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「不登校は誰しもに起こりうる」夏休み明け、注意が必要な子どもの変化とは

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のんびりした夏休みモードから、学校中心の日常モードへ。長期休暇明けの生活リズムの調整は、子どもに少なからずストレスを与えます。

もともと学校生活に不安があった子どもはなおさら、「昼夜逆転の生活が戻せない」「宿題が残っている」といったことがきっかけで、学校に行けなくなってしまうこともあるのだとか。

不登校をはじめ子どもからのSOSが増えるといわれる夏休み明け、親はどのように向き合えばよいか、一緒に考えてみませんか。

 

 
 

子どもにこんな変化やサインはありませんか?

☐ 体調不良を訴えたり、保健室の利用回数が増えたりしてきた。
☐ 生活のリズムが乱れ、昼夜逆転している。
☐ いつもはできていたのに、できないことが増えた。
☐ 友だちから頻繁に連絡がきて、外出が増えた。
☐ 最近、周囲に気を遣いながら笑っているような気がする。
☐ 以前に比べて学習意欲が低下し、成績が急激に落ちた。

ここに紹介しているのはあくまで一例。気になることがあったら、見守り、寄り添う姿勢が必要です。

 

不安な気持ちがカタチに表れる

夏休み明けの9月・10月が1年で最も相談件数が多くなる。そう話すのは、仙台市の不登校児童生徒のための施設「仙台市適応指導センター児遊の杜」の所長・石川一博さん。

「進級や進学、学校行事の多い5月・6月は、環境に適応しようと子どもたちはとても頑張ります。頑張り過ぎた分、息切れし始めるのが夏以降。『また頑張ろう』と前向きな気持ちを維持できる子もいれば、『これからどうしよう』と不安な気持ちが増す子もいて、それが登校をしぶる形で表れるのです」

その場合、要因は一つではなく、学校や家庭、学習など、さまざまな要因が複雑に絡み合っているケースが多いそうです。また、不登校にならないまでも、体調不良や行動・人付き合いの変化といった形で心の不調が表れることもあるといいます。

気になる変化やサインが見られた時、気付いてあげられるのは近い距離にいる家族です。親はどんな心構えでいればよいのでしょうか。

graph01仙台市適応指導センター「児遊の杜」と市内7カ所の適応指導教室「杜のひろば」における月別の相談件数。GW明けの6月や、進級・進学前の2月も相談件数が多くなる時期です

 

原因追及より子どもの気持ちを聞く

子どもに心の不調が表れたり学校に行けなくなった時、まずはおおらかに受け止めてほしいと話すのは、宮城教育大学教職大学院で小中学校のいじめやその予防・解決を研究している久保順也さん。

「不登校経験者が全国的に珍しくなくなってきたことを受けて、2年前に施行された教育機会確保法を境に、不登校は『誰しもに起こりうるもの』『休養が必要なこともある』という認識に変わってきています。学校はあくまでキャリア形成に向けた一つの手段。学校に戻すことがゴールではないと、親も心に留めておく必要があります」

最優先にすべきは、子どもが安心できる環境を整えること。そこには、家庭でのコミュニケーションが重要です。

「親は心配のあまり、そうなった原因を探りがちですが、突き止めたところで心の不調や不登校が解消されるとは限りません。まずは傾聴を心がけ、子どもが何に困っているかを引き出すことが大切です」(石川さん)

コミュニケーションは発達段階によって変わってくるそうです。具体的にどのような働きかけが必要か、教えてもらいました。

 

子どもの発達段階にあわせた親からの働きかけの例

区分は目安。子どもの実態にあわせた働きかけが必要です。
 

小学校低学年

親や先生と自分など縦のつながりが中心の時期

子どもの心理

  • 不安や悩みを聞いてほしい
  • 無視された、叩かれた、嫌なことを言われたといった悲しい気持ちを身近な人に知ってほしい

 
親からの働きかけ

  • 子どもに直接状況を聞く

 

小学校中・高学年

子どもの心理

  • 大ごとにしたくない
  • 親に心配をかけたくない、悲しませたくない
  • 他の人と比べて、できないことがある自分を認めるのが辛い
  • 足りない部分を言葉で伝えられない

 
親からの働きかけ

  • 周囲の友だちの様子を聞くことで、子ども自身の立ち位置を探る
  • 「私はあなたの味方」「困ったことがあったら聞くからね」と一定の距離で見守るスタンスをとる
  • 子ども自身がどうしたいかを考えられる時間を持たせる

 

中学生

友人や部活仲間と自分など横のつながりが中心になる

子どもの心理

  • 身近な誰かの言うことを聞くよりも、第三者からの助言の方が素直に聞ける
  • 同じ目線の人と話したい、思いに共感してほしい

 
親からの働きかけ

  • 教科担任や部活動顧問など、子どもと接点のある先生の中で頼れる先生が誰なのか確認しておく

 

もっと周りを頼っていい

小学校低学年のうちは、子どもは比較的何でも話してくれます。しかし、年齢を重ねるにつれて自分のことをあまり話さなくなったり、心配をかけまいと何事もなかったように振る舞ったりすることも少なくありません。

「話さないからと根ほり葉ほり聞かれれば、大人だって話しづらいですよね。コミュニケーションの難しさを感じたら、聞き方を工夫したり、大人として一定の距離を保ちながら子どもからの発信を促したりと、発達段階に応じた働きかけが必要です」(久保さん)

また、「家庭内だけで解決しようと無理に抱え込まないことが状況改善への近道。もっと周りを頼っていいんです」とは石川さん。

小学校中・高学年以上の子どもは、親や先生などの縦のつながり以上に友だちや部活仲間といった横のつながりを重視するもの。親に話せなくても友だち感覚の大人になら話してくれる場合もあるそうなので、キーパーソンとなる大人を頼ることは、親からは見えにくい子どもの様子を知る上でも役に立ちます。

「キーパーソンは必ずしも学級担任ではないかもしれません。子どもが誰とよくコミュニケーションをとっているか、日頃から聞いておくといいですね」(久保さん)

現在、小中学校には不登校支援コーディネーターの肩書きを持つ先生が必ずいて解決に努めているので、同じ学校内でも相談相手は複数いると知っておくことも大切です。このような協力体制は、解決策が見えない親が孤立しないためにも重要と、石川さんは話します。

相談先は、学校以外の施設や窓口なども複数あります。気構えずに話してみることで、改善への糸口が見えてくるかもしれません。

 

悩んだときの相談窓口

悩みんだときや子どもに気になる変化があったときに相談できる仙台市・宮城県の窓口です。
 

仙台市の相談窓口

仙台市立の学校に児童・生徒、保護者が対象。「24時間いじめ相談専用電話」や、学校生活の悩みや保護者の子育ての悩み、発達課題の諸問題について相談できる「仙台市教育相談室」などを案内。

仙台市教育委員会(担当課:仙台市教育局教育相談課)
http://www.city.sendai.jp/kurashi/manabu/kyoiku/inkai/
 

宮城県の相談窓口

宮城県内の児童・生徒や保護者、各市町村教育委員会、学校現場が抱える悩みや問題に対応する相談窓口を案内。

宮城県教育庁義務教育課
http://www.pref.miyagi.jp/site/gikyou-kkr/
 

仙台市適応指導センター

登校することが難しく、悩んでいる子ども本人・保護者・学校関係者の皆さんを対象に電話相談および来所相談を行っています。また、不登校に悩む保護者を対象とした「親の会」(予約不要)も開催。自分自身や、わが子が不登校を経験したボランティアから、経験談を聞かせてもらえたり情報交換ができます。

電話相談・来所相談
TEL 022-773-4150(児遊〈じゆう〉の杜)
月~土曜 9:00~17:30(火・土曜は17:00まで)
http://www.sendai-c.ed.jp/~jiyunomori/
※市内7カ所の適応指導教室「杜のひろば」についても紹介

親の会
毎月原則第2・第4土曜 10:00~12:00
 

取材協力
仙台市適応指導センター所長 石川一博さん
仙台市教育委員会が所管する仙台市内の不登校の児童生徒のための公的機関「仙台市適応指導センター」で、不登校支援に悩む子どもや親の支援にあたっている

宮城教育大学教職大学院 准教授 久保順也さん
臨床心理士。小・中学校におけるいじめの現状把握や、それらを予防・解決するための支援方法に関する研究を行っている

 
 

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