では、ピロリ菌陽性の方の治療はより重要となります)。一方、成人になってからピロリ菌が胃の中に入ってきたとしても、一時的な胃炎を起こす程度ですぐに体から排除されてしまい、感染が持続することはありません。
 さて、札幌市の胃がん検診が2019年1月から大きく変わりました。主な変更点は2つあり、①ABC検診が受けられるようになったこと、②胃バリウムだけであった検査方法に、胃カメラが加わったこと、です。ABC検診は満40歳・42歳・44歳・46歳・48歳の札幌市民を対象に、指定医療機関で生涯に1回だけ、自己負担1000円で受けられるようになりました。わが国における現時点でのピロリ菌感染者は、およそ3600万人程度と推定されています。現在胃がんは、日本人のがんの中で肺がんに次いで2番目に多く、年間約5万人もの方が胃がんで亡くなっています。
 皆さん、胃がん検診システム変更のチャンスを生かして、積極的に「ABC検診」を受けましょう。また、もしピロリ菌陽性が判明したら、ぜひ除菌治療を受けてください。

今回のドクター

先生

しんたに内科消化器内科 院長
新谷 直昭 先生
1987年札幌医科大学卒業、第4内科入局。1996年~1998年米アルバート・アインシュタイン医科大学留学、北海道がんセンター消化器内科医長を経て、2011年4月開院。日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医、日本肝臓学会認定肝臓専門医

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