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こころと体の健康をサポート Vol.147

こころと体の健康をサポート Vol.147

質問1:父母を昨年亡くし、現実に戻れず仕事も出来なくなり、マイナスの考えばかリの日々です。人混みにも出られなくなり、安定剤を買って飲んでいます。(50代男性)

大切な人を失うことは、誰にとっても大変つらいことですが、多くの場合「悲しみの分散化」という経過をたどり、喪失と不在という悲しい現実を背負いながら、新たな生活を送るようになります。“悲しみの分散〟を阻害するのが、①自分が何らかの方法で死を防げたのではないかとの後悔、②自分の悲しみは他者と比べて大き過ぎるのではないかという恥の感情であると私は考えています。質問者の現在の状態は〝うつ状態〟であると判断され、精神神経科か心療内科を受診すべきでしょう。すり減ってしまった心のエネルギーを取り戻す薬剤と心の持ち方を変化させるキッカケを、医師は与えてくれるはずです。

 

質問2:ここ数年、髪の抜け毛がひどいです。もともと月経不順があり、ホルモンバランスが乱れていると思います。バランスの乱れは抜け毛と関係ありますか?(30代女性)

ホルモンバランスという言葉をよく耳にしますが、30代であれば卵胞ホルモン(E)は順調に分泌されているはずです。Eは女性の味方であり、頭髪に悪影響を与えません。月経不順が抜け毛を誘発するとすれば、「髪は血の養分に依存する」との中国の考え方を借りて、規則的に出血が起こらぬことで末梢での血液の流れに淀(よど)みが生じ、充分な血の養分が髪に回らないと捉えるべきでしょう。この考えに従えば、抜け毛を改善させる漢方剤は以下の通りです。熱実証→乙字湯、熱虚証→加味逍遥散、寒実証→桂枝茯苓丸、寒虚証→補中益気湯(便秘の方は杏仁3gを加える)です。なお実証の場合、方剤にクコの実3gと葛根4gを加えます。

 

質問3:僕は産婦人科医になろうと考えています。医科大学での第二外国語はドイツ語を学んだ方がよいですか? また、先生が研修医時代に大変だったことは何ですか?(中2男子)

※今回、中学生から質問が届き、上野先生に伝えたところ、「医師を志す青年がいるならば」と特別に回答して頂きました

中学2年の段階で早くも人生設計ができていることに、大変驚くと共に覚悟の強さに感心しております。私など中2のころは友達との野球に興じ、学校ではイタズラの連続で先生方にいつもおしかりを受けていました。医学部入学・産婦人科入局の選択も、父が産婦人科を開業していたためという消極的な発想でしかありません。研修医制度は、専門分野に従事し始めれば、私の時代と現在であまり違いはないようです。研修医は多くの臨床の基礎を習得せねばならず、深夜までの居残り、当直など病院内で過ごすことが多く、自由時間は少ないと思います。また所属病院からの収入は限られており、関連施設などでの外来や当直で生活費を補う必要もあります。しかし、教授をはじめ臨床教室内では連帯感が強く、イジメやパワハラはほとんど心配ないでしょう。
さて、第二外国語ですが、多くの医学部での選択肢はドイツ語とフランス語の2つです。日本の近代医学は長くドイツ医学をお手本として成長してきたため、米国医学主流の現在でも広くドイツの影響は存続していますので、ドイツ語選択が王道です。なお私の母校・北大では、そのほかロシア語・中国語・スペイン語からも選べます。

 


上野院長栃木県立宇都宮高校、北海道大学医学部卒業後、慶応義塾大学大学院で医学博士号取得。1985年からうえの医院に勤務。

住所:宇都宮市大寛2-5-7 TEL:028-636-8707
HP:www.uenoiin.net


 

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