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こころと体の健康をサポート Vol.144

こころと体の健康をサポート Vol.144

質問1:最近、月経痛がひどくなり、量も増えました。これは何か病気ではないかと心配しています。考えられる原因などはありますか?(30代女性)

月経痛と月経過多を同時に起こす可能性がある疾患は、子宮内膜症と子宮筋腫、まれに子宮内膜ポリープが考えられます。内膜症が30代後半になってから悪化することはまずないので、質問者の場合、筋腫かポリープを考えるべきでしょう。
超音波やMRIなどの検査で診断がつきます。ポリープは外科的治療が必要です。筋腫で手術の必要がないとなれば、ジエノゲストという薬剤服用で排卵=月経を停止させることが最良です。ピルと異なり、長期服用しても血栓症発生の副作用がないのが最大利点です。そのほか、個々に最適な漢方製剤の持続服用+月経期での芎帰膠艾湯の服用治療もあります。

 

質問2:仕事のことで何かとネガティブに考えてしまいます。新たな仕事が来ても失敗するんじゃないかと悩み、びくびくしてばかりいます。どのようにしたら前向きになれるでしょうか?(50代男性会社員)

悩みは仕事上に限られるようなので、責任感の強さが根底にあると感じました。生来的な性格の反映と思われ、50代ともなると責任の重い立場にあるのでしょうから、そうした傾向が強まっても不思議はありません。
認知行動療法では、自然に浮かんでくる思考性を「自動思考」と呼び、これは性格から生じる思考傾向で個人の情緒特性に大きな影響を与えるとみます。質問者の自動思考は弱気に傾きがちで、取り越し苦労・うつ的な悲観的情緒に染めてしまうのです。こうした陰性情緒を断ち切る、または脆弱化するには、「胆力」=弱気を押しとどめる本能的意志がしっかりと湧き上がらねばなりません。くよくよ・ネガティブ思考傾向が強い方は胆力が弱いと考えられ、胆力を強めねば、仕事上で悩み続けねばなりません。
私が推奨する方法は、「気」に充ちた音楽をじっくりと聴き、潜在している胆力が自然に膨らむのを待つことです。言葉よりも音楽が良いと思います。実例として、①「平均律クラヴィア曲集・第1巻」5曲目のフーガ部分を聴くと、バッハの胆力は何と、モーツアルトが創造した魔界的役柄“ドン・ジョバンニ”に匹敵することが判るでしょう。②ベートーベンのピアノソナタ「テンペスト」終楽章。ここで人は永遠と無限を体験し、怖いもの無しの心境になります。③プッチーニ「トゥーランドット」。カラフのアリア「泣くなリュウ」から第1幕の終わりまでは、胆力自体の音楽化とさえ言えます。
西洋音楽が苦手であれば、小椋佳コンサート「未熟の晩鐘」DVD鑑賞に尽きます。第二部最初の「夢芝居」が素晴らしい。ピアノ・ギター・キーボードに日本独自の楽器が加わった伴奏で小椋氏が歌う…稽古不足を幕は待たない、恋はいつでも初舞台…。津軽三味線は縄文、筝は奈良・平安、琵琶は鎌倉・室町、それぞれの時代における民衆の胆力を連想させます。そして編曲者と小椋氏の胆力、これだけ“魄”に充ちた演奏は少なく、聴く者の心に力を漲らせて止みません。その後、小椋氏は「未熟の晩鐘」で人間の限界も歌いますが、限界を弁(わきま)えてこその胆力なのです。

 


上野院長栃木県立宇都宮高校、北海道大学医学部卒業後、慶応義塾大学大学院で医学博士号取得。1985年からうえの医院に勤務。

住所:宇都宮市大寛2-5-7 TEL:028-636-8707
HP:www.uenoiin.net


 

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