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こころと体の健康をサポート Vol.140

こころと体の健康をサポート Vol.140

質問1:前回、中国陰陽論に従った食品の8タイプ分類の説明がありましたが、家族間でタイプが異なる場合、どのように食事内容を考えたらよいでしょうか? 誰に照準を合わせれば良いですか?(50代女性)

もっともなご意見です。生薬と異なり食品の中国医学的性質はほとんどが穏やかな偏りがあるだけなので、惣菜内容は家族共通でよいのです。ただし香辛料に激しく偏った性質を持つ、特定のタイプには避けるべき例があります。唐辛子・ニンニクが好例で、両者は強い熱性・瀉(しゃ)性・燥性を持ち、燥熱虚タイプを大きく偏向させ、疾病を引き起こす恐れがあります。 熱タイプで強い虚証である私は、両者の1つを少量摂っただけですぐに発汗し体がだるくなり、翌日にはカゼを引いてしまいます。また、ニンニクを毎日摂っていたら外陰部に激しい炎症を起こした患者さん、毎日のようにスイカを食べたせいで胎盤機能が悪くなった妊婦さんを診察した経験もあります。
すなわち、特定食品を多食する・自己にとって著しく相性の悪い食品の使用の場合にのみ、タイプ分類を十分に応用することが肝要だと考えます。具体的には、①味付けは淡泊(たんぱく)にして、後は個々に適した薬味を追加する。②食後のお茶や果物は各タイプに適した種類を選ぶことが良いでしょう。

 

質問2:5年前に漢方薬で激症肝炎を発症しました。普段から胃が弱くて補中益気湯を常用していたのですが、カゼを引いた時に麦門冬湯に変えた時です。1年後に「もったいない」と思って残っていた麦門冬湯を飲み始めたら、また肝臓の数値が急上昇したため、因果関係がわかったと思い漢方薬はやめています。漢方薬が人によって合わずに危険なことはありますか(40代女性)

とても重要な質問です。漢方製剤による障害は2つの機序が考えられます。1つはアレルギー反応によるもので、一般薬によるアレルギーと共通します。質問者の肝臓障害はこの範疇(はんちゅう)に入るでしょう。補中益気湯ではアレルギーは起こさなかったので、この薬剤には含まれない生薬に対するアレルギー反応と考えます。麦門冬湯を構成する生薬で、補中益気湯に含まれないものは、「麦門冬」「粳米」「半夏」の3者です。その中のどれかがアレルゲンになった、中でも半夏が最も怪しいと思います。2つめは、中国医学特有の原因による障害発生で、最低でも「質問1」で話したタイプを考慮せずに処方された場合です。重要なこと→摂取する漢方製剤は必ず正統中国医学の診断=分類を経て処方されたものでなくてはいけない。

 

質問3:産前はいつまでも眠り続ける程やる気が起きない日々が続いていましたが、出産後には人が変わったように、早起き・育児・家事と問題なく過ごしてきました。でも4カ月を迎え、どっと疲れが出てきました。(20代女性)

産前の「うつ状態」と思われる時期→出産後4カ月間の好調時期→現在のうつ的傾向という経過を見ると、好調時期が正常な心理状態であったならば「反復性うつ病」、同時期が燥的状態であれば「双極性障害」=気分の高揚と低下・活動性の増大と減少の交代的出現の初発か再燃かの可能性があると思われます。ただし、産後における母親の心身に最も負荷が掛かる3カ月間にはうつ状態は改善したのですから、「産後うつ病」は否定されるでしょう。精神神経科受診をお勧めします。

 


上野院長栃木県立宇都宮高校、北海道大学医学部卒業後、慶応義塾大学大学院で医学博士号取得。1985年からうえの医院に勤務。

住所:宇都宮市大寛2-5-7 TEL:028-636-8707
HP:www.uenoiin.net


 

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