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こころと体の健康をサポート Vol.146

こころと体の健康をサポート Vol.146

質問1:1年ほど耳鳴りに悩んでおり、虫の羽音に金属音が混ざったような感じが四六時中やみません。耳鼻科で漢方剤を処方されましたが改善しません。(60代女性)

耳鳴りは対応しにくい症状で、医師も悩みます。耳鼻科医師が漢方剤を処方したなら、西洋医学的には対応できないとの判断でしょう。適した方剤なら1週間で効果があるので、服用中の処方薬は期待できません。
中国医学の五行(症状のグループ群)分類では、耳に関するものは「腎水」に入り、経絡(症状の重さ)分類を組み合わせて症状の座標を決めます。主訴が1年続いているので、経絡は「大腸経」(全身を統制する生体機能)以降の深さでしょう。大腸経より1つ重い段階を「脾経」と呼び、熱証には清心蓮子飲、寒証には真武湯+枸杞子を使用します。質問者はここまで重くなく、「大腸経」に適切な腎水剤、熱証ならば補心丹(エキス剤がないので天王補心丹で代用)、寒証ならば桂枝加竜骨牡蛎湯が第1選択剤でしょう。

 

質問2:おしゃべりだった子ども(小4)が最近無口になり、リビングで過ごさなくなったので心配です。イジメがあるとは聞いていませんが、夏休みも外に遊びに出ません。どう声をかけ話を聞けばよいですか?(40代女性)

質問文を読み、さまざまな推量を重ねました。一人でいることを優先させる心理状態は、①抑うつ、②不快、③過緊張の3つがあると考えます。①は、身体的原因は甲状腺機能低下症で血液検査などで調べてください。精神的原因は「うつ状態」にあり、内因性と社会心理的誘因の2種類があります。“内因性うつ”の初発年齢は12~16歳との意見が大勢で、児童の場合、気分変調症や双極性障害(躁うつ病)の萌芽とも考えられます。児童の“心理的うつ”の原因は家庭・学校・習い事での人間関係がほぼすべてでしょう。②は、不快の対象は家族・学校にまつわる人物に限定されるでしょう。まれに、子どもの至純さから来る“自己存在自体に対する不快”もあります。③は、勉強や成績についての家族の期待・先生の厳しい要求・友達との軋轢などが原因と思われます。
不安定な心理状態にあると、不眠・食欲不振・腹痛・頭痛・吐き気などの身体症状を合併することが少なくないので、注意して観ていてください。いずれにしても、心の中に溜めているものを減弱しなければなりません。もし、祖父母のどなたかと子どもさんが親密ならば、両親よりもそちらからの声かけの方が良いと思います。

 

質問3:代で多のう胞性卵巣ぎみ、男性ホルモンが高めと言われました。不妊になりやすいと思いますが、切迫早産や子宮体癌になるリスクも高いですか?(30代女性)

多のう胞性卵巣(PCO)の原因はわかりませんが、糖尿病や脂質代謝異常と関連するとみられ、そちらの検査も重要です。卵胞(卵子の母地)発育が順調に進まず、未熟な卵胞が卵巣に詰まった状態にあり、時に卵巣は腫大します。また、男性ホルモン系が過剰に分泌されます。卵胞発育が不順なので排卵しにくく、当然妊娠確率は低い。さらに月経不順のため、子宮内膜が中途半端に肥厚した状態が続くので、体癌の確率は高まります。
対策は、排卵を促し続けることです。具体的には、クロミフェンや各自に適切な漢方製剤の服用と考えます。妊娠成立後のPCOからの悪影響ですが、絨毛細胞が順調に働く以前は少々不利でしょうが、順調になればまったく問題はありません。

 


上野院長栃木県立宇都宮高校、北海道大学医学部卒業後、慶応義塾大学大学院で医学博士号取得。1985年からうえの医院に勤務。

住所:宇都宮市大寛2-5-7 TEL:028-636-8707
HP:www.uenoiin.net


 

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