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こころと体の健康をサポート 特別編

こころと体の健康をサポート 特別編

 「うえの医院」の上野裕院長に聞く年末恒例「こころと体の健康をサポート 特別編」。今回は、上野先生が「平成最後の年末、読者のみなさんにぜひ語りたい」という、最近相談件数が多い“ピル”について、そして日常生活を送る上で欠かせない食生活に関してお話を伺いました。

ピルの効用と副作用についてきちんと知っておきましょう

人工合成した卵胞ホルモン(E)と黄体ホルモン(P)の合剤を「ピル」と呼びます。作成目的は、①卵胞の発育を抑制し、排卵を停止させる、②子宮内膜を増殖させて不正出血を治療する、の2つです。①は月経時不快症状の改善と避妊効果をもたらします。
Eの量により中容量と低容量に分け、後者をさらに健康保険適応になるLEPと、適応外のOCに区別するのです。ピルの副作用は血栓症・体重増加・むくみ・血圧上昇・肝腎機能異常などがありますが、一般的にはE量の少ないピルが副作用頻度は低いと見ます。最も配慮するべき副作用は血栓症で、主に下肢深部静脈で発生した血栓が脳・肺・心筋などの動脈を塞いでしまう病態です。死亡や重篤後遺症の原因となります。
血栓症の危険度について、組み合わせるPの種類が少なからぬ影響を与えると私は考えています。すなわち、Pがドロスピノレンかデソゲストレルであるピルの危険性が高いと思えるのです。LEPには危険度の高いPを使用する2種類があり、私の処方で2種類とも1例ずつ脳血栓が出た経験が根拠です。その2種類以外のピルで血栓症になった例を私自身は知りません。幸いその患者さん2人とも後遺症はありませんで0したが、私見はデンマークでの大きな調査やFDA(米食品医薬品局)の結論と一致します。

ピルの種類を選ぶことが最重要
ピルの使用は慎重に

LEPは子宮内膜症治療薬とされていますが、ピル希望の方ならば、保険適用は諦め、2種以外のPが入ったピルを選ぶべきです。しかし、ピル以上に推奨できるジエノゲストという薬剤があります。血栓症の危険はほぼありません。
血栓症の危険度を測るには、Dダイマー値を指標にすることが多いのですが、前述した副作用例は直前でのDダイマー値はまったく正常でした。このため、ピルの種類を選ぶことが最重要と私は考えます。
月経不順や月経前障害の方にピルが使用されることも少なくないようです。直ちに妊娠希望のない場合の月経不順には個々に適する漢方製剤処方が王道で、月経前障害治療には高温期での天然のE剤補充が第1選択であると私は思っています。また、ピルの連続服用は卵巣性無月経を引き起こす恐れがありますので、2年服用→半年休薬→2年服用とすべきでしょう。
インターネット通販でピルを購入して安易に服用する方がいますが、非常に危険です。命にかかわる副作用があることをきちんと認識すべきです。

 

日常の食生活において“食材の性質”を知ることが大切です

中国では陰陽論に従って、「熱の過剰→熱証、不足→寒証」、「気の過剰→実証、不足→虚証」、「水の過剰と偏在→湿証、不足→燥証」とし、個々の体質を2の3乗で8タイプに分類します。その上で、食品の持つ偏向補正効果をまとめました。

①穀物類 米は陰陽の偏りは少なく万人向け。玄米→寒湿は避ける。ソバ→熱虚に一番向く。ハトムギ療法は熱湿のみに有効。

②豆類 小豆(あずき)→熱実湿に最良。小豆単独では絶対に太らない。故に、甘い物を好む方は、糖分控えめの餡(あん)で欲望を満たそう。豆腐→熱虚燥に最適、多食を控えるべきは寒実湿証。

③甘味類 砂糖で太りやすいのは熱実で、虚燥は太りにくい。蜂蜜の恩恵を受けるのは熱虚燥で、避けるべきは寒実湿。

④種実類 栗→便秘ぎみの方は避ける。寒虚湿には良い。胡麻(ごま)→便秘ぎみの方の老化予防に良い。

⑤イモ類 さつま芋→実湿は控える。山芋→虚燥に良い。サトイモ→寒虚燥に最適。

⑥魚介類 ウナギ・ウニ→虚湿に良く、特に寒証に向く。熱実燥で高血圧の方は控える。ドジョウ→虚湿の方の精力増強に良い。カキは熱虚燥の、クラゲは熱実燥のイライラしやすい方に勧める。

⑦肉類 熱実の方は牛を控えめに。暑がりの方は鴨が良く、鳥と豚は万人向け。

⑧野菜類 温めるのはキャベツ・ニンジン・タマネギ・カボチャなどで、寒証は多めに摂ると良い。余分な熱を冷ますのはキュウリ・ナス・ピーマン・トマト・タケノコなどで、冷え性の方は生で食べる量を減らす。なお、ニンニクと唐辛子は熱の産生と気の放出を極端に起こすので、出来るだけ避けるべき。特に熱虚の方は用心すべき。

⑨果実類 温めるのはミカン・桃・サクランボ・パイナップル・リンゴで、体熱を冷ますのがイチゴ・柿・梨・スイカ・メロン・バナナなど。冷え性の方は後者を控える。また、リンゴは便秘になり、ミカンを夜食べると睡眠中の尿意を起こしやすい。

⑩嗜好品 緑茶・紅茶・ウーロン茶は体を冷やすので、冷え性の方はコーヒー・ココア・番茶が良い。アルコールによる慢性障害を起こしやすいのは熱実湿。

 


上野院長栃木県立宇都宮高校、北海道大学医学部卒業後、慶応義塾大学大学院で医学博士号取得。1985年からうえの医院に勤務。

住所:宇都宮市大寛2-5-7 TEL:028-636-8707
HP:www.uenoiin.net


 

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