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こころと体の健康をサポート Vol.148

こころと体の健康をサポート Vol.148

質問1:夜しっかり睡眠はとれていて疲れもそれほどないのですが、仕事中、眠気に襲われます。昼間の眠気への対処法はありますか。職場で昼寝はできません。(40代男性)

人類元来の睡眠時間は10時間で、時代と共に減少(現代では7時間が平均)してきています。慢性的睡眠不足を抱える方は少なくありません。①休日の寝坊、②目覚まし時計の使用やカフェインによる眠気醒ましなどは睡眠不足の証拠であると「カンデル神経科学」は記しています。昼間の覚醒度を高めているのは視床下部の1部分なので、視床下部の部分的機能低下が眠気と関わっているようです。質問者が重度の過眠症であるナルコレプシーとは思えませんので、チェックすべきは睡眠時無呼吸症でしょう。そうでなければ、漢方製剤による対処がお勧めです。中国医学の五行分類の「木」行の“気”を上昇させる薬剤を用います。熱実証→桃核承気湯、熱虚証→升麻葛根湯、寒実証→桂枝加芍薬大黄湯+葛根4g、寒虚証→黄耆建中湯です。それぞれ天麻3gを加えると効果は増すでしょう。

 

質問2:最近、月経が来るのが28日周期より早くて心配です。26日くらいならそれほどではないのですが、22日で来ることもあって病気ではないかと不安です。(30代女性)

脳内の視床下部・下垂体、卵巣の3臓器が連携し、ほぼ28日周期で女性は排卵→高温期→月経→低温期→排卵…を繰り返しています。もちろん、妊娠すればこの周期は一時的に停止します。多くの女性は、性器出血を目安に卵巣周期をとらえていますが、この考え方が混乱を招くことが多いのです。月経発来は排卵の結果なので、月経並びに不正出血(月経以外の性器出血)に注意を向けても卵巣周期を把握することはできません。すなわち、排卵を中心に卵巣周期を見なければ意味がありません。それには、毎日基礎体温を測ることが大切で、排卵→月経の流れが実感できるでしょう。また、出血が月経なのか、排卵の遅れに伴う、あるいは高温期での不正出血なのか、妊娠初期の出血なのか、早期に判断できます。26日目の出血は月経の可能性が高いと思いますが、22日目の出血は排卵遅延に伴う不正出血だと考えます。30代の方なので、原因は視床下部の機能低下のためと推測します。機能低下は、重大な病気のせいではなく、過労・環境変化・体重の少なからぬ変動・心理的ストレスなどです。基礎体温を2カ月記録し、婦人科への受診を勧めます。

 

質問3:カゼのひき始めに葛根湯を飲んでいますが、最近それでは治らなくなってきました。漢方剤を飲み続けると体が慣れて効かなくなりますか?(50代女性)

耐性が出現し、特定の漢方剤効果が減少することはありません。それよりも、正統な中国医学に基づく処方選択が薬効の良否にとって重要です。急性ウイルス感染症の病状には軽重2種あり、軽症を「肺経」、重症を「膀胱経」とします。さらに、体の熱量・エネルギーの多寡を分類し、熱実・熱虚・寒実・寒虚の4タイプに分けます。日本ではどちらの分類もおざなりです。以下、カゼに対する分類別の基本方剤を列挙します。まず膀胱経は、熱実→五虎湯、熱虚→白虎加人参湯、寒実→葛根湯、寒虚→桂枝湯。肺経の場合は、熱実→清上防風湯、熱虚→辛夷清肺湯、寒実→神秘湯、寒虚→香蘇散で、38度以上の発熱、酷い頭痛、虚証の場合の下痢がなければ肺経薬でよいでしょう。

 


上野院長栃木県立宇都宮高校、北海道大学医学部卒業後、慶応義塾大学大学院で医学博士号取得。1985年からうえの医院に勤務。

住所:宇都宮市大寛2-5-7 TEL:028-636-8707
HP:www.uenoiin.net


 

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